エンジニアの採用活動は、IT業界の人手不足に伴い競争が激化しています。そのような中、カジュアル面談を自社に導入するか迷い始めた採用担当者様も多いと思います。
しかし、興味はあっても、
- カジュアル面談とは何か?
- カジュアル面談で何を伝えて、何を聞けばいいの?
- エンジニアの何についてどのくらい聞けばよいのか?
- 面接との違いがわからない
- 成功したカジュアル面談のイメージがわからない
という方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、本記事では
- カジュアル面談の進め方
- 質問すべき内容
- 成功のポイント
を解説します。ぜひご一読いただき、採用活動に役立ててください。
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カジュアル面談とは
カジュアル面談とは、本格的な選考の前に、応募者と企業側の間で認識のずれがないかを確認するために行われる面談のことです。
「面接などの本格的な選考を始める前に、一度気軽に話しましょう」というラフなスタンスで行われます。選考活動の一環である面接よりも前に、現職の社員と候補者で情報・意見の交換を行います。
特にIT業界やコンサル業界では、自社により興味を持ってもらうために企業のビジョンや事業内容をアピールする企業も増えています。
エンジニアとのカジュアル面談では、さらに具体的に提供するサービスに使用されているプログラミング言語や使用ツール、独自の技術について伝える場となります。また、候補者の経歴から自社で活躍できるポジションの提案や業務を簡単に紹介することも可能です。
カジュアル面談の4つの特徴
カジュアル面談には、普通の選考と比較して4つの特徴があります。
- カジュアルな服装
- 自由な雰囲気
- 相互理解の促進
- 選考要素がない
カジュアルな服装
面談参加者は、通常のビジネスカジュアルなど、厳格なドレスコードに縛られずに、よりリラックスした服装で面談に臨むことができます
自由な雰囲気
面談は堅苦しい雰囲気ではなく、自由でくつろいだ雰囲気で行います。
これにより、面接者と候補者の双方がリラックスし、自然体で会話をすることで、面接では見られない、候補者の特性や考えを知ることができ、お互いに会社の文化や雰囲気にあっているかなどを感じとることができます。
相互理解の促進
双方が対等な立場で会話でき、相互理解が深まりやすいとされています。面接では聞きづらいことも面談では気軽に質問することができ、企業理解が深まった上で選考に進むことができるため、入社後のミスマッチも起こりにくくなるでしょう。
選考要素がない
カジュアル面談は、基本的に選考への直接的な影響はありません。
- まだ候補者の意志が固まっていない
- 志望度が低い
などの段階でお互いのことをより知るための自己紹介と情報交換の場となります。ですので、企業側が候補者に対してアピールすることもあります。
エンジニア採用でカジュアル面談を行うメリット
エンジニア採用において、カジュアル面談を行うメリットを解説します。
ミスマッチを事前に防ぐことができる
面接は選考が絡んでいるため、候補者にとって自然体で振る舞うことが難しい場です。緊張状態の候補者からは普段の様子や本心が見えにくくなります。
カジュアル面談は選考と直接的な関係がなく、面接という硬い場では知り得ない人となりを把握できるため、相互理解が進むはずです。候補者と企業側がお互いの価値観を理解した上でその後の選考やイベントに繋げることを可能とし、ミスマッチを事前に防ぐことができます。
エンジニアの実務経験は年数で語られることが多いですが、実際にどのような役割で業務に携わったかも重要であるため、このような部分を情報交換するためにもカジュアル面談は役立ちます。
企業の魅力をアピールすることができる
カジュアル面談では、魅力ある候補者に直接自社の魅力をアピールすることができます。具体的には以下のようなアピールが可能です。
- 候補者のスキルが活かせる場を具体的に提案する
- 候補者の望む働き方をしている従業員と話す場を設ける
候補者に寄り添う姿勢を示すことで、候補者の自社に対する志望度を高めることができるでしょう。とりわけIT業界は、足元で人材不足が起こっており、売り手市場となっています。そのため、企業の魅力を上手くアピールすることは重要課題といえます。
多くのエンジニアと接触できる
