人手不足が深刻化するなか、採用活動は企業にとって重要な業務の一つです。採用活動の効率化のために、「採用代行」を利用する企業が増えています。
一方で、
・採用代行ってそもそもどんなサービス?
・採用代行で本当に効率が上がるの?
・どのサービスが自社に合っているのかわからない
など、さまざまな疑問を持つ方も多いと思います。
この記事では、採用代行について、改めてその業務内容や費用、サービスの選び方、メリット・デメリットなど、幅広くご紹介します!
改めて知りたい採用代行(RPO)とは?
採用代行とは、採用に関する業務を外部の企業が代行して行うサービスのことで、「RPO(Recruitment Process Outsourcing)」とも呼ばれます。
採用手法が多様化する中、採用活動を効果的に行うには多くの人手・スキル・労力が必要になるため、採用代行を利用することで採用業務の質を格段に上げることができます。
今採用代行が注目されるワケ
近年人手不足が深刻化する中、各企業の採用活動の早期化、複雑化が進んでいます。
それに伴い、採用業務を担う方の負担も急激に増加しており、自社だけでは対応しきれないという企業も多いです。

引用元:株式会社リクルート 就職白書
株式会社リクルートが発表している「就職白書2023」によると、採用数が充足している企業は全体の40.4%。前年の52.2%から11.8ポイント減少しています。
採用活動の早期化に伴い、内定辞退者の数も増えているのが原因と言えるでしょう。
特に、採用業務に関するノウハウがまだ不十分である企業にとっては、新たな手法をとりながら優秀な人材を確保することは至難の業です。
実際に、採用代行市場は世界的に成長しており、その市場規模は60.9億ドルに達すると言われています。
特にアメリカでは、エンジニアとして働く方がエンジニア採用を行う採用代行が現在流行しています。
採用業務のみを専門に扱う採用代行会社に依頼をして、より質の高い採用・業務の効率化を図る企業が今増えています。
採用代行って違法じゃないの?
中には「採用代行を利用するのは、違法じゃないの?」と感じる方もいるかもしれません。
ですが、心配は要りません。
採用代行業務は、法律に基づく厚生労働省や都道府県労働局の許可が必要な業務です。
職業安定法の第36条1項、第60条、および同法の施行規則の第37条1項3号に基づいて、募集企業はこれらの許可を取得し、合法的に採用代行業務を依頼することができます。
具体的には、採用代行を利用する際には、労働者の募集業務を外部に委託する「委託募集(法第36条)」に該当します。
そのため、採用業務を採用代行会社に委託し報酬を支払う場合、厚生労働大臣の許可を取得する必要があります。報酬を支払わずに採用代行を委託する場合でも、厚生労働大臣に届け出る必要があることが定められています。
職業安定法には「許可を受けずに法第36条第1項の委託募集を行った者は、1年以下の懲役又は100万円 以下の罰に処せられる(法第64条第6号)」と記載されているため、採用代行のような委託募集を行う場合には、必ず許可をもらうようにしましょう。
ただし、具体的なケースや地域によって要件が異なるため、法的なアドバイスを専門家から受けることも一つの手です。
適切な許可を取得した場合、この業務に関しては法的な違法性は存在しません。
採用代行に関する法制度について詳しく知りたい方は「採用代行は違法行為?必要な許可や委託募集についてまで徹底解説!」をご参照ください。
採用代行サービスの2つのタイプ
実際に、採用代行サービスが行う業務のタイプには、「ノンコア業務」と「コア業務」の2種類があります。
|ノンコア業務代行サービス
募集方法の選定や、書類選考・面接日時の設定/告知など、間接業務(ノンコア業務)を代行してくれるサービスです。
採用活動に関する専門的な知識やスキルがなくても行える業務を代行してもらうことで、採用計画の立案や面接、他種業務など、他の重要業務により多くの時間を割けるようになります。
・日程調整
・応募者の管理
|コア業務代行サービス
採用計画・戦略の立案や面接、採用可否の決定など、実際の採用結果に関わる直接業務(コア業務)を代行してくれるサービスです。
自社でノウハウやスキルが不足している場合、これらを支援・代行してもらうことで採用活動の質を上げることができます。
・面接代行
・実際の選考
採用代行が行う9つの代行業務
採用代行サービスでは、「母集団形成」「採用計画」「選考」「内定」など、採用業務の核となる業務を依頼することできます
具体的には、以下の9つの業務に分かれます。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1.採用計画の策定
採用要件のすり合わせや採用戦略の立案、採用のKPI(重要業績評価指標:業務のパフォーマンスを計測・監視するための指標)の設定を行います。
具体的に採用計画を決める際、代行会社は、まずクライアント企業のニーズと要件を詳細に理解します。企業が求めるポジションやそこに求められるスキル・経験、必要な採用数、採用の緊急性などを把握した上で、採用目標を設定します。
そして、その目標を達成すべく、市場調査を行い、競合他社の採用状況や業界のトレンドなどを把握します。
市場・ターゲットともに理解した上で、利用する採用チャネルや採用の具体的なタイムライン、予算などを計画します。
この採用計画の策定は、採用業務の根幹となる部分で、不十分な知識やスキルで行うと、採用業務自体が失敗しかねません。
代行会社のノウハウを生かし、効率的かつ効果的な採用計画の策定が可能です。
■採用戦略の策定に関して詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
【最新版】採用戦略とは|具体的な作成ステップから気を付ける点まで解説!
2.求人広告掲載
母集団形成を目指した求人の作成や掲載を行います。求人は簡潔な文章で企業の魅力を訴求しなければならない奥の深い難しい業務です。この業務を採用のプロに任せることで、応募者数の増加を見込めます。
