働き手不足が顕在化してきた現代において、外国人労働者の力は必要不可欠になっています。また、海外進出を考えている企業にとっても成長に大きく寄与するでしょう。
しかし、
- 外国人採用をすべきなのか
- どういうメリットやデメリットがあるのか
- 必要な手続きって?
などの悩みを抱えるご担当者様も多くいらっしゃると思います。
そこで、外国人採用におけるメリット・デメリット、手続き、ポイントについて解説いたしますので、ぜひ参考にしてみてください!
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外国人採用のニーズが高まった背景とは
まずは、外国人採用のニーズが高まった背景を確認していきましょう。
日本の生産年齢人口の減少
参照元:総務省「生産年齢人口の減少」
グラフから読み取れるように日本では、少子高齢化が進行しており生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少しています。
2021年から2050年までには29.2%減少し、5,275万人になると予測されています。この生産年齢人口の減少により労働力不足や国内需要の低下など、様々な社会的・経済的な課題が深刻化する可能性が懸念されています。
そして、2020年4月の法改正により、特定技能を持った外国人技能実習生が認められたことにより外国人労働者の数は増え、今までは法律で外国人が就労する業務に制限がかかっていました。
しかし法改正のおかげで就労できる分野が広がり、外国人を雇用したいという企業は増えてきているのです。
外国人労働者数の増加
出典:)「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】」厚生労働省
上図の通り、2023年の外国人労働者数は 2,048,675人、外国人を雇用する事業所数は318,775所であり、2022年と比較して、225,950人・19,985所増加しています。
出典:)「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】」厚生労働省
対前年増加率を見てみると、医療・福祉以外のすべての業種で雇用が加速していることが分かります。
外国人採用が加速する3つの理由
働き手不足が要因で、外国人採用を積極的に行う企業ももちろんございますが、別の理由でも外国人採用が推進されていることをご存じでしょうか?
- グローバル競争力の向上
- 多様性の促進と創造性の向上
- 専門的なスキルや専門知識の取得
主な理由である上記の3つを詳しく解説します。
グローバル競争力の向上
外国人の採用は、企業にとってグローバル競争力を向上させる大きな一歩となります。
異なる文化や言語を理解し、国際市場への知見を有する従業員を雇用することは、企業の拡大と国際的な展開において非常に重要です。
多様性の促進と創造性の向上
外国人の採用により、組織内で多様な文化的背景や経験を持つ人材が働くことになります。
多様性は創造性やイノベーションを促進し、異なる視点からのアプローチによって問題解決やプロジェクトの発展が助長されます。
専門的なスキルや専門知識の取得
特定の国や地域の外国人採用により、組織はその地域における市場のノウハウを取得できます。これによって、企業は特定の市場での競争優位性を獲得し、地域におけるニーズやトレンドへの対応力を高めることができます。
外国人従業員がもたらす異なるバックグラウンドは、企業の人材プールを豊かにし、ビジネスの成長に寄与します。
また、外国人目線でも考えてみましょう。
海外では、日本の文化や高い技術力が注目され、多くの人々が日本に対して良い印象を抱き、来日を決意しています。加えて日本企業では長期間働くことでキャリアアップが期待できるという認識が広まりつつあり、長期的な就労を希望する外国人も増加しています。
外国人採用の4つのメリット
実際に外国人採用をするのであればきちんとメリット・デメリットを理解しておきたいものです。ここではまずメリットを4つ解説いたします。
- 若くて優秀な人材の採用
- 労働力の確保
- 海外進出の鍵になる
- 企業イメージの向上
若くて優秀な人材の採用
日本に来る外国人は、高校卒業くらいの年で渡航してくることが多く、家族に稼ぎを送金するために働く人が多いです。日本語を学び、日本に渡航までしてくるような外国人はやる気があり、優秀である人材が多くいます。
労働意欲が高く、優秀な外国人労働者は、社内に良い影響を与えます。国籍の違う社員がいるというだけで、職場の雰囲気を変える機会にもなるでしょう。
労働力の確保
少子高齢化の影響もあり、国内の労働者人口は減り続けています。外国人労働者の採用は企業が抱える労働者不足の問題を解決することにつながるでしょう。
海外進出の鍵になる
海外進出の際に、対象の国の出身者が社員にいることで、言語的なサポートだけでなく、マーケティングの力にもなります。現地の文化を知っていることで、どのような広告を打つのが良いのか、どのような商品が売れそうなのかという予測を立てることができます。
企業イメージの向上
国籍や性別にかかわらず多様性のある人材を雇用することで、ダイバーシティを推進させ、企業イメージの向上を目指すことができます。
外国人留学生を採用するには?メリットや注意点、おすすめ採用サービス2選も紹介!