カジュアル面談は本番の面接と異なり、応募やメッセージも受け付けるので、より多くのエンジニアとの接点を持つことができます。エンジニア採用が難化している現状においては、母集団を拡大することは一種の課題となっています。
面接や選考のような事前準備が必要ないカジュアル面談であれば、ハードルが下がるため、より多くの接触機会を得られるはずです。
参加者と関係を作ることで、ミスマッチを感じている参加者は面接へ進まないことから、面接での時間を削減することができます。また、企業側もミスマッチを感じた時点で、面接の際に、自社との相性に関する質問を増やすなどの対応が可能となり、面接の負荷を下げることに繋がります。
エンジニア採用でカジュアル面談を行うデメリット
カジュアル面談は、その自由度の高さやリラックスした雰囲気が魅力です。しかし、形式が持つ特性から、採用プロセス全体において課題を生じることもあります。そのため、カジュアル面談の具体的なデメリットについて詳しく解説します。
非公式性が招く誤解のリスク
カジュアル面談は、正式な選考過程ではなく「非公式な対話の場」と位置付けられることが多いです。しかし、この「非公式」という性質が、候補者と企業の間で認識のズレを生む一因となっています。企業は面談を評価プロセスの一部と捉えがちですが、候補者は「リラックスした雑談」として捉える場合があります。このような認識の違いが、面談の目的達成を妨げる要因となることがあります。
さらに、企業がカジュアル面談を積極的に導入する背景には、採用活動における競争激化が影響しています。特にカジュアル面談では、候補者に好印象を与え、関係構築を図ることが重要視されます。しかし、このアプローチが過度にカジュアルな印象を与えると、候補者が本来持つプロフェッショナルな態度や準備を軽視する結果に繋がる可能性があります。これにより、企業が期待していた情報が十分に得られず、面談の価値が損なわれるリスクが高まります。
情報収集の不完全さ
カジュアル面談の目的は、候補者のスキルや経験、企業文化との適合性を深く理解することです。しかし、非公式な雰囲気の中では、これらの情報を正確に把握することが難しくなる場合があります。これは、面談が形式に縛られないことによる利点でもありながら、同時に欠点でもあります。
採用担当者は、面談を通じて候補者の技術力や問題解決能力を詳細に把握することが求められますが、リラックスした会話形式では深い技術的議論に発展しにくいという課題があります。また、候補者がその場を単なる情報交換と捉えた場合、自身の強みやスキルをアピールする意識が低くなることも考えられます。結果として、企業は候補者の全体像を把握するのに必要なデータを得られない場合があります。
さらに、情報収集が不完全な状態では、面談の結果を基にした採用判断の精度が低下します。これが引き金となり、選考の後半で適合性の問題が発覚するケースも少なくありません。このような問題を解決するためには、カジュアル面談で収集すべき情報の優先順位を明確にし、計画的な質問を用意することが重要です。
時間的・人的リソースの負担
カジュアル面談は、その柔軟性から一見すると簡単に実施できるように思われがちです。
しかし実際には、企業側にとって多大な時間的・人的リソースを必要とするプロセスでもあります。特に複数の候補者と個別に対応する場合、担当者のスケジュール調整や事前準備が負担となることがあります。
企業内では、通常の選考プロセスに加えてカジュアル面談を導入することで、面談を担当するメンバーの負荷が大幅に増大します。特に採用担当者が他の業務と並行してカジュアル面談を行う場合、リソースの割り振りが難しくなり、結果として全体的な効率が低下する可能性があります。
加えて、面談を実施するためには、候補者ごとに適切なアプローチを設計する必要があります。これには、候補者のバックグラウンドや関心に応じた内容の準備が含まれ、単なるテンプレートでは対応しきれません。このため、企業は時間や人材の余裕を確保しつつ、適切にプロセスを設計する必要があります。
候補者の印象操作の可能性
候補者が自身の印象を操作しやすい環境である点もデメリットです。
形式に制約が少ないため、候補者が自分自身を魅力的に見せることに集中する可能性があります。このような印象操作は、候補者の真のスキルや適性を見極めることを難しくする要因となります。
特にエンジニア採用においては、実務能力や論理的思考力が重要視されますが、カジュアル面談ではこれらを評価する機会が限られます。表面的な印象だけで候補者を判断すると、後の選考でギャップが生じることも考えられます。このリスクを軽減するには、面談担当者が候補者の発言を慎重に分析し、面談の中で深堀りを試みる必要があると言えます。