また、求人広告媒体や人材紹介などの複数の手段を採用している企業にとっては、これらの工程をすべて委託できるため、工数とコストの両方の削減ができるでしょう。
また、ノウハウがなければ難しい、自社にとって最適な採用媒体の選定も委託することが可能です。
母集団形成について詳しくは、「母集団形成とは?おすすめ手法や、そのメリットまで徹底解説!」をご覧ください。
3.応募者の管理
応募者の情報・書類の管理は、採用活動の初めの部分です。
具体的には、メールやオンラインフォーム、求人ポータルなどを経由してきたエントリーの収集・整理をしてくれます。また、集まった書類に含まれる履歴書、職務経歴書、職務履歴、面接のスケジュール、応募者の連絡情報などの重要な情報を標準化し、データベースとして管理します。
4.書類選考
応募者が多い企業では、求人に集まった応募者の書類選考(スクリーニング)だけでも多くの時間がかかり、採用業務を圧迫する一因ともなります。
スクリーニングには、スキルマッチング、経験の評価、面接前の選考、応募者へのweb上での質問やテストなど、さまざまな手法が考えられます。書類選考の基準を代行会社と共有しておくことで、効果的な選考が可能です。
5.スカウトメール作成・送信
サービスによってはダイレクトリクルーティングを実施する際のスカウトメールの作成や送付も委託することが可能です。
スカウトメールを作成・送信を行うことで、転職潜在層にもアプローチをかけて採用を加速させることができます。候補者数が多かったり、一人一人への対応が求められたりと、この業務は煩雑になりがちになる中、代行会社への依頼が可能です。
具体的には、まず代行会社が企業とのコミュニケーションを通じて、スカウトメールの目的と目標を明確にします。その上で、データベースの検索、求人サイトやプロフェッショナルネットワークを活用しながら、企業が求める要件に合致する候補者を探し出します。
その後メッセージを作成し、主にメールで送信、送信後の受信者からの反応に迅速に対応を行います。メールの開封率やそこからの応募率などの詳細な分析まで行ってくれます。
このように、ダイレクトリクルーティングを代行してもらうことを「スカウト代行」といいます。
スカウト代行会社は、採用代行の一環としてスカウト代行も行う「採用アウトソーシング型(RPO)」だけではありません。
スカウト代行配信代行のみを行う会社、専門知識を持った人材を企業にアサインする人材アサイン型の会社、プロジェクトマネジメントを含めた代行を行うプロジェクト型の会社、などさまざまな形態があります。
スカウト配信などのダイレクトリクルーティングは、始め方に戸惑う企業担当者も多く、自社努力で始めようとすると労力対効果が低くなることが多いです。
このように代行会社に依頼をすることで、採用活動の工数を減らすことができる・求める人物像や希少価値の高い人材に出会える・プロのノウハウが得られるなど、多くのメリットを得ることができます。
スカウト代行について詳しくは「【2023】スカウト代行サービスおすすめ22選|料金・相場・選定方法まで徹底解説」をご参照ください。
6.選考日程調整
各選考の段階で行う日程調整業務を、代行会社に依頼することもできます。
具体的には、メールや電話にて日程をくみ、当日の詳細についてメールや電話確認などの業務を依頼できます。
面接の予約プロセスがスムーズに進行することで、候補者の満足度が高まるだけでなく、候補者・面接者が費やす時間と労力を最適化できます。
7.説明会の実施
新卒採用や中途採用で行う会社説明会の代行も、採用代行サービスに依頼できます。事前に採用代行サービス提供会社と企業の採用担当者が面談などを通してお互いの認識をすり合わせていきます。
また、会社説明会のスライドやプレゼンテーションの作成、案内告知、運営などの代行も可能です。
8.面接代行
自社内の人材が不足している、面接を行う際のスキルがない、という場合は面接代行を依頼するのがおすすめです。
面接代行では、企業のニーズを把握した上で、代行会社が面接プロセスをカスタマイズしてくれます。具体的には、面接の形式、質問の選定、評価方法などを協議しながら決定・実行してくれます。
そうすることで、面接官が求める情報を正確に収集することができ、そうして得た情報を企業に詳細に共有してくれます。
また、面接業務の全てを依頼するのでなくても、実際に面接に同席してもらい目線合わせや合否の抽出、企業人事へのアドバイスなどをしてもらうなど、支援・コンサルティングのような形で代行業者を利用することもできます。
こうした面接代行のサービスは特に、採用担当者が少ない企業、応募者数が大幅に増えている企業、応募から採用までのリードタイムが長くなっている企業、面接の質に差が出ている企業などにおすすめです。
面接代行については、【保存版】面接代行サービス21選比較|料金や相場、違法性まで徹底解説にて詳しく解説しています。
9.内定後のフォロー
内定通知後、メールでの連絡や入社前の研修の企画など、内定者に対するフォローについても代行を依頼することが可能です。
具体的には、歓迎メッセージを送り、重要情報(入社日、オリエンテーション日程、契約条件、給与パッケージの詳細など)の提供、文書関連の手続きなどを行います。
こうした内定者とのコミュニケーションについて、随時企業側に進捗情報を共有してくれます。内定辞退者の増加を防ぐためには、内定者と継続的なコミュニケーションが重要になります。
採用業務が煩雑になる中で内定後のフォローを代行してもらえれば、そのほかのコア業務にリソースを割くこともできるでしょう。
■採用代行の全体的な業務の流れに関してはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
採用代行の全体像がわかる!採用代行を依頼した後の流れを徹底解説
基本的な料金・費用相場
採用代行サービスの料金・費用相場についてご説明します。
料金体系
採用代行サービスの料金体系についてご紹介します。
採用代行サービスの料金体系は大きく分けて「月額一律料金型」「従量課金型」「成功報酬型」の3つがあります。

