「サービスプロフィットチェーン」とは1994年にハーバードビジネススクールのヘスケット教授らによって提唱された、サービス業界における従業員満足、顧客満足、企業利益の因果関係を示したフレームワークのことです。
サービスプロフィットチェーンの構図
「従業員満足」を高めることで「従業員ロイヤリティ」と「生産性」の向上に繋がり、更にそれが「サービス水準」向上させます。高い「サービス水準」は「顧客満足」を向上させ、更にそれが「顧客ロイヤリティ」を向上させ、最終的に利益の向上に繋がります。そしてその利益が「従業員満足」向上に繋がるという循環の構図が成立します。この循環の構図を「サービスプロフィットチェーン」と言います。
サービスプロフィットチェーンにおける従業員満足
サービス業において、顧客に対するエクスターナル・マーケティング、従業員に対するインターナル・マーケティング、従業員と顧客の間に発生するインタラクティブ・マーケティングの3種のマーケティングタイプがあります。サービスプロフィットチェーンでは「従業員満足」を向上させるインターナルマーケティングが重要視されています。
サービスプロフィットチェーンを活用している企業のリッツカールトン
リッツカールトンは一流ホテルとして名高く「世界で最も優れた企業」に選出されたことがある企業です。リッツカールトンの名声を支えているのが、「従業員第一主義」です。従業員一人一人に「20万円決裁権」を与えるなどの方針が圧倒的な「サービス水準」そして「顧客満足」の高さに繋がっています。
サービスプロフィットチェーンの実証研究における悪循環
看護師が患者の要求に応える程仕事の負担が大きくなるなど、わずかながら「従業員満足度」と「顧客満足度」が負の相関を示すパターンがあります。 そのようなパターンでは、放置していると満足度の低下が止まらなくなり悪循環となってしまうこともあります。