【例文有】企業が面接フィードバックするメリットとは?具体方法も解説

【例文有】企業が面接フィードバックするメリットとは?具体方法も解説

コロナ禍以降、企業の新卒採用活動はオンラインで実施されることが多くなりました。
その中で、学生に対する自社の魅力づけに悩む企業担当者様も多いかもしれません。

自社へ好意的な印象を抱いてもらうため「面接フィードバック」を実施する企業が増えています。

・面接フィードバックの目的は?
・そのメリットやデメリットは?
・具体的にどのようなフィードバックが効果的なのかわからない

など、さまざまな疑問を抱く方がいるでしょう。

本記事では、面接フィードバックについて、その目的や種類、メリットや懸念点など、具体例も併せて幅広くご紹介します。

監修者情報

監修者用
プロジェクトHRソリューションズ代表取締役
関川 懸介
アドテクノロジーベンダー、リクルートグループを経て、2016年4月プロジェクトHRソリューションズを創業。採用企画・採用広報・ダイレクトリクルーティング・組織開発・人事評価制度策定などを通じて、大手からスタートアップまで幅広く累計300社以上を支援。詳しいプロフィールはこちら

面接フィードバックとは?

面接フィードバックは、面接での良かった点や改善すべき点を求職者に伝えることです。

通常、次の選考段階に進む合格者に提供されます。
企業によっては面接の合否に関わらず、面接直後にフィードバックとして、その面接での候補者の印象や改善点を伝える場合もあります。
特に新卒採用の場合、不合格者も将来的な顧客や取引先、パートナーになる可能性があるため、面接フィードバックは慎重に行われるべきです。

学生の今後の成長に繋がるよう、言葉遣いなどに注意することが大切です。

その目的|学生に魅力づけできる?

面接フィードバックの一番の目的は、学生に自社の魅力づけをすることです。

面接での議論やエピソードを通じて、候補者の経験、能力、人柄を評価した詳細を伝えることで、「自分を真剣に見てくれているのだな」という印象を与えることができます。

自分の長所を認められることで、候補者は不快な気持ちになることはありません。

さらに、改善が必要な点を明確に伝えることで、候補者は次の選考や就職活動全体で役立てることができます。

面接フィードバックを提供することで、「面倒見の良い企業」「丁寧に応対してくれる企業」であるという好印象を与え、学生の志願意欲を高めることができます。

競合他社を含め、多くの企業の選考を同時に受ける学生にとって、機械的・事務的に面接を行うのではなく、学生の今後を考える機会を与えてくれる企業は魅力的に映るでしょう。

面接フィードバックの種類

フィードバックには「ポジティブフィードバック」と「ネガティブフィードバック」の2種類、また逆質問時にフィードバックを求められる場合があります。それぞれの特徴について、詳しく説明します。

ポジティブフィードバック

ポジティブフィードバックとは、候補者の良いところを前向きな言葉で伝えるものです。

褒め言葉が中心で、否定的な言い回しは避けるフィードバックとなるため、候補者の自己肯定感を高めることができます。それに伴う自社へのポジティブな印象が、志望度アップにつながるでしょう。

また、応募者が褒められた際の反応を伺うこともできます。

面接における質問はある程度形式化しています。つまり、応募者が受けるであろう質問を想定して回答を練ってくるため、本質的に人物像を見抜くことが難しい場合もあります。フィードバックのような何気ない会話を通じての受け答えなどの方が応募者の人柄が伺えるでしょう。

ネガティブフィードバック

ネガティブフィードバックとは、候補者の改善点や問題点を伝えるものです。
候補者は、このフィードバックを今後の改善・成長に役立てることができます。

一方で、ネガティブな指摘は辛辣に聞こえることも多いため、フィードバック時の言い回しには十分に注意をする必要があります。問題点を伝える際には、なるべく改善策も提示してあげると良いでしょう。

ネガティブフィードバックによって企業は、応募者がマイナス面を指摘された時の反応を知ることができます。

マイナス面を指摘されたが故に、応募者が「過度な落ち込み」や「イライラした様子」を見せる場合があります。一概には言えませんが、前者の場合は、「落ち込みやすく、気持ちが表に出てしまう傾向がある」と考えられ、後者の場合は、「相手の意見を受け入れない傾向がある」と考えられます。