|月額一律料金型
月額一律料金型は、委託する業務項目ごとに月額料金を支払う形態です。
たとえば、委託内容に応じたパッケージプランを選んだり、3ヶ月・6ヶ月・1年などと期間を設けて契約したりすることができます。
求人媒体の応募者管理や面接日時の調整といった実務の一部を委託する場合の費用相場は、月額料金10万円台です。
採用業務を全体的に委託する場合の費用相場は、月額料金40万円以上が一般的です。
・オプション追加しない限り、料金は一定
・部分的な業務委託の費用相場は月額10万円台、業務全体だと月額40万円以上
|従量課金型
従量課金型は、業務量によって課金される支払い形態です。
多くの採用代行サービス提供会社が従量課金型を採用しており、代行期間や対応件数に応じて料金を算出しています。
必要な業務にのみ予算を割くことができますので、「書類選考に時間がかかっている」といった負担が多い工程だけを委託して、効率よく採用活動をしたい企業に適しています。
・部分的な委託がしやすい
・費用は要見積もり
|成功報酬型
成功報酬型は、成果が出た時点で料金が発生する支払い形態です。
成果は、面接実施・内定・採用における人数で設定されることが一般的です。
成果が出るまで料金が発生しないため、初期費用や無駄なコストを最小限に抑えることができます。ただし、成功報酬の費用は高めの設定であり、目標とする人数が多ければ多いほど料金がかさみます。
「一人だけ優秀な人材を採用したい」といった小規模な採用をしたい企業や、人材の質にこだわりたい企業に適しています
・小規模で質の高い採用をしたい場合に的する
・費用は高額なのが一般的
費用相場
採用代行サービスの料金体系は3種類ある他、その依頼内容もケースバイケースです。
以下は業務別に示した料金例ですが、依頼する会社にもよるため、あくまで目安としてご覧ください。
一般的に、新卒採用代行は月額料金50~70万円、中途採用代行は月額料金10~70万円程度となります。
その他業務は以下の通りです。
採用業務内容 | 費用 |
面接日時設定 | 月5万〜 |
DM・スカウト配信 | 月3万〜 |
面接実施 | 1回1万円〜 |
評価シート作成 | 1回3千円〜 |
欠席者フォロー・別日程案内 | 月2万円〜 |
次回面接日時連絡 | 月2万円〜 |
合否連絡 | 月2万円〜 |
内定通知書発送 | 月2万円〜 |
採用代行を依頼するまでの流れ
実際に採用代行サービスを依頼する際はどのような手順なのでしょうか?
以下に、採用代行サービスを依頼するまでの流れを紹介します。採用代行会社によってはこれらよりも工程が多い、あるいは少ない場合があります。
2.採用目標の設定
3.現状の採用プロセスの見直し
4.代行業務を決定する
5.各種必要コンテンツの作成(採用代行会社側)
6.運用開始
7.週次の定例ミーティングによる目標進捗状況の確認
1.キックオフMTG
最初のステップは、採用代行サービスを依頼する企業と代行会社との間で行われるキックオフミーティングです。このミーティングで、プロジェクトの目標、スコープ、期間、予算などについて話し合います。また、チームメンバーの導入やコミュニケーションプランの確立など、プロジェクトに関する基本的な情報を共有します。
2.採用目標の設定
キックオフミーティングの後、採用代行サービスの主要な目標を設定します。これは、採用する候補者の人数、質、スキル、ポジションなどを含みます。
目標は企業のニーズに合わせて設定され、成功の指標として機能します。
3.現場の採用プロセスの見直し
代行サービスを提供する会社は、現在の採用プロセスを評価し、改善の余地があるかどうかを特定します。
これには、求人広告のパフォーマンスの分析、候補者の選定、面接プロセス、オファー作成、オンボーディングなどが含まれます。
4.代行業務を決定する
採用代行サービス提供会社とクライアント企業は、どの具体的な業務を代行会社に委託するかを決定します。
これは、求人広告の作成と公開、候補者のスクリーニング、面接のスケジューリング、候補者のフォローアップなどを含みます。代行業務の範囲はプロジェクトの要件に応じてカスタマイズされます。
5.各種必要コンテンツの作成(採用代行会社側)
