採用市場が売り手市場となる中、多くの企業がエンジニア採用に苦戦しています。
エンジニアは母数が少なく、専門性も高いため、「求人サイトに登録しているのに応募が集まらない」「エンジニアからの応募がない」といった声をよく耳にします。
このような状況において、効果的な採用手法として注目されるのが「ダイレクトリクルーティング」です。
企業の採用担当者の中には、
- ダイレクトリクルーティングでどのようにエンジニアを採用すればよいのか?
- 個別にアプローチする前に整理することは?
- 実際エンジニア採用に効果があるの?
- おすすめの人材データベースは?
など、多くの疑問や不安を抱えている方も少なくありません。
本記事では、ダイレクトリクルーティングの概要、エンジニア採用における有効性、そのコツや注意点について詳しく解説します。
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中途採用におけるダイレクトリクルーティングとは?
ダイレクトリクルーティングは、企業が求める人材を自ら探し、直接アプローチする採用手法です。企業が人材を探すことから「スカウト」・「ダイレクトソーシング」とほぼ同様の意味で使われています。
企業の採用活動は、求人メディアや求人広告への掲載、人材紹介会社やハローワークの活用など、希望者の応募を待つ「受け身」の採用手法が主流でした。一方、ダイレクトリクルーティングは企業が自社にマッチする人材を探す点で大きく異なります。
ダイレクトリクルーティングの手順は以下のとおりです。
- 1. ニーズの特定
企業は職務内容、必要な経験、技術的なスキル、ソフトスキルなど含む職種や求めるスキルセットを明確に定義する。 - 2. ターゲットの特定
求めるスキルセットを持つ候補者を人材プラットフォーム、SNS、勉強会、セミナー等を活用して特定する。 - 3. アウトリーチ
特定した候補者に対してメール、電話、SNS、対面など直接連絡を取ります。 - 4. 面談・面接のスケジューリング
候補者が興味を示した場合には、カジュアル面談や面接の日程を案内し、決定しましょう。
以降のプロセスはその他の採用方法と同様です。
ダイレクトリクルーティングにおけるアプローチ手法
ダイレクトリクルーティングには大きく3つのアプローチ方法があります。
- ビジネスSNS等の利用
- 勉強会・セミナーでの直接接触
- スカウトメールでのコンタクト
ビジネスSNS等の利用
1つ目はFacebookやX(旧Twitter)等のSNSを通じて直接コンタクトを取る方法です。
エンジニアであれば、SNSと連携させてブログやポートフォリオなどを公開している人がいます。企業は相手の情報を元に、スキルや能力を把握し、必要な人材にスカウトを行うことが可能です。
特に、SNS等を利用したダイレクトリクルーティングでは、企業が投稿やブログを通じて事前に人柄を確認できます。事前に人柄が知れることで採用基準に照らし合わせた候補者を選定に役立つでしょう。
ダイレクトリクルーティング以外にも企業のSNSへ求人情報の掲載やイベントの告知、プレスリリースなどを行えます。フォロワーによるシェア・拡散により企業の認知度を高められることも魅力です。
SNSを利用した採用についての詳細はこちらをご覧ください。
勉強会・セミナーでの対面アプローチ
自社で運営する勉強会やセミナー・ミートアップもスカウトを行う有効な場です。
相手側に企業のHPからは不透明になりやすい文化や風土を知ってもらい、実際のワークスタイルを感じてもらう好機でしょう。
採用の手順は第一に勉強会に参加してもらい、発言内容やコミュニケーションから能力や人柄を把握します。次に直接の接触回数を増加させ、相手から好印象を得た際にスカウトを行うことが重要です。
候補者が当初興味を示さなかった場合でも、勉強会やセミナーなどに参加してもらうことで、徐々に企業で働くことを意識させることが可能です。これにより、企業の雰囲気や業務内容を十分に理解してもらい、将来的に採用の機会が巡ってくる可能性が高まります。
こうしたイベントの開催は、採用機会を新たに創出するだけでなく、企業の認知度向上やイメージアップにも寄与します。
スカウトサービスの活用
最も導入しやすい方法は、求人サービス内のスカウト機能を活用することです。ダイレクトリクルーティング向けのサービスに登録している人材から、企業が求める人材を検索し、スカウトメールを送信することで直接アプローチを行います。
スカウト送付時に企業が行う業務は
- スカウト送信対象者の選定
- スカウト文章の作成
- メールの送信
- メールの返信対応
これらが必要です。
前述のSNSやイベント系と比較すると、転職潜在層だけでなく、転職を検討している層にもアプローチできる点が魅力になります。
エンジニア採用にダイレクトリクルーティングが有効な理由
エンジニア採用は人材不足の影響により、採用市場全体の競合性が高い状態が慢性化しています。
加えてエンジニア市場の特徴には、
- 企業に属さないフリーランスや副業で働く人材が増加している
- 優秀な人材は高待遇で囲い込まれている
これらのことが挙げられます。
採用市場にエンジニアの数が少なく、優秀なエンジニアほど、転職希望者が現れづらいです。
しかし、ダイレクトリクルーティングでは転職希望者だけでなく、潜在転職者にもアプローチができます。
ダイレクトリクルーティングに必要な費用は?