外国人採用の4つのデメリット
メリットについて理解していただけたかと思います。続いてデメリットについても解説します。
- 言語の壁
- 文化の違い
- 採用スキルや工数の必要性
- 法的、ビザの制約
言語の壁
外国人採用に際して、言語の違いがコミュニケーションにおいてハードルとなることがあります。ビジネスで使用される言語が異なる場合、意思疎通が難しくなり、業務やプロジェクトの進行に支障をきたす可能性があります。
また、コミュニケーションの不足が職場環境においてモラルや効率に悪影響を与えることがあります。
文化の違い
異なる文化を持つ従業員を採用することで、異なる価値観や働き方の違いが生じる可能性があります。これにより、意図せず文化的な誤解や衝突が生じることがあります。
異なる文化を持つ人材がチームで協力して仕事を進めるためには、適切な対応や理解が求められます。
採用スキルや工数の必要性
外国人を採用する際は必要書類が増え、採用の工数がかかることが多いです。また、採用担当者は少なくとも英語のスキルが必要になると考えられます。また、どのような媒体で求人募集をすれば、外国人求人者にコネクトできるのか分からないという方も多いと思います。
そのような場合には、採用代行(RPO)を活用することも有効です。
採用代行(RPO)の費用相場は?料金体系や業務内容、メリットも解説
法的、ビザの制約
外国人従業員の雇用には法的な規制やビザの制約が関与します。ビザの取得や更新の手続きが煩雑で時間がかかることがあり、これが業務の円滑な進行を妨げる可能性があります。
また、雇用条件や法令遵守においても、外国人労働者に関する特有のルールや手続きを遵守する必要があります。
これらのデメリットは、適切な採用プロセスやサポート体制の構築、コミュニケーション強化、法的事項の遵守などを通じて最小限に抑えることができます。
克服することで多様性を取り入れ、新たな視点やアイデアを組織に導入することができるでしょう。
外国人を採用する6つのステップ
ここでは、外国人を採用する際に必要な手続きについて詳しく解説します。
上記の各ステップをそれぞれ詳しく解説します。
外国人労働者の募集
まず初めに、外国人を対象とした求人募集を行います。
方法としては、
- 自社サイトや求人サイト、SNSに求人情報を載せる
- 人材紹介会社に紹介してもらう
などが考えられます。
前者の場合は、求人にかかる費用は抑えられる一方、求職者が直接求人に応募するため、応募者のスクリーニングは自社で行う必要があります。
後者の場合は、外国人紹介に特化した人材紹介会社に登録するのが良いでしょう。人材紹介会社は、在留資格についてなど、外国人就労について熟知しているので、自社としては手間が省けます。
また、外国人社員などから紹介してもらうリファラル採用が考えられます。知人が職場にいることで、外国人労働者にとっても安心できるほか、自社としても信頼度の高い人材を確保できます。
在留資格の確認
採用する外国人が国内にいる場合は、在留資格の確認を行う必要があります。外国人が日本に就労などの目的で長期滞在する場合は在留資格が必要になります。
在留資格がない場合は、働けないどころか、本国へ送還されてしまうため、ここはキチンと確認しなければなりません。在留資格はその資格ごとに就労できる業務が異なっており、ジャンル分けは厚生労働省の「我が国で就労する外国人のカテゴリー」で確認する事ができます。
もし、採用予定者の在留資格が業務内容と異なる場合は、在留資格を変更する手続きを行う必要があります。採用予定者と企業が互いに確認しておくべきであり、場合によっては入国管理局に問い合わせをする必要があるかもしれません。
そのあたりの法的手続きに自信がない場合は、ノウハウを持つ人材紹介会社に頼ってみるのも良いでしょう。
選考の実施
応募者の資格に問題がなければ、実際に面接などの選考を行います。
選考時には、日本語能力の高さはもちろん、その人材の得意とする分野と求める人材のマッチ度など、日本人を選考する際と同じように、彼らのスキルを見極めましょう。また、同じ肩書きを持った職でも、国によって仕事内容が大きく異なることもあります。
そうした文化の違いに気づきながら、丁寧にヒアリングを行い、採用後のミスマッチを防ぎましょう。
雇用契約の締結