カジュアル面談に必要な事前準備
カジュアル面談を経験したことがない方は、どのような事前準備が必要なのか不安かと思います。そこで、カジュアル面談に必要な事前準備を紹介します。
- 自社の魅力を整理する
- アイスブレイクや軽いトピックの用意
- 柔軟性を持った質問を考えておく
- 雰囲気を和らげる場の設定
自社の魅力を整理する
カジュアル面談は自社の魅力を深くアピールできる場です。だからこそ、企業は自社の魅力を整理する必要があります。
- 人や会社内の雰囲気
- 企業理念
- 待遇
- 仕事内容
- 開発環境について
- 開発手法について
- その他開発における取り組みについて
これらの面で自社のアピールポイントを整理しておきましょう。逆質問の場では社内の雰囲気や、働き方などを問われることが多くあります。どのような質問においても魅力的に伝えられるよう準備しておくことが大切です。
とりわけ、自社の開発環境に関しての魅力の整理に関しては、あまりイメージのわかない人事の方も多いかと思いますので、さらに具体的に説明します。
開発環境について
開発環境とは、開発において何の「ソフトウェア」と「ハードウェア」を使用しているのか、他にどんなツールを使用しているのか、等を示します。ソフトウェアは、テキストエディタやターミナル等のことを指します。一方、ハードウェアは、貸与pcやディスプレイ等の物理的な機器を指します。
エンジニアとのカジュアル面談の前に、自社においてソフトウェア、ハードウェアは何を使っているのかを整理しておくべきです。
開発手法について
開発手法とは、システム開発における一連の作業手順やルールのことをいいます。開発手法には複数の種類があり、それぞれでプロジェクトの規模や業務プロセスが異なります。そのため、エンジニアの関心事の1つといえます。
開発手法には、大きく以下の5種類があるため、自社がどの開発手法を採用しているのか整理しましょう。
- アジャイル開発
- ウォーターフォール開発
- スクラム開発
- プロトタイピング型開発
- DevOps
その他開発における取り組みについて
その他開発における取り組みとは、開発環境や開発手法以外の自社における開発のためのルールや作業内容のことを示しています。
例えば以下の項目が開発においての疑問点として挙げられます。
- 開発メンバーの裁量はどの程度か?
- コード品質向上のためにどのような取り組みを行っているのか?
- コミュニケーションや情報共有はどれほど行っているのか?
それぞれ、自社の現状を整理して、面談に備えておきましょう。
アイスブレイクや軽いトピックの用意
カジュアルな雰囲気を作り出すために、アイスブレイクや軽いトピックを用意しておくと良いです。これにより、面接者とのコミュニケーションが円滑に始まり、リラックスした雰囲気を醸成することができます。
例えば、趣味、最近見た映画や読んだ本、週末の活動などに触れることで、参加者が自然な形で自己紹介できます。
柔軟性を持った質問を考えておく
カジュアルな面談では、予め用意された堅苦しい質問よりも、柔軟で自然な質問が重要です。参加者が自分の経験や考えについて自由に話せるような質問を考えましょう。
例えば、「仕事において最も満足している瞬間は何ですか?」や「自分の強みと弱みについてどのように考えていますか?」など、オープンエンドな質問が適しています。
雰囲気を和らげる場の設定
カジュアルな雰囲気を作り出すためには、面談の場の雰囲気にも気を配りましょう。フォーマルな机と椅子よりも、くつろげる雰囲気の場所や、カフェやランチの場で行うなど、場の設定が重要です。
適切な場所を選ぶことで、会話がよりリラックスしたものとなります。
カジュアル面談の導入方法
カジュアル面談は、その柔軟な形式によって、候補者との自然な対話を促進する効果的な採用手法です。
導入を考えている方向けに、カジュアル面談の導入方法を詳しく解説します。
カジュアル面談の導入を検討する
以下が、検討の際のステップです。
画像挿入
まず、カジュアル面談を導入する目的を明確にすることが不可欠です。この形式を導入する背景には、多くの場合、候補者との相互理解を深めることや、正式な選考の前に良好な関係を築くことがあります。こうした目的を具体化することで、採用プロセス全体の中でカジュアル面談の役割を明確に位置付けることができます。
