タレントプールを用いた採用手法とは?ツールや事例を徹底解説!

タレントプールを用いた採用手法とは?ツールや事例を徹底解説!

人材獲得競争が激化する近年、世界の大手企業では有望な人材を確保するタレントプールの手法が取り入れられています。採用候補となる人材に継続的にアプローチすることで、優秀な人材の流出を防ぎ必要なポジションの空白に即対応することができるのです。

今回はタレントプールについて、ツールやメリット、導入事例、企業が提供するサービス等を詳しく解説していきます。

タレントプールとは

タレントプールとは、「talent(才能)」「pool(蓄える)」を組み合わせた言葉で、「自社の採用候補となる人材の情報を蓄積・管理するためのデータベース」を指します。

タレントプールを利用することで、自社に関心のある人材や、条件や都合が合わず不採用となった優秀な人材とコンタクトを取り続け、次期の選考に向けて有望な人材を確保しておくことができます。

タレントプールが注目されている背景

新卒一括採用、終身雇用、年功序列型賃金が特徴の日本型雇用は終わりを迎えようとしています。終身雇用を当たり前とせず転職を求める労働者が急増する一方で、実際の転職者数の増加率は低く、雇用の流動性は低いままです。会社員を対象としたアンケートでは、積極的に転職先を探している転職顕在層が1割にも満たないのに対し、「転職活動は行っていないがより良い条件があれば転職したい」と考える転職潜在層は7割を超えています。このような転職潜在層へのアプローチがしやすいのが、タレントプールを利用したリクルーティングなのです。

タレントプールを導入するメリット

母集団形成の効率化

母集団形成とは、自社の求人に興味を示している候補者を集めることです。自社に関心のある人材や優秀な人材をデータベース化しておくことで、求人が発生した際にゼロベースで母集団を形成する手間がなくなります。社内でポジションが空いた時にデータベースを確認し、対象の人材がいれば即アプローチして選考へ進めることができます。

採用コストの削減

一から求人募集をかけ選考をする場合、人材の確保や見極めに多くの費用・時間・人的コストがかかります。しかしタレントプールを導入すると、採用候補の人材情報が予め蓄積されているため、募集や選考における費用・工数を大幅に削減できます

マッチング精度を高められる

タレントプールでは継続的に候補者とコンタクトを取るため、通常の採用選考以上に候補者と会社側で相互理解を深めることができます。企業文化や職場の雰囲気を伝える一方で、候補者のスキルや人柄、志向性を知ることができるため、ミスマッチの回避に繋がります。

タレントプールのツール

タレントプールのツールとして、SNSと採用管理サービスの2種類が挙げられます。LikedInやTwitter、Facebook、InstagramといったSNSの場合、ユーザー数が多いため広範な人々にアプローチできるうえ、無料で企業情報の発信や人材データの収集を行える点がメリットです。SNSを通して採用選考に進むという方法はソーシャルリクルーティングともいいます。

【関連記事】ソーシャルリクルーティングとは?事例やおすすめサービス4選をご紹介!

一方で企業が提供する採用管理サービスでは、タレントプールの作成に適したデータ分析やトラッキングの機能が備わっているため、より効率的に質の高いデータベースを構築できます。具体的なサービス例は本記事の最後にまとめています。

タレントプールを用いた採用の流れ

1.プールする人材の定義

まず自社の採用候補となる人材の定義を行います。誰彼構わず登録するのではなく、採用可能性の高い人材を中心にプールすることで、データベースの質の高さが担保されます。明確な基準をもったうえで人材を選定していきましょう。対象となる人材例は以下の通りです。

・新卒採用活動時にエントリーした学生
・過去の内定辞退者
・ポストがなく採用見送りとなった候補者
・社員の紹介する優秀な知り合い(リファラル採用候補者)
・元社員(アルムナイネットワーク)

