eNPSとは?語句の意味や計算方法、日本の平均スコアまで紹介します!

eNPSとは?語句の意味や計算方法、日本の平均スコアまで紹介します!

従業員エンゲージメントを測る「eNPS」をご存知ですか?eNPSは従来の ES (従業員満足度) よりも正確に従業員の職場への意識を把握できます。eNPSが高い企業ほど、従業員の離職率が低く企業の生産性も高いと言われています。eNPSを導入すれば、企業の改善点がわかり、さらに業績を上げていくことができるかもしれません。

そこで本記事では、eNPSについて語句の意味や計算方法、調査方法などをご紹介します。

eNPSとは?読み方や意味を解説!

eNPS(イーエヌピーエス)とは Employee Net Promoter Score の略称で、従業員エンゲージメントを可視化する指標です。従業員エンゲージメントとは、職場に対する愛着度、職務内容や待遇への満足度、働きがいの実感度などを指します。

eNPSはもともと、顧客ロイヤルティを可視化する指標であるNPS(Net Prmoter Score)を従業員向けに応用したものであり、Appleが店舗で働く従業員のロイヤルティマネジメントに活用し始めたことで普及しました。

eNPS調査では、従業員に「自分の職場で働くことを親しい人に勧めたいかどうか」を尋ね、「職場の推奨度」を数値化します。さらに、「労働環境」や「報酬・評価制度」や「仕事へのやりがい」や「会社の将来性」などの細かな質問項目を設けることで、従業員の職場への満足度を定量的に把握することができるのです。

一般的に、eNPSが高い企業ほど従業員エンゲージメントも高くなる傾向にあります。従業員エンゲージメントが高いと従業員の離職率も低くなる上に、意欲的に働く従業員も増えます。そのため、eNPSを高めることは企業の業績や生産性を向上させることに繋がるという利点があります。

eNPSとES(従業員満足度)の違い

従来、従業員のモチベーションや満足度を測る指標として、ES (Employee Satisfaction) が使われていました。これは従業員満足度のことで、ES調査を行ったことがある企業も多いのではないでしょうか。eNPSとESの違いは大きく2つあります。

職場環境をより正確に把握できる

eNPS調査は従業員の職場への満足度をES調査よりも正確に把握しやすいといわれています。ES調査では「現在の職場にどれだけ満足していますか」という質問をします。しかし、eNPS調査では「現在の職場を親しい友人や家族にどれくらい勧めるか」という質問をするため、高得点をつける心理的ハードルがES調査よりも重いです。そのため、従業員の職場意識を正確に把握できます。

このように、eNPS調査はES調査よりも正確に従業員の評価を測ることができるのです。

セグメントごとに最適なアクションを取れる

eNPS調査では、点数ごとに従業員を「推奨者」「中立者」「批判者」の3つにセグメント化します。推奨者と批判者の傾向は全く異なるため、セグメントごとに対策を練る必要があります。具体的には、セグメントごとの特徴や傾向を参考に、推奨者を増やすための施策や、批判者を減らして離職率を改善させるための施策を打つことが考えられます。

eNPSの計算方法

eNPSを計算するには、従業員に「あなたはこの企業で働くことをどのくらい、親しい友人や家族に勧めたいと思いますか」という質問をし、それに対して0~10点の11段階で評価してもらいます。この時、9~10点をつけた人を「推奨者」、7~8点をつけた人を「中立者」、0~6点をつけた人を「批判者」と分類します。推奨者の割合から批判者の割合を差し引いた数値がeNPSです。

たとえば、0点から6点の人が40%、9点から10点の人が20%なら、推奨者20%から批判者40%を差し引いてeNPSは-20となります。

eNPSを導入するメリット

離職率の低下につながる

人手不足が深刻化している昨今において、離職率を改善させることは重要です。eNPS調査で従業員が付けたスコアと離職率には、相関関係があることが分かっています。eNPS調査を行うことで、離職する可能性が高い人を予測し、対策を立てることができます。特に、パフォーマンスの高い従業員が批判者であった場合、従業員のロイヤリティを向上させる対策を個別に実施することで、ハイパフォーマーの離職を防ぐことができるでしょう。

採用コストを削減できる

eNPSが高い従業員はリファラル採用に積極的に取り組んでくれる傾向にあります。リファラル採用とは、自社の従業員に友人や知人を紹介してもらう採用手法のことです。通常、一から採用を始めると求人媒体や転職エージェントへの支払金など膨大な費用がかかります。しかし、リファラル採用では従業員から友人や知人を直接紹介してもらうため採用コストを削減できます。

