オウンドメディアリクルーティングとは?メリットや採用成功事例を解説

オウンドメディアリクルーティングとは?メリットや採用成功事例を解説
近年、採用を目的としたオウンドメディアを立ち上げて人材採用に活用する「オウンドメディアリクルーティング」を実施する企業が増えています。

そこで今回は、

  • オウンドメディアリクルーティングについて
  • 定義や注目される背景
  • メリット、デメリット
  • 掲載すべきコンテンツ

などを解説します。

監修者情報

監修者用
株式会社uloqo
関川 懸介
アドテクノロジーベンダー、リクルートグループを経て、2016年4月株式会社uloqoを創業。採用企画・採用広報・ダイレクトリクルーティング・組織開発・人事評価制度策定などを通じて、大手からスタートアップまで幅広く累計300社以上を支援。詳しいプロフィールはこちら

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目次

オウンドメディアリクルーティングとは

オウンドメディアリクルーティングとは何なのかについて、

  • オウンドメディアとは
  • オウンドメディアリクルーティングの定義
  • オウンドメディアリクルーティングと求人サイトの違い

これらに分けて解説します。

オウンドメディアとは

オウンドメディアとは、企業が自分たちで管理・運営する媒体のことを指します。

ブログサイトやホームページ、Webサイトなどが一般的ですが、Twitter、Instagram、Facebook、YouTubeアカウントなどのメディアも広義として該当します。

オウンドメディアリクルーティングの定義

オウンドメディアリクルーティングとは、オウンドメディアを活用して自社の魅力を発信し、付加価値の高い人材に直接アプローチする採用手法です。

オウンドメディアを通じて企業理念や職場環境・風土などを企業側から積極的にアピールすることで、自社の価値観に共感した人材を採用することが可能になります。

また、企業が一貫して採用活動を行うことから、求人サイトや人材紹介に頼ることのない能動的な採用手法と言えます。

オウンドメディアリクルーティングと求人サイトの違い

採用活動で、多くの企業で使われているのが、求人サイトです。この求人サイトとオウンドメディアリクルーティングの違いは募集しているツールが「自社で保有している」サイトか「他社が保有している」サイトかの違いです。求人サイトには掲載期間、文字数、レイアウトなどの様々な観点で制限があります。一方でオウンドメディアリクルーティングは無期限で自由にデザインすることができ、コンテンツを最大限に充実させることができます。

オウンドメディアリクルーティングが注目される背景

自社のメディアを活用した採用手法であるオウンドメディアリクルーティングは、なぜ近年注目を集めるようになったのでしょうか。ここでは、オウンドメディアリクルーティングが注目を集めている背景について詳しく解説します。

  • 優秀な人材確保が難化している
  • 仕事に対する価値観の多様化
  • 求職者の情報収集リテラシーの向上

優秀な人材確保が難化している

生産年齢人口の減少、大卒予定者や転職者の大企業志向の高止まりなどの原因もあり、近年採用市場では優秀な人材確保が難化している傾向にあります。(中小企業庁より)こういった状況下で、企業が優秀な人材確保をするためには転職潜在層へのアピールなどをして、採用の幅を広げる必要があります。

このような状況下では、会員登録している人でしか閲覧できない求人サイトや人材紹介でアプローチするのではなく、誰でも閲覧できるオウンドメディアリクルーティングでのアプローチは非常に効果的な手段であるといえます。制限を与えず、広範囲な人に採用情報を届ける点においてはオウンドメディアリクルーティングはうってつけであるということです。

仕事に対する価値観の多様化

オウンドメディアリクルーティングが注目される背景として、「仕事に対する価値観の多様化」が挙げられます。

ライフ・ワークバランスが重要視されたり、リモートワークや時短勤務の普及で働き方が多様化していく中で、仕事に対する価値観も様々なものが生まれるようになりました。

例えば「ビジョンや理念に共感することができるか?」「社会的な貢献度はどうか?」「一緒に働きたいと思える社員がいるのか?」など、判断基準はより個人的な価値観にもとづいたものに変化しています。

そのため、求職者の様々な価値観に対応するための採用手法が必要になっており、オウンドメディアリクルーティングは注目を集めているのです。

求職者の情報収集リテラシーの向上

近年、スマートフォンやタブレットの普及やWi-Fiなどの無線通信技術の進歩によって、情報へのアクセスが容易になり、インターネットにつながりさえすればいつでもどこでも欲しい情報を手に入れることができるようになりました。

その結果、膨大な量の情報から自分にとって「必要な情報」と「必要でない情報」を選別する情報収集のリテラシーが高まっています。現代の求職者はさまざまなチャネルから必要な情報を得る手段を身に着けており、その情報の取り扱いにも長けていると言えるでしょう。

そのため、良質なコンテンツを用意し、膨大な数の情報の中から求職者に自社を「見つけてもらう」「知ってもらう」ための工夫が求められているのです。

オウンドメディアリクルーティングを実施するメリット


上記の画像の通り、オウンドメディアリクルーティングを実施するメリットを紹介していきます。

ミスマッチを減らし、自社に適した人材を採用できる

オウンドメディアリクルーティングでは、自社の思想や理念、社風などの情報を自社の権限で自由に発信することができます。

そのため自社のリアルな情報に共感してくれた人が集まりやすく、会社の理念やビジョン、文化とのマッチ度が高い人材と出会えるといったメリットがあります。職場の雰囲気や制度を積極的に発信することで、入社後のミスマッチも減らせるでしょう。