代行会社は、求人広告、募集メッセージ、面接ガイドライン、オファーレターなどの採用に関連するコンテンツを作成します。
これらのコンテンツは、候補者に魅力的な情報を提供し、プロセスを円滑に進めるために使用されます。
6.運用開始
代行会社は、採用プロセスを実行し、求人広告を公開し、候補者の応募を受け付けます。
面接、スクリーニング、評価、選考などの採用プロセスは代行会社によって遂行され、クライアント企業と連携して進行します。
7.週次の定例MTGによる目標進捗状況の確認
プロジェクトが進行する間、週次のミーティングが行われ、目標の進捗状況を確認します。
このミーティングは、プロジェクトのスケジュール、課題、成果物などについて議論し、必要に応じて調整を行います。また、進捗状況の透明性を維持し、プロジェクトの成功を確保するのに役立ちます。
メリット・デメリット
採用代行サービスを利用するメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。
4つのメリット
採用代行サービスのメリットとして、以下の4つが挙げられます。
・面接などコア業務に時間が取れる
・就職・転職サイトの実績データを使った戦略設計ができる
・採用業務をより迅速に進められる
以下、それぞれについて詳しく説明します。
|採用業務の質が上がる
部分的であれ、全体的であれ、プロの知見を生かす代行会社に依頼することで、採用業務全体の質が上がります。
採用代行をしてもらう中で、採用業務への取り組み方や基本的なスキルを見て学ぶこともでき、人材の選考自体の質も向上するでしょう。
特に、自社内に採用業務の知識が不足している場合には、自力でスキル向上を目指すよりもかなり効率的に、採用業務の質を上げることができるでしょう。
|面接などコア業務に時間が取れる
採用業務は、応募書類の管理や応募者との面接設定、選考の合否連絡といった細かな実務が多数発生します。
こうしたノンコア業務に時間をとられると、採用戦略の立案や面接、採用状況の分析、内定者のフォロー、人材教育といった人事本来のコア業務に時間を割くことができなくなります。
採用代行サービスを利用してノンコア業務を切り出せば、人事のリソースをコア業務に集中させることができます。
|就職・転職サイトの実績データを使った戦略設計ができる
採用代行サービス提供会社は、あらゆる就職・転職サイトのノウハウを豊富にそろえています。求める人材の志向性や年齢層、スキルによって、適切な就職・転職サイトは異なります。
採用代行会社は就職・転職サイトに登録している求職者のデータベースを理解しているため、選定を含めて適切な戦略設計をしてくれ、効率的で質の高い採用活動が期待できます。
|採用業務をより迅速に進められる
採用代行会社は、採用プロセスを効率的に進行させるための豊富なリソースとスキルを持っており、適切な候補者をより迅速に見つけ出すことができます。
また、コスト面でも求人掲載量や広告費、スクリーニングのコストを削減できることがあるため、より効率的で迅速な採用業務を行えます。
こうしたメリットは競争の激しい市場で優れた候補者を確保するのに役立ちます。
4つのデメリット
採用代行のデメリットには以下の4つが挙げられます。
・応募者・内定者との関わりが薄くなる
・採用目標などの認識のずれが起こりやすい
・企業文化への適合性が図りにくい
以下、それぞれについて詳しく説明します。
|自社に採用ノウハウが身につきにくい
代行会社とのコミュニケーションの取り方によっては、自社に採用ノウハウがつきにくくなってしまうこともあります。
人手不足であれば仕方のないことですが、採用業務に自社人材をあまり割かず業務のほとんどを代行会社に依頼してしまうと、代行会社から採用ノウハウを自社に蓄積することはできません。
|応募者・内定者との関わりが薄くなる
DM・スカウト配信でのやりとりや、説明会運営、面接など、応募者との関わりが持てる業務を代行会社に任せてしまうと、自社の採用担当者がほとんど応募者と会わずに、内定を出すことになります。
また、これは応募者側にとっても、社内で実際に働く人の雰囲気をつかむことができず、社内の雰囲気を誤った形で捉えてしまうこともあります。