ここではダイレクトリクルーティングに必要な費用について解説します。
主に必要な費用としては人材データベース使用料金が必要です。発生する費用は定額制、成果報酬型、完全成果報酬型に区別されます。
- 定額制:年間60万円〜300万円とレンジが広い。
- 成果報酬型:利用料金+採用者の年収の15%
- 完全成果報酬型:年収の15%~25%
中には人材紹介が付随するサービスも有り、特徴はサービス毎に大きく異なります。固定費を支払うことが予算上ネックになる場合は、完全成果報酬型を選ぶことが良いでしょう。
スカウト前に人事が把握するべきポイント
一般的な職種ではビジネススキルやソフトスキルが重視されますが、エンジニアは評価の軸が異なる傾向が強いです。エンジニアのワークスタイルやIT業界の変化の速さも相まって、トレンドの変化が大きい市場です。スカウトを行う前には、人事がエンジニアの知見を広げる必要があります。
ここではエンジニア採用で人事が把握するべきポイントを抑えていきましょう。主に2点あります。
- エンジニアの評価基準
- 企業が提供可能な労働環境
エンジニアの評価基準
ダイレクトリクルーティングでは、エンジニアを適切に評価し、自社に必要な人材にアプローチすることが必要です。特にエンジニアの評価には専門的な技術スキルが重要です。加えて、チームで作業を行う機会も多く、協働に必要なソフトスキルが求められます。
専門的な技術スキルの評価
現場でエンジニアが困難に感じている点や必要な人材のスキルに理解を深めることで、スカウトを行う際に適切な人材にアプローチすることに繋がります。また、エンジニアと採用基準が揃っている場合はスカウト開始までのリードタイム短縮に貢献するでしょう。
エンジニアに必要なスキルとして以下の要素が挙げられます。
- プロジェクト経験
- 問題解決力
- 技術的なスキル
これらを適切に評価するためには
- プログラミング言語(例:Python, Java)
- フレームワーク(例:Rails, Django)
- ライブラリ・パッケージ(例:Selenium, TensorFlow)
- ツールの使用経験(例:Git, Docker)
- サーバー・環境(例:AWS, Azure)
などの解像度を高め、知識を整理することが重要です。
チームで協働する能力の評価
エンジニアはチームで協力してプロジェクトを進める機会が増加しています。文化的な適合性やチームワークのスキルも重視されます。技術力が高い場合でも、チーム内でのコミュニケーションが円滑でなければ、プロジェクトの成功に繋がりません。
例えば、
- 明るいコミュニケーション
- 人当たりの良さ
- リーダシップ
- 交渉力
といった観点を基準にし、面接合否を検討する場面が見られます。
しかし、「本当にエンジニアに必要なスキルか?」については、現場エンジニアと議論を行う必要があります。必要なスキルはシチュエーションを具体化し、使用する場面を指定することが重要です。
具体例を挙げると
- 開発現場において、分かりやすく物事を伝達するコミュニケーションスキル
- チームメンバーと効果的に情報共有し、連携してプロジェクトを遂行するチームワーク力
等になります。
必要なソフトスキルを検討し、明確に整理するのが良いでしょう。
企業が提供可能な労働環境
企業の人事担当者は、エンジニアに対して提供できる労働環境を整理しましょう。
エンジニアは他の職種と比較して、キャリアアップを目的とした転職を行う割合が高いため、人事担当者は「成長機会の提供状況」や「キャリアパスの明確化」を提案できる状態にすることが求められます。
さらに、エンジニアにとっては、出社やリモートワークの要件も転職の重要な要素となります。企業が労働環境を整備する際には、提供可能なリソースを把握しておくことが重要です。
提供できるキャリアパスと成長機会
エンジニアリングは、日進月歩で取り扱う技術が進化しており、常に新しい技術やスキルを学ぶ必要があります。エンジニア採用においては、候補者が自身のキャリアをどのように成長させたいかを把握し、企業が提供できる成長機会やキャリアパスについて明確に説明することが重要です。
成長機会を与える例として
- 業務時間の一部を自己研鑽に利用できる
- 書籍購入のサポート
- 勉強会・セミナーの定期開催
などの業務以外での既に行っている成長を促す取り組みをスカウトメッセージでは組み込むようにしましょう。
提供できる柔軟な働き方とワークライフバランス