自社認知度の向上に繋げられる

オウンドメディアを開設することで検索してくれたユーザー、求職者へのアピール・認知に繋がります。また自社メディアではコンテンツを自由に作っていけるため、クオリティーによっては会社の雰囲気や業務内容まで詳細に伝えられ、窓口を広げるきっかけになります。またオウンドメディアの内容をTwitter、InstagramなどのSNSにシェアすることでwebからの検索以外でも自社の認知を広げることができます。

転職潜在層にアピールできる

求人サイトや人材紹介に登録している求職者は、比較的転職の意欲が高い層です。

一方、オウンドメディアはその会社や業種、職種に興味のある人から見られるため、転職意欲は高くないが、会社とのマッチ度が高い人材、つまり転職潜在層との接点なりやすいという特徴があります。

「今すぐに転職したいわけじゃないけど魅力的な募集があれば応募してみようかな」くらいの人まで対象になるので、自社に合った人材に出会える可能性も高まります。

データを蓄積できる

従来の求人媒体経由の採用手法だと、媒体出稿でPVや応募数などはわかっても、細かい分析まではできないことが多くありました。また、エージェント経由の採用活動も、お断り理由はあくまでエージェントの解釈が入ったもののため、データの信頼性に疑問も生まれます。

それに対して、オウンドメディアを使った採用手法は自社にデータが蓄積され、施策内容が資産として残り続けるというメリットがあります。

オウンドメディアリクルーティングを実施するデメリット


画像の通り、オウンドメディアリクルーティングを実施するデメリットを紹介していきます。

軌道にのるまでは成果が出にくい

オウンドメディアメディアは継続的に運用することで成果が出るものであり、立ち上げただけでは期待した効果を得ることはできません。

コンテンツが充実していなければ求職者からのアクセスを集めることもできないため、安定して応募を獲得できるようになるまでには時間がかかります。

短期的にみるとコストがかかる

オウンドメディアがない場合は、まずサイトを作成する必要があり、オウンドメディアがある場合でも、成果が出るまでコンテンツを制作・改修していく必要があります。この時に多額の初期費用や運用費用が発生するため、短期的にみるとコストがかかってしまいます。

しかし、充実したコンテンツを用意して安定的に応募が得られるようになれば、人材紹介や求人サイトよりもコストを抑えることが可能になります。

マーケティング知識やwebサイトに関する知識が必要

オウンドメディアを開設するにあたってマーケティング、サイト運営の知識が必要になっていきます。例えば「より多くのユーザーから見られるにはどういったコンテンツが必要か」や「応募につなげるためにはどういったコンテンツが必要か」といったようにオウンドメディアの運営には様々な観点が必要になっていきます。

オウンドメディアリクリーティングでは自分が必要な知識を持っているか、そうではない場合、新しい人材を採用するため、コストを多く負担する場合も考えられます。

採用を目的としたオウンドメディアに掲載すべきコンテンツ

採用を目的としたオウンドメディアに掲載すべきコンテンツである、

  • 業務内容
  • 社員へのインタビュー
  • 社内制度や働き方
  • 創業者や経営者の想い
  • プロダクトやサービスに込められた想い
  • 自社で開催したイベント

これらの内容を紹介していきます。

業務内容

業務内容の掲載はオウンドメディアリクルーティングにおいてマストなコンテンツです。
職務内容、職務の目的、裁量の大きさ、社内の雰囲気、など募集要項と同様詳細なことまで記載することが重要です。その理由としては求職者、ユーザーの仕事に対するイメージを容易にすることで入社のイメージを付けやすくすることです。
また業務内容を詳細に言語化することでユーザーのweb検索時にもヒットしやすくなります。さらには、求職者と会社でのミスマッチ防止にも役立ちます。

社員へのインタビュー

社員へのインタビューは、自社の社風や文化を伝えるために効果的です。

実際に在籍している先輩社員の顔や考えがわかるため、入社後どのような仲間と働くことになるのか求職者がイメージしやすくなります。

社内制度や働き方

働き方が多様化している近年、社内制度や働き方を企業選びの条件にしている求職者は多いです。

単に制度を紹介するだけでなく、求職者が望む働き方や柔軟なキャリア形成ができることアピールできれば効果的です。

創業者や経営者の想い

企業ホームページによく見られる「社長あいさつ」や「企業理念」といったコンテンツは、オウンドメディアにも最適です。

経営者に「企業を創立した経緯」「どのような想いで会社を経営しているか」「今後の方針について」などをインタビューすることで、企業の価値観をより強く求職者へ伝えることができます。