逆に、前者の場合は「素直である」、後者の場合は「気が強い」と評価もできます。「どのように評価をするか」は、会社の評価基準を基に評価する必要があります。

【例外】面接後の逆質問でフィードバックを要求された場合

面接の際に、応募者からフィードバックを求められる場合があります。就活本などに掲載されており、応募者フィードバックを求めてくるケースが増えているようです。

応募者がフィードバックを求める理由は

・面接で自分がどのように映っているのかを知りたい
・改善点を挙げてもらい、就職及び転職活動に活かしたい

などが一般的です。

また、フィードバックで伝える内容は合否に関わることなので、面接直後に話せない場合には、躊躇せずその旨を伝えてしまっても問題ありません。

面接フィードバックの3つのメリット

学生に魅力づけをするという目的の面接フィードバックですが、それ以外にも得られるメリットがたくさんあります。

・学生の反応を確認できる
・企業イメージをアップできる
・学生の不安を解消し、ミスマッチを減らすことができる

それぞれについて、詳しく解説します。

学生の反応を確認できる

フィードバック時の受け答えで、その学生が自社をどれほど志望しているのかや、改善点を告げられた時にどのように対応できるのかなど、学生の人間性を読み取ることができます。

フィードバックを自社の次の選考に生かそうとする意欲を感じられれば、自社の志望度が高いと判断できるでしょう。

入社後働いてもらう際には、上司からアドバイスや注意を受けることもあるでしょう。
そうしたシチュエーションにおいて、前向きに課題を受け止め対応できるかどうかは重要な点です。

面接フィードバックはあくまでも選考ではなく、よりリラックスした雰囲気で学生と会話をすることができるので、自社社員の人柄を実際に知ってもらえる上に、学生の人柄も理解することができます。

企業イメージをアップできる

求職者にとって、冷淡でただ質問を投げかけるだけの面接官よりも、良い点や成長の機会を示してくれる面接官の方が好印象を与えます。

現代では、SNSの普及により、企業に関する情報が求職者の間で簡単に共有されるようになりました。
一部の就活生は、面接の雰囲気や面接官の対応などをSNS上で発信することもあります。

SNS上で悪い評判が拡散されると、企業のイメージや求職者の志望度に悪い影響を与える可能性があります。

企業のイメージは、選考プロセスに参加した候補者の印象に大きく左右されることがよくあります。

したがって、面接フィードバックを通じて参加者に良い印象を与えることが非常に重要です。

学生の不安を解消し、ミスマッチを減らすことができる

面接を受けた求職者は、受けた回答や対応について不安や後悔を感じることがよくあります。

面接フィードバックを提供することで、候補者の不安や後悔といった気持ちを和らげることができます。これにより、学生は自信や勇気を持って、次の面接や就活に前向きに取り組むことができるでしょう。

同時に、人事担当者にとっても、合格者に対して面接フィードバックを提供することは重要です。これにより、彼らのパフォーマンスを改善し、次の面接に向けて準備してもらうことができます。

面接フィードバックの3つの懸念点

面接フィードバックを行う際の懸念点としては、以下のようなものが挙げられます。

面接官の負担増加

フィードバックを行う際には、候補者に対して良い点や改善点を伝えるための時間や労力が必要です。これにより、面接官の負担が増えやすくなります。

さらに、限られた時間内で候補者の長所や短所を把握し、簡潔かつ明確に伝える能力も求められます。面接官がフィードバックを行うためのスキルを習得するには時間がかかる場合もあります。

一方で、フィードバックを見据えて面接を行うことで、そうでない時よりも多くの情報を引き出せる高度な面接を実施できることも多いです。面接官の面接練習や、質問事項・採用基準の統一を徹底する必要があるでしょう。

採用基準の伝達リスク

フィードバックを提供する際に、企業の採用基準や重要視する要素、改善すべき点などが候補者に伝わる可能性があります。これが外部に流出すると、新たな候補者がその情報を元に対策を練ることが考えられます。

もちろん、過去の内定者へのリサーチや就活情報サイトによって、自社の選考について研究を重ねている就活生は多いでしょう。それ自体は悪いことではありませんが、あまりにも自社の採用基準が明け透けだと、公正な評価が行えない可能性があります。

フィードバックを行う際には、候補者への伝達内容や言葉遣い、範囲などを慎重に検討することが肝要です。

フィードバックのスキル不足

学生へのフィードバックが準備されていない期間や準備不足の状況では、採用担当者の中には自社の採用基準を保証する観点からフィードバックを提供することに懸念を抱く人もいるかもしれません。

特に、ネガティブフィードバックをする際の言い回しは十分に準備しておく必要があります。相手がそれを言われてどのような気持ちになるか、常に考えながら面接官として面接・フィードバックをこなすことを心がけるべきです。

一般的な実施タイミング

面接フィードバックを行う適切なタイミングは、選考合格通知の後1〜2日程度です。合格通知は迅速に行うべきですが、フィードバックは後日行うことで、合格通知とは別の重要な情報として提供することができます。フィードバックは主に電話で行うのが良いでしょう。