次に、対象となる候補者層を特定する必要があります。特にエンジニア採用では、専門知識やスキルの幅が広いため、カジュアル面談で重点的に確認すべき項目を定義することが重要です。これにより、面談の流れや質問内容を事前に準備し、候補者ごとの対応に役立てることができます。
また、カジュアル面談を取り入れる際には、面談の実施スケジュールや担当者の役割分担を具体的に計画する必要があります。
社内でのカジュアル面談の理解を深める
企業内でカジュアル面談を導入する際には、まず採用担当者やエンジニアリングチーム全体に、その意義と目的を共有することが大切です。
カジュアル面談は、通常の選考プロセスとは異なる位置付けを持つため、社内メンバーがその特性を十分に理解していない場合、運用に支障をきたす可能性があります。
この課題を解決するためには、社内トレーニングやガイドラインの策定が有効です。カジュアル面談における適切な進行方法や質問の仕方、面談後のフィードバックの共有方法などを明文化することで、担当者間のスキル差を埋めることができます。また、模擬面談を実施することで、担当者が実践的なスキルを身につけ、面談の質を向上させることが可能になります。
導入時にツールやリソースを活用する
カジュアル面談を効率的に進めるためには、以下のようなツールやリソースの活用が有効です。
- スケジュール調整ツール
候補者との日程調整を自動化し、担当者の負担を軽減するためのツール - オンライン面談プラットフォーム
スムーズなコミュニケーションが可能なオンライン面談ツール - 情報管理システム
面談記録やフィードバックを一元管理し、選考プロセスで活用できるシステム - リサーチツール
候補者の経歴やスキルを事前に把握するための調査ツール - トレーニングリソース
面談スキルを向上させるための社内向けトレーニングプログラムやガイドライン資料
カジュアル面談の進め方4Step
実際にカジュアル面談をどのように進めるのかわからない方もいらっしゃるかと思います。そこで、カジュアル面談の進め方を紹介します。カジュアル面談は以下の手順で進めます。

アイスブレイク/自己紹介
最初は候補者の緊張を和らげるために、アイスブレイクとして少し雑談をするとよいでしょう。企業側と候補者、お互いが知りたい情報を交換するために、発言しやすい雰囲気をつくることは大切です。
自然体で話して相互に理解を深めるというカジュアル面談ならではの利点を最大限に活かしましょう。その後に、簡単な自己紹介をします。面接での鉄板質問である自己PRや志望動機等は聞く必要はありません。
簡単な企業説明
面談は面接と異なり、自社に対してまだ志望度が高くない状態の候補者もいるでしょう。カジュアル面談において、企業は評価される立場でもあります。
詳細な説明は必要ありませんが、アピールしたい企業の魅力をピックアップして簡潔に伝えましょう。カジュアル面談は、求職者に企業の魅力を伝え、志望度を高めることが最大の目的である点を理解すべきです。
企業の魅力に関しては、エンジニアの求職者が気になるであろう点を事前に整理しておくべきです。
例えば、以下の項目が挙げられます。
- 人や会社内の雰囲気
- 企業理念
- 待遇
- 仕事内容
- 開発環境について
- 開発手法について
- その他開発における取り組みについて
質疑応答
面接のような堅い雰囲気にならないよう留意しながら、質疑応答を行いましょう。候補者からの質問には誠意を持って答え、不明点がないか、随時候補者の反応を確認すると良いです。その場で回答が不可能である質問に関しては、後日連絡する旨を伝えましょう。
エンジニアによく聞かれる質問項目は以下の3つです。
- 働き方について
- 職場環境について
- 待遇や評価について
次回への誘導
次の面談・選考・近々のイベント等、次回の接点に繋げることを忘れてはいけません。しかし、その場で結論を迫ったり、約束を取り付けたりするのではなく、あくまで案内というスタンスに徹することが重要です。
エンジニアとのカジュアル面談で質問すべき4つの項目
エンジニアとのカジュアル面談において具体的にどのような質問をすべきかわからない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、カジュアル面談で質問すべきことを紹介いたします。主に4つあります。
- 経歴
- 選考状況
- 企業選びの軸
- 転職理由
経歴
1点目は経歴です。経歴は募集ポジションとのマッチング度を確かめるために確認します。
具体的には、以下の事柄を質問しましょう。
- これまでエンジニアの仕事でやりがいを感じたことは何ですか?
- 一方でこれまでの仕事で苦労したことは何ですか?