エンジニアのコード設計と実装には、高い集中力と長時間の作業が必要です。プログラミングを行う環境として出社の必要性が低い場合や個人の作業しやすい環境を優先する場合にはリモートワークを提供することでモチベーションを高めることも重要です。
同様に、成果主義的な文化があり、スクラム開発でのタスク管理が正しく運用されている場合にはフレックスタイム制などを行える環境を提供することで柔軟な働き方に対応できます。
現時点でリモートワークやフレックスタイム制を導入している企業は、これらの柔軟な働き方についてスカウトメッセージに言及することが望ましいです。これにより、働き方の柔軟性が強調され、ワークライフバランスの整った企業であることをアピールできます。
一方、これらの制度を導入していない企業は、導入を検討中である旨や導入に至っていない経緯を整理し、ポジティブな面を伝えられるように準備することが重要です。
ダイレクトリクルーティングでは、直接メッセージを送るため、エンジニアへの理解がアプローチの質に直結します。人事担当者は、エンジニアの業務内容や希望を深く理解し、その背景についても把握することが求められます。
スカウトがエンジニア採用に有効な3つの理由
エンジニア採用市場には人材が少なく、転職希望者が多くありません。しかし、ダイレクトリクルーティングは直接働きかけることで市場の影響を受けにくい特徴があります。
このようにエンジニア採用に有効に働く3つの理由を解説していきます。
- 転職潜在層へのアプローチが可能
- 希少なエンジニアに効果的に訴求できる
- パーソナライズされた訴求がダイレクトに届けられる
転職潜在層へのアプローチが可能
ダイレクトリクルーティングの最大のメリットは、人材紹介会社経由では接触できない人材と出会える点です。人材紹介会社は通常、転職活動中の求職者のみを対象としています。しかし、ダイレクトリクルーティングでは、転職を意識していない潜在層を含む広範な人材にアプローチすることが可能です。
また、企業が高待遇で優秀な人材を囲い込むことにより、IT業界では人材の流動性が低下しています。優秀な人材が転職市場に流入しにくい現状を打開するためにも、ダイレクトリクルーティングは重要な戦略です。
希少なエンジニアに効果的に訴求できる
希少職種とは特殊なスキルセットや高度な専門知識を必要とするため、企業の需要に対して人材供給が不足している職種です。
例として、下記の職種が当てはまります。
- AIやブロックチェーンに精通したエンジニア
- データエンジニア
- サイバーセキュリティエンジニア
ダイレクトリクルーティングが希少職種の人材に対して有効な理由は2つあります。
- 人材のターゲットが少なく候補者絞る必要性が低い
- 他社の求人に埋もれづらく、企業の魅力をアピールできる
人材のターゲットが少なく候補者を絞る必要性が低い
ダイレクトリクルーティングのデメリットとして、個別にコンタクトを取るために工数が多く必要となり、大量採用には向いていない側面があります。特に、希少職種の人材の場合、候補者が少ないため、詳細なスキルの選定や大規模なアプローチが有効に機能しない場合もあります。
しかし、こうしたケースではダイレクトリクルーティングを活用することで、ターゲット候補者の特定が簡略化され、コンタクトまでのリードタイムを短縮できることが利点です。
他社の求人に埋もれづらく、企業の魅力をアピールできる
IT業界では特定の希少職種に対する需要が高まり、企業間での競争が激化しています。求職者に企業の魅力が伝わる内容、他の企業を上回る高待遇を提示しても、求人が埋もれる機会が多いです。
しかし、ダイレクトリクルーティングでは、競合性が高い候補者の場合でも、イベントなどの直接接触できる場で印象を残すことができます。加えて、パーソナライズしたメッセージを送ることで、コンタクトを取る機会が得られるかもしれません。
このように希少職種に対してはダイレクトリクルーティングが有効であり、短期間で直接アプローチができる「攻め」の点が強みです。
パーソナライズされた訴求がダイレクトに届けられる
ダイレクトリクルーティングは、求人広告や人材紹介とは異なり、個々の求職者のプロフィールに基づいた適切なアプローチを可能にします。これは、企業の魅力や求める人材のスキルを一般的に強調するのではなく、個々の求職者の特性や能力に焦点を当て、それに応じたメッセージを送ることを可能にします。