電話を通じて直接話すことで、細かいニュアンスや温度感が伝わりやすく、候補者も親しみを感じやすくなります。最終面接合格時には、ウェブ会議や対面での面談も有効です。

面接フィードバックを行うだけでなく、質疑応答や就活状況のヒアリングを通じて、候補者の不安解消や自社の魅力を伝えることができます。

面接フィードバックを成功させるコツ

新卒採用の選考プロセスでの面接フィードバックにおけるコツは、以下の3つです。

・面接評価シートの活用
・評価と自社の価値を結びつける「ブリッジング」の実施
・具体的なフィードバックを伝える

それぞれについてくわしく説明します。

面接評価シートの活用

面接フィードバックに関心がある企業や、今後フィードバックを行おうと考えている企業にとって、工数増加が懸念されます。この場合、面接評価シートを活用することが効果的です。

質問に対する学生の反応や回答内容に基づいた評価基準や項目をシートに記入することで、フィードバックの言語化に役立ちます。これにより、面接官が個々の学生に対して評価基準を一から言語化する手間が省け、評価の一貫性が確保されます。

面接評価シートを活用することで、
・面接官全員の認識を合わせられる
・客観的に合否を判断できる
・面接での確認漏れを防ぐことができる
・選考データを残して採用に活かすことができる
などのメリットを得ることができます。

フィードバックのみならず、採用活動全体の質を高めるためにシートが役立つでしょう。

■面接の評価基準については、以下の記事で詳しく解説しています。
面接の評価基準の重要性とは?作成方法や具体例とともにご紹介します

評価と自社の価値を結びつける「ブリッジング」の実施

面接フィードバックの最も重要なポイントは、学生に評価を伝えるだけでなく、その評価を自社の価値と結びつけ、自社への志望度向上に繋げることです。これを「ブリッジング」と呼びます。

自社の価値や魅力をフィードバックに組み込むことで、学生が自分の経験を仕事に活かすイメージを持ちやすくなります。さらに、志望度の高い学生のリテンションやミスマッチの防止にも寄与します。

フィードバック時の面接官の対応が、自社への志望度を上げることにつながるでしょう。

具体的なフィードバックを伝える

志望度や学生のタイプに応じて、ポジティブ・ネガティブフィードバックを使い分け、具体的なフィードバックをすることが重要です。

ポジティブフィードバックでは、候補者を前向きな気持ちにさせることができますが、率直な意見を知り改善点を知りたいと考える候補者に対してはあまり良い印象を与えません。

一方で、ネガティブフィードバックでは、その言い回しや指摘する点によっては、候補者のやる気を削ぐことにもなりかねません。

どちらの場合でも、候補者と向き合っている姿勢を伝えられるように心がけましょう。

【具体例】フィードバックで伝える内容

ここでは、フィードバックにて伝えるべき内容を具体例とともにご紹介します。

良い点を褒める時

良い点を褒める際には、「なぜ合格を出したのか」が具体的に伝わるようにフィードバックをしましょう。

例えば、候補者の「学生時代に力を入れたこと」のエピソードを評価する際には、次のようなフィードバックが考えられます。

<悪い例>
「チームワーク力のある方だと感じました。」
→なぜそう判断したのか、なぜチームワーク力が伝わったのかがわからない

<良い例>
「部活動にて部長として周りを率いたというお話から、チームワーク力のある方だと思いました。ご自身のエピソードから論理的に話されていて、説得力がありました。チームで話し合いを進めて企画を実行する場面の多い弊社でも、〇〇さんの経験を生かしてもらえると思います。」
なぜそのエピソードを評価したのかをわかりやすくフィードバックできている。面接時の伝え方についても評価できている。

このように、具体的に面接時のどの点を評価したのかを伝えることで、候補者は「この面接官は自分の話をしっかりと聞いてくれていた」と感じることができるでしょう。

アドバイスをする時

改善点や問題点について、次回選考に向けてアドバイスをする際には、なるべく具体的な改善策を伝えるようにしましょう。

例えば、候補者の話し方についてアドバイスをする際には、次のようなフィードバックが考えられます。

<悪い例>
「もう少し論理的に話してくれるとわかりやすかったです。」
→アドバイスが抽象的で、改善点が見つかりにくい。

<良い例>
「志望動機が少し漠然としていたので、〇〇さん自身の具体的なエピソードも交えて話してくださると、より考え方が伝わったように思います。弊社の部署ごとの仕事内容をより調べておくことで、より具体的な志望動機になると思います。」
→次回に向けた具体的な改善策を提示できている。

アドバイスは伝え方によっては、とても辛辣に聞こえてしまうこともあります。伝え方によっては、自社に悪い印象を与えかねません。

なるべく具体的にフィードバックをすることで、より建設的なアドバイスになるでしょう。

まとめ

本記事では、面接フィードバックの目的や方法、メリット・デメリットについて、詳しくご紹介しました。

学生の自社への志望度をアップさせたい採用担当者様の方は、ぜひ面接フィードバックを導入して採用活動の質向上を目指しましょう。
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