- これまでの業務内容やプロジェクトの経験を教えてください。
質問の内容がどうしても堅苦しくなってしまうため、カジュアルな雰囲気で質問することがポイントです。
選考状況
2点目は選考状況です。選考状況は、候補者の現状やニーズを確認するためにする質問です。本腰を入れて選考に挑んでいるのか、何となくの興味で挑んでいるのかを確認することで、候補者ごとの面談内容やその後の選考フローを組み立てることができます。
他に検討している業界や会社をヒアリングすることができれば、それらの競合比較して自社にはどのような魅力があるのか積極的に訴求するという戦略を取ることができます。
具体的な質問例は以下です。
- このような面談には慣れていらっしゃるのでしょうか?
- カジュアル面談は初めてですか?
- 他にはどのような業界/業種を検討されていらっしゃいますか?
- 弊社のどのような所に魅力を感じて応募してくださったのですか?
企業選びの軸
3点目は企業選びの軸です。企業選びの軸とは、求職者がどのような判断基準で入りたい会社を絞り込んでいるか?の諸要素のことです。企業選びの軸を確認することによって以下2点のアクションが判断可能となります。
- 面談で重点的に伝えるべき内容の選定
- 自社のカルチャーにマッチするかどうかの見極め
企業選びの軸を聞く際は、給与や勤務形態、福利厚生などの条件面に関しても本音ベースでヒアリングするのがおすすめです。
具体的には以下のような質問をしましょう。
- 企業選びで重視している点はありますか?
- 職場環境や条件、待遇など一番重視しているものは何ですか?
- 前職で不満に思っていたことは何かありますか?
- エンジニアとしてどのようなキャリアを志向していますか?
転職理由
4点目は転職理由です。転職理由を聞くことに関しても、候補者がどれだけ転職に本腰を入れているのかを判断することを目的に行います。
以下の事柄をヒアリングすることで、ミスマッチ防止がはかれます。
- 転職を考えるようになったきっかけは何ですか?
- 転職にあたって何か不安に感じていることはありますか?
- 転職活動を始めたのはいつからですか?
エンジニアとのカジュアル面談で頻出の逆質問
エンジニアとのカジュアル面談では、人事からの質問だけでなく、エンジニアからの逆質問もあります。そのため、エンジニアからの逆質問にも柔軟に対応するために事前にどのような質問がされがちなのか把握しておくべきでしょう。
よく聞かれる質問は大きく3つの項目に分類できます。
- 働き方について
- 職場環境について
- 待遇や評価について
働き方について
1点目は働き方についてです。転職後の職場でどのような働き方をするのか?については、エンジニアにとって大きな関心事だと考えられます。
例えば以下の質問をされることが多いです。
- 出退勤時刻や勤務時間、勤務場所について教えて下さい。
- ワークライフバランスはどれくらいとれるのでしょうか?
- リモートワークは可能ですか?
- 副業は可能なのでしょうか?
職場環境について
2点目は職場環境についてです。職場環境についてもエンジニアにとっての大きな関心事です。開発環境がどのようになっているのかや、組織構造などに関心を持つエンジニアが多いです。
具体的には以下の質問をされることが多いです。
- プロジェクトのアサイン方法を教えてください。
- 部署間での連携はどのくらい行われるのか?
- プロジェクト規模や開発期間を教えてください。
- チーム間のコミュニケーションは頻繁か?
- 貸与PCや使用ツールは何か?
- 開発手法は何か?
待遇や評価について
3点目は、待遇や評価についてです。年収や福利厚生などの待遇を重視するエンジニアは多いです。また、キャリアを重視するエンジニアの方は、評価システムがどのようになっているのかについても関心を持っています。
具体的には、以下の質問をされます。
- 福利厚生や有給取得率について教えてください。
- 御社の評価システムはどのような仕組みなのでしょうか?
- 平均年収や昇給制度について教えて下さい
- 現状の私のスキルだとどのような待遇を得られますか?