公開されているテックブログやSNS、ポートフォリオを通じて能力や人柄を読み取ることができます。能力や人柄が自社に適していると判断した場合には、相手の希望するキャリアパスや待遇を考慮してメッセージを行うことができます。
適切なタイミングとしては、プロジェクトの区切りのタイミングや年度末、評価シーズン後でオファーを出すことで魅力的な内容にすることができます。また、メディアの使用頻度が高いタイミングに併せてメッセージを行うことにより、目にする機会を増加させると良いでしょう。
個人に適した内容とタイミングの具体例として、
- 最近プロジェクトを完了した、または評価が高い人材に対して、新たな挑戦としての転職機会をタイムリーに提案する
- 現在の職位やキャリアのステージに応じた次のステップを示し、例えばミッドキャリアのエンジニアにはシニアポジションの求人を提案する
- ソーシャルメディアの利用が増える時間帯や曜日(例えば、平日夜や週末)に合わせてメッセージを送付する。
等が挙げられます。
ダイレクトリクルーティングにおける3つの失敗
ダイレクトリクルーティングが失敗に陥る要因は様々ですが、共通するポイントに「相手目線の不足」が挙げられます。
相手目線とは?
すなわち、「なぜターゲットが転職を考えているか」、「次の職場に何を求めているのか」を解像度高く想像できているかどうかが重要です。
このような視点がメッセージに抜けていることです。以下では3つのポイントで解説していきます。
求人の要件が不明瞭
要件が明確ではないことによって以下の問題が生じることがあります。
- 具体的な仕事内容が不明
- ポジションでの役割が曖昧
- 会社のビジョンがわからない
- 応募者からの誤解
- 採用活動の質低下
結果として、以下のような採用失敗のリスクが高まってしまいます。
- 人材が集まらない
- 優秀な人材を見逃す
- 企業に合致しない人材を採用する
市場相場に見合っていない待遇のままスカウトを始めてしまう
優秀な人材の獲得競争は激化しており、市場相場よりも低い給与や福利厚生では、優秀な人材を獲得することはできません。市場相場を無視した採用基準を設定すると、優秀な人材は他の企業に応募してしまい、貴重な人材を獲得する機会を逃します。
そのため、「他社がどんな要件で求人を出稿しているか」を事前に調べ、必要に応じて社内で条件を変更する等は重要です。
市場相場を無視した採用基準は、優秀な人材の獲得を妨げてしまうでしょう。
そこで企業は以下の要素を考慮し、市場相場に見合った採用基準を設定することが重要です。
- 自社の事業内容
- 財務状況
- エンジニアの市場相場
- 給与以外の待遇
適切な戦略をとれていない
ダイレクトリクルーティング市場は、競争が激化しており、人材を獲得する難易度が増しています。エンジニアはこの傾向が顕著です。
競争が激化していると1人当たりがスカウトを受けとる量も膨大で、常に自社のメッセージが他社のメッセージに埋もれるリスクがあります。
そういった状況下で「返信率を高めるための工夫をすべきなのか」、「配信量を増やすべきなのか」常に状況を客観的に分析する必要があります。分析を元に媒体社や専門家の意見も参考にしながら、自社に最適な戦略を検討すべきです。
個別メッセージを送っているにも関わらず、採用が成功しない理由はこうした要因にあります。
ダイレクトリクルーティングを運用する6つのポイント
ダイレクトリクルーティングで採用を成功させるポイント6つを解説していきます。
- 効果的なスカウトメールを作成する
- 適切な採用戦略と効果分析を行う
- 媒体内での自社情報を充実させる
- ターゲットとなる候補者の明確化
- 継続的な候補者フォローアップ
- 候補者のパーソナライズされた体験を提供
効果的なスカウトメールを作成する
最も重要なポイントは、効果的な読み手に響くスカウトメールを作成することです。
以下のポイントに着目してメッセージを作成していきましょう。
- パーソナライズされているか
候補者の名前や経歴、スキルセットに触れ、個別にカスタマイズされたメッセージか - 内容が具体的に示されているか
ポジションの詳細、プロジェクト内容、会社のビジョンや文化を明確にされているか - 求人の魅力が伝わるか
相手のプロフィールを読み込み、転職動機を想像し、そこに対して効果的な情報提供・訴求ができている
以上の観点で読み手にリアクションを起こさせるメッセージを作成しましょう。
適切な採用戦略と効果分析を行う