2.データベースの構築

対象の人材について、必要な情報を収集しデータベースを構築していきます。年齢や性別、大学・在籍企業といった基本情報に加え、自社に行き着いた経路や保有するスキル・属性などを調べていきます。収集した情報は、必要に応じてカテゴライズすることで今後のコミュニケーションプランを組みやすくなります。

3.候補者とコンタクトを取る

候補者と定期的にコンタクトを取って相互理解を深めていきます。自社情報の定期発信や勉強会・イベントへの招待を通じて、中長期的な視点で候補者との関係を維持します。

4.リクルーティング

機会を見計らって候補者に求人案内を送り、リクルーティングを行います。採用時期を逃さないためにも、候補者のスキルや理想の働き方等の情報を定期的にアップデートし、自社の採用状況と照らし合わせて判断することが重要です。

タレントプールを利用する際のポイント

データの最適化・最新化

データベースの管理が滞ると、候補者の情報が古いままとなったり人材の洗い出しが困難になるといった弊害が生じます。企業にとって必要な人材は常に変化します。そのたびにデータを刷新しないと最適でない人材が優秀だというレッテルを貼られる可能性があるのです。また、長期間タレントプールを運営すると母集団が増え、数多くあるリストの中から更に候補者を精査する必要がでてきます。この精査にコストをかけすぎてしまうとタレントプールのメリットであるコスト削減の意味がなくなってしまいます。このようなことから、情報を正確に把握し、人材を見極め採用時期を逃さないようにするため、定期的に人材データを更新し最適化を行う必要があります。

候補者との適度なコンタクト

候補者との接触機会が少なかったり送信するコンテンツに魅力が感じられない場合、自社への関心が薄れ他の企業に流れてしまう可能性があります。かといって頻繁にアプローチしすぎると、メール配信を停止されてしまったりSNSをブロックされてしまう恐れもあります。対象の候補者の視点に立ち、有益だと思われる情報を適度な間隔で発信するようにしましょう。

アプローチのタイミング

従来のリクルーティングは求職者と企業で目的とタイミングが一致していることがほとんどです。しかし、タレントプールを利用した採用は候補者の転職意向度や時期を見極めながらアプローチする必要があります。企業にとって最適な人材だったとしてもタイミングが合わなければ採用には結びつきません。転職潜在層にもアプローチできる反面、タイミングの見極めは重要になってきます。

タレントプールの導入事例

デル(Dell Inc.)

デルの公式採用ページには「Sign Up for Job Alerts」という登録ボタンがあり、フォームに入力することで会社のタレントプールに登録されます。希望したポジションに合わせた情報が発信されるうえ、SNSと連携して知人にDELLの募集を紹介できる機能があります。

ゼネラルモーターズ(General Motors Company)

ゼネラルモーターズは、キャリアサイト内にタレントプールへの登録ページを設けています。名前や所属、職務経歴を登録でき、Linkedinとのアカウント連携が可能です。

タレントプールに役立つサービス一覧

TalentCloud

株式会社タレントクラウドが運営する「TalentCloud」は、タレントプールの構築・運用に特化した採用管理システムです。リスト化した候補者に対し、トラッキングを用いて興味や行動を管理しつつ、いつでもオファーすることが可能です。チャット機能を用いてやり取りできるほか、スマホ対応の採用サイト構築や一括メール配信も可能となっており、候補者に多角的にアプローチすることができます。

料金月額2万円~

CaLin

キャリン株式会社が運営する「CaLin」は、手軽にタレントプール採用を実現できるWebサービスです。採用ページに「つながる」ボタンを設置するだけでタレントプールを開始でき、自社に関心のある候補者と気軽な接点を作ることができます。無料トライアルプランを利用できるほか、採用PRコンテンツの掲載や候補者とのチャットを無制限で利用できるといった特徴があります。