エンジニアとのカジュアル面談のポイント6選
エンジニアとのカジュアル面談を成功させるためのポイントをいくつか紹介します。ポイントは主に6つあります。
- 共通の価値観や目標を強調する
- 話す割合に気を付ける
- 魅力を多角的に伝える
- 複数の社員と会わせる
- 次のステップを明確にする
- 面談後の対応を丁寧にする
共通の価値観や目標を強調する
1点目は、共通の価値観や目標を強調することです。カジュアルな面談では、個人の価値観や目標についても話題にしやすいです。また、採用プロセスで企業と候補者の価値観や目標が一致することは重要です。
企業と候補者の価値観がマッチしていればいるほど、候補者からの企業への魅力は高まるからです。そのため、共通の価値観や目標を強調しておくことで、候補者の志望度を高められるといえます。
話す割合に気を付ける
2点目は、話す割合に気を付けることです。面接官と候補者の話す割合をできるだけ6:4に近づける事が大切です。一方的に話しすぎてしまうと、求職者が本当は聞きたかったことの機会を妨げ、有意義な時間とはならないでしょう。
一方で話を聞き出す形をとりすぎてしまうと、企業理解を深められず、求職者の志望度を上げることは難しくなります。求職者の情報を少しでも多く引き出したいと考えてしまうかもしれませんが、カジュアル面談で最も大事なのは「相互理解」です。そのため、話すことと聞くことのバランスを保つことが重要です。
魅力を多角的に伝える
3点目は、魅力を多角的に伝えることです。多角的に伝えることは、他社との差別化を図るために重要です。特にエンジニアの採用市場では、人手不足に伴い競争が激化しています。そのため、いかに競合と差別化して企業の魅力を伝えるか?が問題となっています。
差別化を行う際に、1側面だけの差別化では、自社特有の強みにはなり得ません。そのため、様々な側面から自社の魅力を訴求する必要があるのです。
具体的には、以下5つの要素によって魅力を伝えるべきです。
- 仕事内容
- 事業内容
- 社員
- 文化
- 制度
多角的に魅力を伝えることで、自社にしかない強みの組み合わせを作り上げることができます。
エンジニアにとって働きやすくやりがいが感じられる職場であることを多角的に魅力を伝えることで、自社にしかない強みの組み合わせを作り上げることができます。
複数の社員と会わせる
4点目は、複数の社員と合わせることです。複数の社員と話すことで、自社で働く社員の雰囲気や企業カルチャーを感じ取ってもらうことができます。
社員とは以下のような話をして貰うことで効果的に魅力付けを行えるでしょう。
- 今の仕事のやりがい
- 具体的な業務内容
- 働く社員の雰囲気
また、求職者と年齢層や経歴が近い社員を同席させることは、親近感に繋がりやすく、求職者の悩みや不安の解消に繋がるといえます。
次のステップを明確にする
5点目は、次のステップを明確にすることです。カジュアルな面談の終わりには、次のステップやアクションアイテムを明確にすべきです。
例えば、
- 次回の面接の日程
- 追加の資料提出
- 面接者からのフィードバック
など次の段階に進むための具体的な計画を共有します。
これにより、候補者は次のステップに備えることができ、プロセスがスムーズに進むでしょう。
面談後の対応を丁寧にする
6点目は、面談後の対応を丁寧にすることです。カジュアル面談を終えた後は、候補者に対してメールや電話でフォローを入れます。具体的には以下のようなフォローが挙げられます。
- 面談のお礼
- 次の選考の詳細案内
- その他にも追加で確認したいことはないか
- その場で回答できなかった質問への回答
特に、カジュアル面談を通して魅力的に映った候補者に対しては、自社の印象が薄れないよう定期的にコンタクトをとることが大切です。
面談後に面接の日程を調整できていなかった場合に、企業が面談を望む場合には、3日以内に連絡をいれましょう。候補者からのアプローチを待つことも大切ですが、企業から連絡をいれることで重要な人材になり得ることをアピールしましょう。
カジュアル面談の成功事例3選
カジュアル面談を実施することで具体的にどのような成果が出ているのか?気になる方はいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、カジュアル面談の成功事例を紹介します。
Dreamly Ltd
1点目は、Dreamly Ltdの事例になります。この事例は、カジュアル面談を通じて入社後ミスマッチの軽減に成功したものになります。カジュアル面談を導入する前は、自社のいい点ばかりを伝えていたため、自社の情報が不透明でした。結果として、入社後のギャップが生じ、ミスマッチが起こるという問題が発生しました。
これに対して、Dreamly Ltdはカジュアル面談を導入し対応しました。具体的には、カジュアル面談において、企業の魅力だけでなく、過去の失敗談や整備がされていない部分等企業の弱みを伝えられるようにしました。その結果、入社前後でのギャップが小さくなり、ミスマッチが軽減しました。