また、職場を理解している従業員が紹介するため、リファラル採用によって確保された人材は企業の理念や価値観に対して適正が高く、定着率が高い傾向にあります。

そのため、eNPS調査をきっかけに職場の推奨度が上がれば、リファラル採用に知人を推薦する従業員が増えるため、採用コストを削減して自社に適した人材を獲得できるでしょう。

企業の生産性を向上できる

eNPSの向上は企業の生産性の向上につながります。従業員エンゲージメントが高いほど仕事にやりがいを感じて意欲的に働く従業員が多いです。そのため、eNPSの高い従業員を増やすための施策を打つことで、企業全体の生産性を向上させることができます。

eNPSを導入する際の注意点

日本企業でeNPS調査をすると一般的に米国企業と比べるとeNPSが低い傾向にあります。。ただしeNPSの数値が低いことは問題ではありません。最も重要なのは、現状の点数を高めることです。そのため、数値の分布を確認して改善すべきターゲット層を明確にし、eNPSを向上させる戦略を立てることが大切です。

eNPSの調査方法

eNPSを正しく調査することで、具体的な施策を実行できeNPSの改善につながります。eNPSの調査方法は大きく2つあります。

自社でeNPS調査を行う場合

まず、質問項目を選定します。質問項目は業種・職種によって異なるため、eNPSを測定する場面に応じた設問設計が大切です。その後、eNPSの数値を計算し、業界別eNPSベンチマーク調査の平均値と比較します。また、どの項目が影響を与えたのかを詳しく分析します。改善するべき項目が分かれば、eNPS値を向上させる具体的な施策を打つことができるでしょう。

eNPS調査を委託する場合

社内で詳細な分析をするノウハウや時間がない場合は、eNPS調査実績がある専門業者に調査分析を委託するのがよいでしょう。eNPS調査分析を外部委託する費用は、1回の調査で20万円程度、定常的に行う場合は100万円以上が相場です。

日本の業界別eNPS平均スコア

参考までにここでは日本のeNPSの平均スコアを業界別に紹介していきたいと思います。

日本国内のeNPSスコアは平均値が-61.1%となっています。

業界別にみると、官公庁が最もスコアが高く、41.3%となっています。一方出版・印刷産業が-76%と一番スコアの低い業界となります。出版・印刷を除けばホワイトカラーのeNPSが高い傾向にあり、小売店等のサービス業はスコアが低い傾向にあります。

参考:https://www.bebit.co.jp/assets/cms/2019/11/beBit_eNPSresearch.pdf

eNPS調査を委託できるおすすめ企業

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社 

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が提供する「ES-Quick」は、従来の従業員満足度だけでなく、従業員エンゲージメントを測定するeNPS調査も実施可能です。

マーケティングリサーチ会社として約20年の実績があり、NTTグループ企業をはじめとした数多くの企業の導入実績があります。

参考:https://research.nttcoms.com/info/es.html

株式会社アックスコンサルティング

株式会社アックスコンサルティングが提供する「MotifyHR(モティファイエイチアール)」は、従業員同士のコミュニケーションや上司・部下、両方へのフィードバックを自動化し、パフォーマンスの高い企業文化の創造を支援しています。従業員のeNPSも判定し、スコア化することが可能です。

参考:https://motifyhr.jp/?from=hrblog

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はeNPSについて詳しくご紹介しました。

eNPS調査を行うことで、従業員の職場への意識や評価を正確に把握できます。eNPSは離職率や生産性と関係があるため、数値の向上による利点は多いです。セグメント別に具体的な改善のための施策を取ることで、企業の業績を高めていくことだけでなく社員の満足度やモチベーションも高まっていくといえます。従業員の満足度や離職率に悩んでいる企業は、この記事を参考にeNPSを導入してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

関川 懸介

株式会社uloqo代表取締役

1990年6月29日生まれ。京都府出身。
新卒でアドテクノロジーベンダーに就職。
その後、リクルートグループの人材斡旋部門において、キャリアアドバイザーとして従事。全社MVP計6回受賞、準MVP計2回受賞。2016年4月に、創業者の当時代表取締役と共に株式会社uloqoを設立。
人材紹介事業、メディア運営、HRsolution事業、uloqoに関わる全事業において、1人で立ち上げから収益化まで担う。

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