「裁量労働制」とは、みなし労働時間制の一つで労働時間を実労働時間ではなく、契約した時間分を働いたとみなす制度です。わかりやすく言えば実際に働いた時間が6時間でも、契約した労働時間が7時間であれば7時間分の給料が支給されるということです。 またこの制度の対象となる職種には制限があります。
専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制
(1)専門業務型
研究職や資格を必要とする専門職などの、業務の性質上時間配分等を大幅に労働者に委ねる職種のみ裁量労働制を導入できるパターンです。
(2)企画業務型
企業の中枢などで企画、立案、分析を自律的に行う労働者に対し認められるパターンです。ただし労使委員会を設置し5分の4以上の多数決による決議が必要となります
裁量労働制のメリット
(1)メリット
a.労働者の労働時間が決まっているものとして給料計算ができるので人件費のコスト管理がしやすいということが挙げられます。
b.働いたとみなされる時間が決まっているので、実労働時間を短縮しようという労働者のモチベーションになります。またそれによってだらだらと働いて実労働時間分の給料を払わずにすむので人件費の削減になります。
(2)デメリット
a.従業員が一人一人自由な時間に働くので管理が難しくなります。またその人に合った仕事を与えないと効率的に作業ができず労働時間が長引いてしまうので個々人の個性をつかむ必要があります。
b.従業員が共有する時間が少ないので組織として成長するのが難しくなります。
裁量労働制とフレックスタイム制の違い
裁量労働制はいつ働いてもいいのに対し、フレックスタイム制は出退勤時間は自由なもののある時間帯においてはオフィスにいなくてはいけません。裁量労働制のほうが自由度が高いです。 またフレックスタイム制は実労働時間制であるという点でも異なります。