ダイレクトリクルーティングの効果的運用を志向する場合、適切な事前の仮説設計や打ち手の検討が非常に重要になります。優秀な人材を引き付ける確率を高め、コストの最適化を図ることを意識しましょう。
効果分析を行う際に用いる指標としてKPIがあります。
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では重要業績指標と訳されます。目標達成のために重要となる指標を指します。
採用活動における目標は「求める人材を目標としていた人数で採用する」であり、それを達成するために小さなゴールをKPIとして設定していきます。
具体的にダイレクトリクルーティングにおいては、媒体毎に下記のようなKPIが設定されることが多いです。
- メール送信数
- メール開封率
- メール返信率
- 面談設定率
- 候補者の質
- 内定率
- 内定承諾率
これらに平年の基準を設定しておくことによって、経験や勘に頼ることなく、効率的な採用が行えるでしょう。
媒体内での自社情報を充実させる
見逃されやすいポイントとして、媒体内での自社情報を充実させることが挙げられます。
スカウトを受け取った候補者が目を通す可能性が高いため、媒体内の情報を充実させることが重要です。
そこで、情報が不足していたり、内容が適切でなかった場合は、応募喚起を促すことはできません。
個別にパーソナライズすることは難しいため、会社のミッション、ビジョン、文化、福利厚生などを詳しく記載しましょう。
写真や動画を活用し、職場の雰囲気やチームメンバーの紹介を行うことで、求人情報から不透明な部分のアピールを効果的に行えます。
ターゲットとなる候補者の明確化
ダイレクトリクルーティングを成功させるためには、まず自社にとって理想的なターゲット像を明確にすることが不可欠になります。このために、必要なスキルセットや経験、さらには企業文化へのフィット感を考慮したペルソナを設定します。
例えば、どのような業界経験が求められるのか、どの程度のリーダーシップ経験が必要か、または技術スキルにおいてどのようなレベルが必要かなど、具体的な要件をリストアップします。このように明確なターゲットを設定することで、無駄なアプローチを避け、効率的に候補者を発掘できるようになります。
継続的な候補者フォローアップ
ダイレクトリクルーティングでは、スカウトの初期段階でアプローチした候補者との連絡を維持することが重要です。以下の理由から、単なるスカウトメール送信後に放置するのではなく、継続的なフォローアップが必要です。
- 候補者の関心を引き付け続ける
- 関係性の構築
- 候補者の動向を把握する
フォローアップの具体的な方法は以下の3つが挙げられます。
- メールやメッセージを定期的に送信し、企業の動向や採用ポジションの最新情報を伝える。
- 候補者が興味を持っていそうなニュースやプロジェクト、業界のトレンドを共有する。
- 社内イベントやカジュアルなミーティングに招待するなど、交流の機会を設ける。
これを実施することによってダイレクトリクルーティングを成功させることが可能になります。
候補者のパーソナライズされた体験を提供
ダイレクトリクルーティングでは、一人ひとりの候補者に合ったアプローチをすることが、成功の鍵です。画一的なメッセージや採用プロセスでは、候補者に対して真剣な興味を持っていないと感じさせるリスクがあります。そのため、候補者が個々のニーズやモチベーションに合ったパーソナライズされた体験を提供することが重要です。
- 候補者の動機に基づくアプローチ
- カスタマイズされたメッセージ
- 特別感を演出する
パーソナライズの具体例は以下の3つになります。
- 候補者が過去に関わったプロジェクトに関連する業務やチャレンジを提案する。
- 企業のビジョンや目標が、候補者のキャリア目標や価値観と一致している点を強調する。
- 候補者のスキルセットやキャリア志向に合った具体的な役割や昇進の機会を説明する。
自社に最適なサービスの選び方
人材を獲得するためには適切な人材データベースにアクセスし、採用活動をおこなうことが重要です。自社に合うサービスの選び方について解説します。
- 欲しい人材がデータベースに存在しているか
- 機能とカスタマイズ性
- 返信率の高さ
- 自社に合った料金体系か
- サポート体制とカスタマーサービス
- データセキュリティとプライバシー保護
欲しい人材がデータベースに存在しているか
まず、欲しい人材が存在するデータベースを選ばなければなりません。