参考:https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/casual_interview_hearing/
メトロエンジン株式会社
2点目は、メトロエンジン株式会社の事例になります。これは、カジュアル面談が企業理解を深めることに繋がり、企業の志望度を高めることができた事例になります。
同社では、これまでカジュアル面談を実施していなかったため、求職者の企業理解が浅いという問題がありました。企業理解が浅いことから、自社の魅力が十分に伝わっておらず、採用が上手くいかないという状態でした。
しかし、カジュアル面談を導入することで、自社の魅力をしっかり伝える機会が増加し、求職者の志望度を上げることに成功しています。
参考:https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/casual_interview_hearing/
株式会社スリーシェイク
3点目は、株式会社スリーシェイクの事例になります。これは、カジュアル面談の方針を変更することで採用課題を解決した事例になります。同社では、これまで求職者のスキルを見極める目的でカジュアル面談を実施していました。
しかし、スキルを正確に把握するのは難しくミスマッチが発生しました。そこで、同社では「スキル」ではなく、「パーソナル」な部分を判断するためのカジュアル面談に方針転換を行いました。結果、ミスマッチの軽減に成功しました。
参考:https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/casual_interview_hearing/
カジュアル面談を行う上での課題点
カジュアル面談の実施には特有の課題が存在します。カジュアル面談における代表的な課題を取り上げ、詳しく解説します。
面談のカジュアルさと採用目的のバランス調整
カジュアル面談の最大の特徴である「自由でリラックスした雰囲気」は、場合によっては採用目的とのバランスを崩す要因となります。企業が候補者に対してカジュアルな対応を重視するあまり、採用における重要な情報が見過ごされることがあります。このバランスを誤ると、企業が必要とするスキルや適性を正確に把握できない可能性があります。
また、候補者にとっては「フランクな対話」として受け止められがちであり、その結果、プロフェッショナルな一面が見えにくくなるリスクもあります。
この課題を克服するには、面談の進行中に採用目的を自然に盛り込む方法を検討し、リラックスした雰囲気を維持しながらも必要な情報を収集することが重要です。
カジュアル面談における情報収集の限界
カジュアル面談では、候補者の本音や企業文化との相性など、公式な面接では得られない情報を引き出すことが目的とされます。
しかし、この形式では具体的なスキルや実務経験の評価に関する情報を深く掘り下げることが難しいという課題があります。
特にエンジニア採用では、候補者の技術的な能力や問題解決力が重要な評価要素となりますが、カジュアルな雰囲気の中では、これらを測定する質問を適切に挿入することが難しい場合があります。
情報収集の限界を克服するためには、面談の目的や質問内容を事前に明確化し、採用の目的に合致した情報収集を行う仕組みを設計する必要があります。
候補者へ意図が伝わりづらい
カジュアル面談を行う上で、候補者が面談の意図を正確に理解していないことが、後々の採用プロセスに悪影響を及ぼすことがあります。候補者が面談を単なる「雑談」として認識している場合、十分な準備が行われず、面談の質が低下する原因となります。また、選考プロセスの一環であるにもかかわらず、その事実が候補者に正確に伝わらないことで、期待値のずれが発生することがあります。
この課題に対応するためには、面談前に候補者に対して明確な説明を行い、面談の目的や位置づけ、評価基準について正確に伝えることが求められます。企業側の意図を明確にすることで、候補者の誤解を防ぎ、より効果的な面談が可能になります。
面談の内容を活かしたフォローアップの難しさ
カジュアル面談の成果を次のプロセスに活用する際、非公式な情報がどのように評価基準に組み込まれるべきかが課題となることがあります。面談内容が定性的な情報に偏りやすいため、その情報を他の選考プロセスでどのように位置づけるかが不明確になる場合があります。
この課題を解決するには、面談で得られた情報を整理し、具体的な評価基準や指標に基づいて分析することが必要です。
また、フォローアップの一環として、候補者に面談後のステップや進捗について迅速かつ明確に伝えることが、候補者の満足度向上に繋がります。
まとめ
本記事では、
- カジュアル面談とは何か?があまり理解できていない
- 進め方や話す内容がわかっていない
- 成功の方法がわかっていない
という方に向けて、「カジュアル面談の進め方」「質問すべき内容」「成功のポイント」を解説しました。ぜひ参考にしてください。
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