プロダクトやサービスに込められた想い

企業の価値観を伝えるコンテンツとして、プロダクトやサービスにこめられた想いを紹介することも有効です。

プロダクトやサービスの開発過程を伝えることで、会社が大切にしている考え方や担当社員の情熱を伝えることができます。

自社で開催したイベント

社内で開催したイベントの様子や、内定者向けのイベント、社外に向けて開催したイベントの様子を伝えることで、企業の魅力を多方向から発信できます。

写真なども掲載し、人間関係や社風など会社の雰囲気を感じることのできるコンテンツを作成しましょう。

オウンドメディアリクルーティングを始める前にすること

上記ではオウンドメディアの概要について説明していきました。ここでは、オウンドメディアを始めるために、より実践的なことを説明していきます。

  • 採用する職務、必要なスキルを明確にする
  • 採用ターゲットを明確にする
  • 自社の強みを把握する
  • 自社と競合他社の現状を明確にする

採用する職務、必要なスキルを明確にする

そもそも、採用するにあたってどんな職種やスキルを持った人材が現在必要なのか明確にしないことは採用コストの無駄でしかありません。明確にすることで、上記で説明した職務内容の記載にも役立つため、必ず人材定義を行うようにしましょう。

採用ターゲットを明確にする

ここでいう「採用ターゲット」とは上記で決定した職務・必要スキルに基づいた「自社で活躍できる人材」のことを指します。そのため、自社で活躍している社員の特性をしっかり調べた上で、学歴・経験値・意向性などの細かい指標を作成していきます。

自社の強みを把握する

続いて、自社の強みについて把握していきます。最初のステップとしては自社の強みを思い出せる限り書き出してみ流ことがおすすめです。その後、自社の本当の強みと思われるものまで絞り出し、採用ターゲットを惹くものを決定していきます。自社の本当の強みをコンテンツとして載せることで、採用ターゲットが自社に興味を持つ可能性が高まります。

自社と競合他社の現状を明確にする

オウンドメディアリクルーティングにおいては自社の魅力をユーザーや求職者に伝えることは重要なことであり、そのためにも自社と競合他社を比較して、採用市場における自社の強み、弱みを把握して差別化を図るためにも、現状把握は重要なことです。

オウンドメディアリクルーティングの運営方法

ここではオウンドメディアの始め方について説明していきます。

  • オウンドメディアの有無
  • コンテンツ作成後のポイント
  • オウンドメディアを見てもらうためのポイント

オウンドメディアの有無

オウンドメディアがあるかないかで、オウンドメディアリクルーティングの始め方は当然異なります。
それぞれのパターン別に紹介します。

オウンドメディアを持っている場合

自社がオウンドメディアを持っている場合は採用コンテンツの作成から始めます。自社の採用ターゲットに響いたり、共感を得られるようなコンテンツを作成していきましょう。内容は記事だけでなく、インタビューや社内風景の写真を載せてみても効果的です。

オウンドメディアを持っていない場合

オウンドメディアを持っていない企業は自社の採用サイトを作成する必要があります。社内にエンジニアがいる場合は自社で作成することができますが、いない場合は外注して作成してもらうことも可能です。またオウンドメディアに対する知識が少なくても。簡単に運用できるツールもあるため、それらを使うこともおすすめです。

外注する場合は事前にターゲットや抑えておいて欲しいポイントはあらかじめ作成会社に伝えておきましょう。

またツールを利用して作成する場合は「iRec」や「engage」といったツールを使用するとノウハウが少なくても作成することが可能で、また採用の変化があった際は自社サイトの記載内容の変更が容易にできます。さらに一部の求人検索エンジンにも自動で掲載されるような連動機能があるツールも存在します。

コンテンツ作成後のポイント

コンテンツを作成し、掲載した後は、どのようなコンテンツが人気なのか、どれくらいのアクセス数があるのかというところを確認して、人気のないコンテンツを比較して、アクセスが伸びない原因を突き詰めたりするなど、掲載後の分析は必要不可欠になります。

また広告代理店などに発注して、ノウハウを獲得していくのも1つの手段です。掲載して終わりではなく、掲載してから採用につながるよう取り組んでいきましょう。

オウンドメディアを見てもらうためのポイント

オウンドメディアリクルーティングのデメリットでもご紹介したように採用をするにはユーザーが自社サイトを閲覧するようにしていく必要があります。そのため、閲覧してもらえる可能性をあげる手段としてはディスプレイ広告やリスティング広告、また求人検索エンジンへの記載が挙げられます。これらの対策を行うことで、Web検索結果で上位表示される機会が増えるため、ユーザーの閲覧に繋げられます。

オウンドメディアリクルーティングアワードとは

Indeed Japan株式会社が主催する「オウンドメディアリクルーティング アワード」は、オウンドメディアリクルーティングを積極的に取り入れながら、能動的に採用を行っている先進的な企業を表彰するものです。

2019年には授賞式が開催され、サイボウズ、オイシックス・ラ・大地、コロプラ、ディー・エヌ・エー、DMN.comの5社が入賞し、グランプリにはサイボウズが輝きました。

2021年のプレスリリースはこちらです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、オウンドメディアリクルーティングについて、定義や注目される背景、メリット、デメリット、掲載すべきコンテンツ、成功事例などを解説しました。

本記事を参考にオウンドメディアリクルーティングの活用を検討していただければ幸いです!

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