極端な例ですが、エンジニアを探しているにも関わらず、介護の人材データベースに登録しても目的の人材を探すことはできません。
データベースに採用要件を満たす人材が存在するかを必ず確認しましょう。
ポイントとしては、
- プログラミング言語
- OSやサーバー環境
- 経験年数
- 対象のエリア
このようなエンジニアには最低限の部分を抑えておく必要があります。
機能とカスタマイズ性
人材を検索する際に機能性が優れているデータベースを選ぶことも重要です。
人材データベースには多ければ数十万から数百万の人材が登録されているため、必要な人材を探すためのフィルター機能、ソート機能などが必要になってきます。標準的なものについては変わりませんが、自社独自の基準がある場合や組み合わせが複雑な場合には十分に活用できない場合があるでしょう。
提供されている機能は各サービスによって異なるため、自社の採用活動が最適化できるような「オファー・スカウトメール配信機能」・「管理機能」などサービスをいくつか比較しながら選ぶ必要があります。
このほかに、スカウト代行やコンサルティングによる採用活動サポートを行う企業も存在します。
返信率の高さ
サービス利用者からの返信率の高さは、そのサービスのデータベースの質や提供されるコミュニケーションツールの有効性を示す重要な指標です。
返信率が高いことは、その媒体がアクティブユーザーを多く抱えており、スカウトメールへの返信が期待できるということを意味します。また、返信率の高さは効果分析を容易にし、パーソナライズの内容をより具体的にするための有益な情報を提供します。
これらの要素は、データドリブンな採用を行う上で極めて重要であり、その成功を大いに左右します。したがって、返信率の高さは、サービスの品質と効果性を評価する上で不可欠な要素と言えるでしょう。
自社に合った料金体系か
ダイレクトリクルーティングサービスの料金形態は、利用料に成功報酬が追加されるものと、月額などの定額料金制の2種類に分類されます。
この他にも初期費用が掛かる場合や、スカウトの上限数が料金によって異なる等様々なパターンがあります。
サポート体制とカスタマーサービス
選んだサービスがどれだけのサポート体制を備えているのかも重要になります。トラブルが発生した際や、機能の使い方に疑問が生じたときに迅速にサポートが受けられるかを確認しましょう。特に初めてダイレクトリクルーティングを導入する企業にとっては、専門的なサポートがどれだけ手厚いかが、スムーズに運用を開始する上で大きく影響すると考えられます。トレーニングや専任のアカウントマネージャーが提供されるかどうかも選定におけるポイントとなるでしょう。
データセキュリティとプライバシー保護
候補者の個人情報を扱う以上、データセキュリティとプライバシー保護が確保されているかどうかの確認を行うことが不可欠となります。サービスがGDPRやその他のデータ保護規制に準拠しているか、また、データの取り扱い方針に透明性があるかどうかについてもしっかりチェックしましょう。セキュリティが不十分なサービスは、企業の評判を損なうリスクを伴います。
継続的な候補者フォローアップ
ダイレクトリクルーティングでは、最初のアプローチだけでなく、継続的な候補者とのコミュニケーションが重要です。優秀な人材は複数の企業からオファーを受けることが多いため、スカウト後も定期的にフォローアップし、関係を構築する必要があります。また、候補者がすぐに転職を希望しない場合でも、将来のために良好な関係を維持しておく方が良いといえます。
候補者のパーソナライズされた体験を提供
すべての候補者が同じニーズやモチベーションを持っているわけではありません。そのため、候補者の興味やキャリア目標に合わせたパーソナライズされたアプローチが重要です。例えば、企業のビジョンやプロジェクトが候補者の興味と一致していることを強調したり、特定のスキルセットや経験に合ったキャリアパスを提示することで、候補者の関心を引き付けやすくなります。
最適な人材が見つかるサービス7選
エンジニア採用に向いているおすすめのダイレクトリクルーティングサービス7選をご紹介します。
Wantedly
引用元:https://www.wantedly.com/about/list?utm_medium=global_footer&utm_source=organic&utm_campaign=%2F
特徴
- 待遇や給与ではなく共感によって行う採用媒体