雇用契約書や労働通知書を従業員に書面で配布することは労働基準法で義務となっており、労働条件についてよく話し合った後に労働契約を結びます。在留資格を申請する際にも、雇用契約書(もしくは労働条件通知書)が必要になります。離職時にも届け出が必要となるため、企業は責任をもって契約を結ぶ必要があります。
また、内定者の母国語でも雇用契約書を作成しましょう。
そうすることで、「知らなかった」「理解できていなかった」といったトラブルを予防することができます。
在留資格の申請、変更
現時点では海外に在住している外国人を雇用する場合には、入国するための在留資格を申請する必要があります。また、国内に在住している外国人であっても、在留資格の変更が必要となる場合があります。
申請する書類が多く、システムが複雑であるため、外国人本人に任せるのではなくフォローをすることが重要です。
入社までの準備、入社
最後に、実際に日本で働く準備をします。
入社までに、様々な手続きや届け出をする必要があります。
具体的には、
- 住居の確保
- 銀行口座の開設
- ライフラインの契約
- 航空券の手配
- 引っ越し準備
- 事前研修
- 自治体への各種届出
などを済ませなければいけません。
海外にいる外国人がこれらを全て一人で行うのはとても難しいので、住居探しなどは企業が支援をしてあげると良いでしょう。
外国人を採用する際の4つのポイント
外国人を採用する際に必要な手続きについてご理解いただけたと思います。ここでは、採用の際に気を付けるべきポイントや注意点について詳しく解説します。
- 十分な待遇の提供
- 求人に求める語学レベルの明記
- 多言語対応
- システムによる手続きの簡略化
これらの4つの点について解説します。
十分な待遇の提供
一定のスキルを持つ外国人には高い給与を提示するのが好ましいです。
優秀な人材はフットワークも軽く、より高い給与を提示する別会社に行ってしまいます。また、企業の間では外国人は日本人よりも安く雇えるというような考え方が定着しており、技能実習生への不適切な待遇は社会問題になっています。
そんな中で外国人労働者に対して、十分な待遇を提示していることは、企業イメージの向上にもつながります。
求人に求める語学レベルの明記
外国人求職者が働く際に、まず気にするのが仕事に必要な日本語能力です。
そこで、求人にはしっかりと仕事にどの程度日本語が必要なのかを記載する必要があります。あまり高い能力を要求すると敬遠されてしまうだろうという思考から、低く見積もって求人に書きたくなるかもしれませんが、早期離職率が高まるため、好ましくないです。
求人には、「接客業務でお客様との会話が発生します」「メール・電話対応が発生します」などと具体的に書くと良いでしょう。また、日本語能力試験のレベルで記載をするのも分かりやすくて良いでしょう。
多言語対応
社内で英語が伝わるということは外国人にとって非常にプラスの条件です。仕事をこなす環境としてグローバル展開を目指すならば、社内の公用語を英語にするとおいうことは非常に有効です。
また、公用語の転換が無理でも、社員全体の語学力を高めるために、語学資格取得者にボーナスを出すような仕組みを作ると良いでしょう。
システムによる手続きの簡略化
必要書類の準備やデータの管理に対して、システム利用によって簡素化することが可能です。特に現場が使いやすい外国人材管理ツールNO.1を過去獲得している「dekisugi」であれば外国人採用に関する課題を解決することができます。
導入している企業や団体の声としても、実際に業務効率が3倍になり10日ほどかかっていたものが3日になったという声もあります。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は外国人採用について、そのメリットと手続きの方法、採用のためのポイントについて解説させていただきました。
労働人口が減少していく中で、若くやる気のある外国人の労働力は非常に魅力的です。
会社に新しい風を吹き込むという点でも、外国人採用を検討してみてはいかがでしょうか。
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⑥エンジニア・データサイエンティスト・デジタルマーケター等、専門職種についてはテクノロジー領域専門のコンサルタントが担当します。