料金無料トライアルプラン:0円
リンク設置割引プラン:年額10万円
オリジナルプラン:年額36万円

Talentio Hire

株式会社タレンティオが運営する「Talentio Hire」は、採用プロセスの構築とタレントプールのマネジメントを行える採用管理システムです。これまでの採用データを集計し、社員紹介の状況や選考通過率などをグラフによって可視化することができます。日時を設定するだけで面接日程の調整ができたり自動でオファーメールが作成されるといった機能のほか、月最大50名までの候補者を登録できる無料プランも提供しています。

料金FREE:0円
STANDARD:月額2万円~
PLUS:月額6万円~
ENTERPRISE:お問い合わせにて

HITO-Link CRM

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社が運営する「HITO-Link CRM」は、タレントプールを用いた採用特化型マーケティングツールです。イベントやSNS、ブログ、社員紹介などあらゆるチャネルから得た人材情報をデータベース化し、一元管理することができます。アンケートやメール開封履歴を自動蓄積したり、人材の行動に応じた自動アクションが設定されているため採用コスト・作業工数の削減にも役立ちます。

料金月額5万円~

MyTalent

MyTalent

株式会社TalentXが運営する「My Talent」は、タレントプールの構築から、半自動でのアプローチ、持続可能な仕組化までを一気通貫で実現できる採用特化型マーケティングツールです。タレントのアクションにあわせ自動スコアリング、適切な時期、文面で効率的なタレントソーシングが可能です。またタレントプール採用や採用マーケティングの導入のみならず、過去応募者情報のデータクレンジングや、アプローチ、採用決定まで一気通貫でサポートしています。

料金お問合せにて

まとめ

タレントプールを利用することで、採用候補者の人材情報を蓄積し次期採用に生かすことができます。また候補者と企業間での相互理解が深まるため、ミスマッチを避け採用成功率を高めることができます。タレントプールを用いる際は、候補者との関係を継続して維持できるよう、定期的なコンタクトや有益な情報発信を心掛けましょう。

この記事を書いた人

関川 懸介

株式会社uloqo代表取締役

1990年6月29日生まれ。京都府出身。
新卒でアドテクノロジーベンダーに就職。
その後、リクルートグループの人材斡旋部門において、キャリアアドバイザーとして従事。全社MVP計6回受賞、準MVP計2回受賞。2016年4月に、創業者の当時代表取締役と共に株式会社uloqoを設立。
人材紹介事業、メディア運営、HRsolution事業、uloqoに関わる全事業において、1人で立ち上げから収益化まで担う。

【関連記事】
採用代行(RPO)サービス比較30選!業務内容、費用、メリット・デメリットまで徹底解説
ダイレクトリクルーティングにおけるスカウト代行サービス10選!特徴、費用などをまとめました。
新卒採用コンサルティングサービス17選!費用やサービス内容について詳しくご紹介します。
採用業務委託サービス12選!委託できる内容や活用メリット、注意点など徹底解説
採用に悩むスタートアップ企業必見!「スタートアップの採用戦略」について徹底解説します

採用管理システム(ATS)33選!選び方とそれぞれの特徴を解説・比較します!

採用代行はuloqoにお任せください

採用代行(RPO)ランディングページ

「普通の運用代行」ではない、
プロフェッショナルリクルーターによるRPOサービスです。

①月額20万円~からご予算と課題に応じてカスタマイズ型でサービス提供が可能。支援後は追加費用の発生一切なし。
②累計50社取引クライアント様の契約継続率は驚異の90%超。
③あらゆる採用媒体活用実績を活かしたプランニング、実行により、採用目標達成率は87%超。
④上流工程の企画から、下流工程の実業務まで一気通貫で支援。もちろん採用広報もベーシックプランから提供可能です。
⑤独自の業界リサーチで、業界専門用語や市場におけるクライアントのポジションについて、徹底的にインプットを行います。
⑥エンジニア・データサイエンティスト・デジタルマーケター等、専門職種についてはテクノロジー領域専門のコンサルタントが担当します。

▼サービスに関するお問い合わせはこちらから

お名前 (必須)

会社名 (必須)

お電話番号 (必須)

メールアドレス (必須)

題名

メッセージ本文

選択してください