代行業者を利用するとどうしても応募者との関わりが減ってしまうので、代行業者とのコミュニケーションを密にし、人材の選考基準などをしっかりと共有すること、可能であれば面接に自社の社員も同席するなどの工夫が求められます。
|採用目標などの認識のズレが起こりやすい
採用代行サービス提供会社との認識のズレは、採用後のミスマッチにつながる大きな要因になりかねません。
そのため、採用代行サービス提供会社にしっかりと採用における要望をヒアリングしてもらい、細かい点まで伝えることが必要です。
委託する業務内容にもよりますが、特に書類選考や面接など、選考で重要な役割を果たす業務を委託する場合は、しっかりとコミュニケーションをとってお互いの認識を一致させることが欠かせません。
また、情報のタイムラグや共有漏れが原因で認識のズレが起きる場合もあります。どれくらいの頻度でどんな情報を連携させるのかのフローを確立しておくこともおすすめします。
|企業文化への適合性が図りにくい
採用代行サービスでは、求職者のスキルや経験に焦点を当てることが一般的で、会社文化や価値観については評価しきれないことがあります。
また、面接などでは標準化されたアプローチが用いられることも多く、特定の業界や組織に合わせた採用戦略を実施しにくい場合があります。
その企業独自の要件やニーズに合わせた採用戦略を展開するためには、代行会社との密なコミュニケーションが欠かせません。
サービスを選ぶ際の注意点
採用代行サービスを選ぶ際には5つの注意点があります。
・実績は豊富か
・自社にあった運用方法かどうか
・見積もり内容が明確かどうか
・コミュニケーションは取りやすいか
以下、それぞれについて詳しく説明します。
依頼したい業務に十分に対応できるか
自社が求める業務に対応しているかを確認しましょう。
そのためには、自社が必要とするサービスを明確にしておくことも必要です。
例えば、自社の人手不足解消のため、選考日程通知や応募者管理を頼みたい場合、必ずそれら業務に対応した会社を探さなければなりません。
また、採用計画の立案や、面接の代行を頼みたい場合は、それらに強みを持つ会社・それら業務に特化した会社を探しましょう。
実績は豊富か
採用代行サービス提供会社を選定する際、実績はやはり重要な指標です。
実績豊富な会社と少ない会社とでは、応募者管理や内定後のフォローなどの質が異なります。
また、自社が所属する業界での支援実績や業界知識がどれだけあるのかを確認することも重要です。
たとえば、IT企業の場合、エンジニアの仕事やIT業界の動向、繁忙期や転職活動が活性化する時期などを理解していなければ、採用代行サービスの精度に影響します。採用代行サービス提供会社を選ぶ際は、必ず実績を確認し、安心して任せられるかどうかを判断しましょう
自社に合った運用方法かどうか
ある程度候補となる代行会社が絞れ、実際に話を聞く際、自社の方針やルールに沿ったサービスを利用できる会社を選びましょう。
コミュニケーションがうまく取れる会社かどうかによって、その後の採用業務の進み具合が変わってきます。
自社の希望や問題点を正確に伝えることも意識しましょう。
見積もり内容が明確かどうか
代行会社が示す見積もり内容が明確かどうかを確認しましょう。
採用代行においては、それぞれのケースにより費用や契約内容が異なるため、正確な料金を知るには、代行会社に直接見積もりをしてもらうのが一番です。
その際に、見積もり内容が明確かどうかがその会社の信頼性を見極める一つの基準となります。
見積もり内容に曖昧な点がある場合は、直接確認するようにしましょう。
コミュニケーションは取りやすいか
採用は採用代行会社だけの努力で成功するものではありません。企業が協力することで初めて大きな成果が生まれます。
特に採用代行においては、自社の求める人材や採用目標について、しっかりと共有する必要があります。
協力するうえでコミュニケーションがとりやすいかどうかは重要な指標となるため、コミュニケーション方法や対応できる時間帯の2点は、事前に確認しておきましょう。
おすすめの採用代行サービス比較15選
おすすめの採用代行サービスを15個ご紹介します!
【7選】総合支援系の採用代行(RPO)サービス提供会社一覧
総合支援系のサービス提供会社は全体的な業務をバランスよく代行するため、どのような企業にもおすすめになっています。
|株式会社uloqo

