こんにちは。digireka!HR編集部です。近年、少子高齢化や人材不足の影響から、定年後の再雇用による人材不足の解消が注目されています。人材不足に悩んでいる企業にとって定年後再雇用制度の導入は良い結果を促すでしょう。
今回は、定年後再雇用制度導入のメリット・デメリットから概要まで解説します!
定年後再雇用制度とは?
定年後再雇用制度とは、「本人の希望次第で定年退職後に雇用契約を再び結ぶことができる制度」のことをいいます。この制度は「高齢者雇用安定法」によって定められており、別名「継続雇用制度」ともいいます。
この制度の目的は、年金支給年齢の引上げにより、年金支給適用外の高齢者が収入を得られるようにすることです。しかし、定年後再雇用制度には高齢者雇用安定法による条件があります。
高齢者雇用安定法では他にも「定年を60歳未満にしてはいけない」などの規則が設けられており、特に遵守すべき項目として以下が挙げられます。
・65歳までの定年の引上げ
・65歳までの継続雇用制度を導入
かつては労使協定による基準で限定されていたものでしたが、高齢者雇用安定法の改正により、希望者全員を対象とすることが義務付けられました。また、再雇用は自社だけでなく、グループ会社にも対象であるということが認められています。
定年後再雇用制度の主な目的
定年後再雇用制度はなぜ作られたのでしょうか?制度が作られた背景について説明していきます。
・年齢支給年齢引上げによって困窮する可能性のある高齢者への対策
・高齢者の労働意欲の向上
労働人口の確保による人材不足の解消
現在、日本は様々な社会問題に悩まされています。近年において、より一層深刻な問題になりつつある「少子高齢化社会」によって、「人材不足・労働力の減少」が懸念されています。
これらの社会問題の対策として、厚生労働省は「高年齢者等職業安定対策基本方針(平成24年11月9日厚生労働省告示第559号)」から、定年後の健康な高齢者が働き続ける社会=「生涯現役社会」の実現が必要であると述べられています。
年々、若年層の労働者が低下傾向にあるため、これらの方針は労働者不足の現代において重要な営みであると言えます。
年金支給年齢引上げによる影響がある高齢者への対策
年金支給年齢の引上げにより、年金支給適用外の高齢者に対して、収入が得られない高齢者の生活を保護するという目的があります。
定年退職後に収入源がないために、「年金支給までの生活ができない」といったことや、「無収入期間のために貯金しなければ…」といった悩みが解消できます。
高齢者の労働意欲向上
最近では、内閣府の調査から高齢者の労働意欲向上が見受けられます。「本当はもっと働きたいのに退職せざるをえなかった」といった健康な高齢者が定年後も労働に参加することで、労働人口が増加し、人材不足の解消が期待できます。
高齢者雇用安定法の改正について
高齢者雇用安定法は、令和3年4月から改正します。内容は70歳までの就業確保措置を講じることが「努力義務」になったことに伴い、再就職援助措置と多数離職届等の対象が追加された点があります。
対象となる事業主
・定年を65歳以上70歳未満に定めている事業主
・65歳までの継続雇用制度(70歳以上まで引き続き雇用する制度を除く。)を導入している事業主
対象となる措置(いずれかの措置を講じるよう努める必要性があるもの)
・70歳までの定年引き上げ
・定年制の廃止
・70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
※特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものも含む
・70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
・70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業
内容の改正点としては、高齢者を社会貢献と結びつけようとする点が見受けられます。
定年後再雇用制度の導入メリット
定年後雇用制度の導入に主な4つのメリットがあります。
・顧客との関係性の維持による担当変更のリスクを回避
・既存技術や経験による生産性の維持
・新規人材の獲得による採用コストや研修コストの削減
労働力の確保による企業の人材不足解消
日本の様々な社会問題の影響から、労働人口の減少が懸念されています。採用活動が激化し、労働力の確保が難しい時代だからこそ、定年後の再雇用はこれらの労働力不足解消に期待できます。
顧客との関係性の維持による担当変更によって生じるリスクを回避
定年後の再雇用した従業員によって、担当変更をする必要がなく、顧客との良い関係性を維持することができるため、顧客満足度の低下や契約終了など、担当変更によって生じるリスクが回避できます。
既存技術や経験による生産性の維持
社会の中で長年働いた定年後の高齢者の方は、それまでに培った専門的な技術や豊富な経験を持ち合わせています。
再雇用することによって、若手人材に比べ即戦力な業務や考え方など、業務の生産性の維持という面で企業の成長が見込めます。
新規人材の獲得による採用コストや研修コストの削減
新たな人材を採用し、業務について一から研修する必要性がなくなります。採用するまでにかかる費用や新入社員の研修費用削減という面でも、定年後再雇用制度の導入にメリットがあります。
定年後再雇用制度の導入デメリット
定年後再雇用制度の導入におけるデメリットは主に3つあります。
・違う視点からの価値観や考えなどの導入ができない
・人件費がかかる
企業の世代交代ができない
定年後の労働者を再雇用することによって、最初の期間は企業に貢献するのですが、企業の未来を見据えた長期的な視点から考えると、若い世代への世代交代ができないという面がデメリットになります。
違う視点からの価値観や考えなどの導入ができない
企業革新のために新たな価値観や考え方を持つ人を企業に入れることは、企業革新や成長という点で重要です。
長年働いたベテランの方々が新たな視点を企業に提供する場合もあるのですが、企業の環境や風土などは既存の従業員だけでは変わりにくいため、企業の雰囲気とは違った人材を採用することにより、今までとは違った視点からの企業成長につながることがあります。
人件費がかかる
定年後の高齢者の方を再雇用すると、その分だけ人件費がかかります。企業にとって高齢者に対する人件費の負担が大きくなってしまうと、若者に対する研修費や新たな採用に必要な費用に資金を割けなくなってしまう可能性があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は定年後再雇用制度におけるメリット・デメリットから概要まで解説しました。現在の日本の人材不足問題解消に向けて、定年後再雇用制度は企業にとって効果的な営みであると言えます。本記事が少しでもお役に立てていれば幸いです。
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