- 他サービスに比べて多くの機能が備わっている
- TwitterやFacebookなどのSNSとの連携が可能
料金
4つのプランから選択
トライアル:無料
ライト:半年契約 月額4.5万円 年間契約 月額4万円 2年契約 月額3.5万円
ベーシック:半年契約 月額15万円 年間契約 月額13万円 2年契約 月額11万円
プレミアム:半年契約 月額20万円 年間契約 月額17万円 2年契約 月額14万円
お問合せ先:https://www.wantedly.com/about/list?utm_medium=global_footer&utm_source=organic&utm_campaign=%2F
■Wantedlyの概要については、以下の記事で詳しく解説しています。
Wantedlyとは?評判、メリット、機能、料金プラン、使い方など解説
特徴
- 世界で約200カ国、ユーザー数約7億5000万人の最大級ビジネス型SNSサービス
- 自己紹介ツールとしても使え、事前に登録者の詳細を把握できる
- 法人向け機能があり、企業の広報、PR広告のツールとしても利用できる
料金
学習ツールとしても利用できる料金無料プランと有料プランがあり、有料プランは全部で4種類
- プレミアムキャリア:月額29.99ドル
- プレミアムビジネス:月額47.99ドル
- セールスナビゲーター:月額64.99ドル
- リクルーターライト:月額99.95ドル
お問合せ先:https://jp.linkedin.com/
■Linkedinの運用については以下の記事で詳しく解説しています。
LinkedInにおいてスカウトを成功させるポイントとは?スカウトメールの書き方や料金も徹底解説!
Green
引用元:https://get.green-japan.com/
特徴
- IT人材に特化した運用型求人メディア。若手のIT・WEB人材約100万人が利用
- 月200通のスカウトメールを送信でき、スカウト機能が充実
- 一度掲載した企業ページや求人広告をずっと利用でき、費用を抑えられる
料金
・初期費用 45/60/90/120万 + 成果報酬 30/50/70/90万
お問合せ先:https://get.green-japan.com/
Forkwell
特徴
- ITエンジニア約4万人が利用する運用型求人メディア
- 登録者の全てがプログラミング経験者で即戦力に
- Forkwell開催の勉強会にてエンジニアのスキル分けがされ、スキル別のアプローチが可能
料金
資料請求後の打ち合わせ時に確定。
お問合せ先:https://recruiting.forkwell.com/
paiza
特徴
- IT人材に特化した運用型求人メディア。約30万人のITエンジニアが登録。
- 全ての求職者がコーディングテストを受験しており、スキルレベルが可視化される
- 完全成果報酬型のため、スキルレベル・採用結果に見合ったコストで利用可能
料金
完全成果報酬型。要問い合わせ。
お問合せ先:https://paiza.jp/recruiters/advice
LAPRAS
特徴
- エンジニア転職潜在層をターゲットにしたダイレクトスカウトサービス
- オープンデータを自動収集して人材データベースを生成
- AIが転職時期を判断し、最適なタイミングでスカウトメールを送信可能
- 情報発信や収集に熱意のある質の高いエンジニアが対象となる
料金
月額定額制。要問い合わせ。
お問合せ先:https://scout.lapras.com/
Findy
特徴
- 約5万人のITエンジニアが登録するIT人材特化型運用型求人メディア
- AIによる独自のスキル判定を用いて自動で求職者と企業をマッチングしてくれる
- マッチング後はスカウトメールを無制限に送信可能
料金
定額制 5/7.5万(月額) + 成果報酬
プランにより料金が異なるため、要問い合わせ。
お問合せ先:https://findy-code.io/
まとめ
この記事では、エンジニア採用にダイレクトリクルーティングを用いる際のコツや、利用できるサービスなど幅広くご紹介しました。
採用難と言われるエンジニア市場において、ダイレクトリクルーティングを行うことで優秀な人材を獲得できるかもしれません。まずはサービスの利用や、採用SNSの運用から始めてみてはいかがでしょうか。
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