・契約継続率90%以上を誇る高品質サービス。
・深い理解と専門知識を有したコンサルタントによる支援で、採用ペルソナ設計から面接代行まで、すべての段階においてスムーズな対応が可能。
・少数精鋭だからこそ、柔軟なサービス設定と対応が可能。
費用
|ESSTNER株式会社

・お客様に寄り添ったサービス提供による脅威のリピート率96%。
・業界唯一の「返金保証付き」サービス。
費用
・ベーシックプラン(6ヶ月契約):10.5万円/月(税抜)
・プレミアムプラン(12か月契約):9万円/月(税抜)
※ライトプラン、ベーシックプラン、プレミアムプランは、対応時間が月30時間、対応時間帯が平日の朝9時〜夕方18時
|株式会社ジーズコンサルティング

・新卒・中途採用領域にて、すべてまたは部分的な代行が可能。
・採用成功にコミットし、「人事担当者の一員として」応募者とのコミュニケーションに対応。
・スピーディかつ親身な対応で合否・選考の案内を行うため、辞退を減らすことが可能。
費用
|株式会社クリーク・アンド・リバー社

・サービス体系が伴走型であるため、再現性のある採用フレームワークの構築が可能。
・8.5万人が登録するクリエイターやIT人材データベースからの紹介が可能。
費用
|HeaR株式会社

・ブランディングも含めた契約立案から採用代行までトータルサポートが可能。
費用
|株式会社キャリアパワー

・企業説明会やエントリー受付、面接、スカウトメールの送信、内定後の引きとめ、入社研修、さらには入社後のカウンセリングなど、人材採用に関連するあらゆる業務を代行可能。
・面接は自社で実施など、部分的なアウトソースも可能。
費用
|株式会社アールナイン

・採用に関わる様々なニーズに対応できるサービスを、全国の主要都市で展開。
・採用のあらゆるプロセスを最適化し、必要な人材を適材適所に配置。
・面接・説明会代行、リクルーター制度導入、リクルーター代行、面接官・リクルータートレーニングなど幅広いサポートを実施。
費用
【5選】コンサルティング業務に強い採用代行(RPO)サービス提供会社
採用代行を依頼する企業は簡単な業務の代行だけではなく、採用についてのアドバイスや分析などのコンサルティングを求めていることも多くあります。そのような方におすすめのコンサルティング業務に特化した企業を紹介します。
|株式会社リンクアンドモチベーション

・企業採用ホームページ、各種ナビ媒体、合同説明会・学内説明会での直接接触者など、入り口の違うエントリー学生を一つのシステムで管理し、学生の動機醸成及び業務支援を行う管理システム「SCOPE」。
・採用戦略の立案、説明会・インターンシップ・選考プロセス等の設計・運用、選考プロセスの細部にわたる実務サポート。
費用
|株式会社採用総研

・会社説明会の企画・運営の代行や選考の企画運営も対応可能。
・採用の「作業部分」をアウトソーシングし、学生と直接話し合うコア部分に専念できる。
費用
|株式会社ランスタッド

・取引先の会社には駐在員を派遣。情報の共有・管理に対する不安を軽減することが可能。
・RPOサービスのないような企業ごとにフルカスタマイズで対応しているため、企業の細やかなニーズに対応可能。
・RPOサービスのないような企業ごとにフルカスタマイズで対応しているため、企業の細やかなニーズに対応可能。
・グローバル採用を進めたいという企業向けにバイリンガルのリクルーターも複数名在籍。
費用
|株式会社カナエル

・「この人に仕事を任せたい」と思えるような人材の採用を目指し、企業と人材の相思相愛な関係を構築する。
・内定以外の全てをワンストップで支援可能。
費用
|株式会社ベクトル

・採用戦略の企画・立案から入社・定着に至るまで、一貫した高品質のサービスを提供可能。
・豊富な経験とノウハウを有する採用コンサルタントが採用をサポート。
費用
【3選】特化型の採用代行(RPO)サービス提供会社一覧
現在、自社がどのような採用に特化したいのかが明確な方には、特化型の採用代行会社に依頼することもおすすめになっています。業務により採用を絞ることができれば専門知識や技術をもった人材の獲得も可能です。
|株式会社キャリアマート

・マイナビ、リクナビからAOL、R-ship、SONARなど様々なシステムのアウトソーシング実績あり。
・約600体の採用ロボットが大量の業務を超短時間で処理し、ミスの無い正確な代行が可能。
・採用数に応じたアウトソーシングプランを提供し、月5万円~対応が可能。
費用
|株式会社レインエコノミックグラフ研究所

・LinkedInのオフィシャルビジネスパートナーとして、導入支援サービスを実施。
・日英バイリンガル対応可能。
費用
|株式会社ポテンシャライト
・スタートアップ企業向けの採用管理システムの企画・開発事業の展開。
・採用ブランディングとエンジニア採用に強い。
費用
採用代行を導入すべき企業
採用代行を導入すべき企業の特徴には以下のようなものがあります。
・採用業務のスキルが不足している企業
・認知度が低い企業
・応募者が多い人気企業
・グローバルな採用を行いたい企業
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
採用業務の人手が不足している企業
採用業務に当てる人材が足りない企業は採用代行を利用するのがおすすめです。
人手が足りていない場合、どうしても業務工数比率の高い日程調整や現場に対する採用要件の確認や調整に時間がとられてしまいます。
それゆえ、母集団形成の獲得に向けた採用広報、採用全体の施策についての立案や実行といった、本質的な採用業務の質向上に時間を割くことが難しくなるでしょう。
採用代行を利用し、業務が業務工数の多いノンコア業務を代行会社に任せることで、自社の採用担当がより本質的なコア業務に専念できます。
採用業務のスキルが不足している企業
採用業務のスキルが不足している企業も採用代行の利用がおすすめです。
人手不足が深刻化する中で、採用業務の経験がない社員が採用担当を担うことも増えています。採用業務は、スカウトや面接など、幅広い知識を必要とするため、自社努力によってそのスキルを高めることは難しいです。
そこで採用代行を利用することで、プロのノウハウを活用しましょう。
支援の領域が採用に閉じずにいろいろ見てもらえる、具体的には応募流入後のプロセス改善やカジュアル面談内容の改善など、個人としてでなく企業としてサポートしてもらえるなど、多くのメリットを得られます。
認知度が低い企業
まだ自社の認知度が低く、求人で応募者を獲得することに苦戦している企業も採用代行がおすすめです。
応募者数が自社の目標を大きく下回っている場合は、根本的な採用活動の質向上が欠かせません。
効果的な採用広報、採用手法の変更などにより、母集団形成を行う必要がありますが、それを自社人材で行うには、どうしても負担が大きく、労力対効果に見合わないかもしれません。
代行会社の持つスキルを活かすことで、効果的な求人、スカウトなどを行え、応募者増加に繋がります。また、自社以外の人材が採用業務にあたることで、客観的な視点を取り入れながら採用活動を進めることができます。
会社によっては、ノンコア業務以外にも、採用業務全体のコンサルティングを担う会社もあるため、うまく活用できるでしょう。
応募者が多い人気企業
自社の人気が高く、応募者が多い企業にも採用代行がおすすめです。
認知度の高い企業であっても、自社の人手不足により、採用業務を少人数で担っていることが多々あるでしょう。
応募者数が多いことでどうしても採用業務が煩雑になってしまいますが、採用代行を利用することで、作業効率を格段に上げることができます。
グローバルな採用を行いたい企業
グローバル人材の活用を検討している企業にも、採用代行はおすすめです。
海外の人材の採用には、通常の採用プロセスに加えて、ビザや在留資格の確認、内定者の居住地の確保など追加の業務が必要となります。
そうした手続きは、専門知識や経験がないと煩雑になりがちですし、曖昧な知識のまま取り組むと法に反してしまうこともあります。
そのため、外国人材採用を専門にしている採用代行サービスの利用が有効でしょう。
ビザや在留資格の難しい手続きを安心して行えます。
採用代行と他施策の違い
採用業務の改善を目指す企業が考える施策として、採用代行の他にも、採用ツールや人材紹介サービスの利用が考えられます。
そうした他施策の特徴も確認しましょう。
採用ツールの特徴
採用ツールとは採用のオペレーション業務を効率化し、労力を削減できるツール全般を指します。具体的には、オンライン会社説明会、動画、採用サイト、求人情報サイト、求人検索エンジン、SNS、採用管理システムなどです。
利用金額は自社の状況に応じて柔軟に変更できるので、コストを抑えることが容易です。
これらを活用すれば、効果的な採用業務が行えますが、どれもある程度のノウハウが必要になります。
自社内に採用業務に詳しい方がいる場合におすすめです。
・ノウハウは自社努力で身につける必要あり
人材紹介の特徴
人材紹介サービスを利用する際は、まず人材紹介会社や求人サイトに登録します。
そして、人材の母集団形成から入社までの支援を得ることができます。
サービスには、候補者の人選・応募意志の確認・企業への紹介(推薦)・合否連絡や入社までのフォローなどの応募者対応の代行が含まれますが、あくまで、その人材紹介サイトを経由した人材に対してのみ、業務を依頼できます。(自社に直接応募した応募者への対応は依頼できません。)
人材の採用・入社がゴールとされ、サービス内容・費用は定型化されます。
・人材の採用入社がゴールで、サービス内容・費用は定型化
実際の費用対効果・労力対効果
採用代行サービスでは実際にどれほどの費用対効果・労力対効果を得られるのでしょうか?
採用代行サービスの費用対効果
以下の手順で、採用代行サービスの費用対効果を評価することができます。
2.「採用単価」=「1年間の採用活動全体でかかったコスト」÷「1年間の採用人数」の測定
3.「採用効果」=採用した人材が優秀か、企業のパフォーマンスにどれだけ貢献しているかの測定
採用効果がいかに大きいかが、採用業務の質の高さを表し、採用単価を抑えられているかどうかが、採用業務の効率を示します。
一例として、ITエンジニアを採用する場合をご紹介します。
この時、求人プラットフォームを用いた場合の採用単価は約63.9万円、人材紹介サービスを用いた場合は約108万円、リファラル採用の場合は約10万円、ダイレクトリクルーティングでは約30万円と言われています。
採用活動にかかる費用は、求人広告費や、研修費などの外部に払う費用が外部コストと、社内での採用業務等にかかる社員の人件費などにかかるものが内部コストに分けられます。
採用コスト全体だけではなく、採用単価に注目して業務全体の質を高めましょう。
採用代行サービスに過不足なく業務を依頼することで、非効率的な自社努力を省くことができ、不要コストの削減につながります。
料金形態・サービスがさまざまなので、必要な業務範囲・費用対効果に応じて柔軟に利用しましょう。
採用単価の考え方については、「エンジニアの採用単価はどれくらい?各採用手段の相場とコスト削減ポイントをご紹介」で詳しく解説しています。
採用代行サービスの労力対効果
採用代行サービスでは高い労力対効果が得られます。
自社において、採用業務に関するノウハウが不足している場合、そこから採用代行会社が蓄積するほどの豊富なスキルと経験を得るには莫大な時間と労力がかかります。
採用代行を利用すれば、採用業務経験者にその業務の一部、または全体をになってもらえるため、採用業務全体を簡単に上げることが可能です。
実際のスキル獲得ではなく、採用代行業者との方針の擦り合わせがより重要となってくるでしょう。
採用代行を決められない!まずすることは?
採用代行サービスの導入について、検討ができたでしょうか?
それでもまだ、「どの会社を選べば良いかわからない」「何から始めれば良いかわからない」という方も多いと思います。
そのような場合は、まず以下の2つを試してみましょう!
まず3~4社から資料をもらい比較してみる
・まだ採用代行サービスを導入するべきか迷っている
・採用代行サービスを導入したいけれど、どの会社に依頼するか決めかねている
という方はまず、3〜4社から資料をもらい、実際にそのサービスの比較をしてみましょう!
サービスの範囲や、価格設定、会社の雰囲気など、資料請求をしたり、実際に問い合わせをしてみないとわからないことは多くあります。
即決をする必要はないので、採用代行サービス導入の必要性を見極める意味でも、まずは資料をもらってみましょう!
低コストで部分的な採用代行サービスを試してみる
・採用代行サービスを導入したいが、まだその効果や必要性に不安がある
という方は、低コストで始められる部分的な採用業務の代行サービスを試してみてはいかがでしょうか?
応募者管理や選考日程調整などのノンコア業務の代行であれば、月数万円ほどから手軽に依頼することができますし、その効果を感じやすいでしょう。
その上で、さらなる業務依頼の必要性を感じれば、依頼範囲を増やすことも可能です!
まとめ
採用代行サービスについて、その費用やおすすめ会社の比較、メリット・デメリットなど、実際の事例を交えながらご紹介しました。
採用業務は、企業のパフォーマンスを直接左右する重要な業務で、その質の向上は企業の向上につながります。採用業務にお悩みの方はぜひ、採用代行サービスを利用してみてはいかがでしょうか?
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