採用担当者の方には大学院卒を採用するかどうかを検討している方もいるのではないでしょうか?大学院卒の採用には、それぞれメリット・デメリットがあります。
今回は大学院卒採用のメリット・デメリットから大学卒との違いまで解説します!
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大学院卒とは
大学院卒とは、「大学院の課程を修了した人」を指します。大学院には、博士前期課程、博士後期課程、一貫制博士課程、後期3年博士課程、4年制博士課程、修士課程、専門職学位課程などと通称される多数の課程があります。
大学院を卒業するためには修士論文や博士論文などを提出し、各担当教授に認められる必要があります。つまり、大学院卒の人は全員、修士もしくは博士の学位を所有していることになります。
大学院卒と似た言葉の比較
就活の場面において使われる学生を分類するための用語についても説明します。
新卒
就活における新卒の定義は「学校を卒業後3年以内の人」を指します。新卒の元々の意味は「その年に学校を卒業する人」を指していたのですが、就職浪人などの増加が原因で厚生労働省により、上記のような定義へと変わりました。ただし、法的規則ではないため企業によって卒業後の期間は異なります。
第二新卒
第二新卒は一度正社員として就職したのち、3年以内に会社を辞めて就職活動をする人を指します。第二新卒の場合も新卒と同様に企業ごとの年数の定義が異なります。
既卒
既卒とは学校を卒業後、正社員に就職をした経験のない20代の若者を指します。既卒もその定義は企業によって異なりますが、一般的には、学校を卒業後3年以内を指すことが多いです。
大学院卒を採用するメリット
大学院卒を採用するメリットは主に5つあります。
・論理的思考力を持っている
・データ分析能力が高い
・即戦力として期待できる
・自己管理能力が高い
業務改善能力が高い
大学院生は日々の生活の中で、実験や研究を繰り返しています。それらの繰り返しの中で必要になるのがPDCAサイクルです。研究や実験を行う中で何度もPDCAサイクルを回し、そこから得られた研究結果を元に結論を導いています。
社会人にとってPDCAは必要不可欠であり、業務改善をする上で重要となってきます。つまり、PDCAサイクルをうまく回せる人材は問題解決能力が高く、成長スピードも早い傾向にあります。そのため、優秀な人材の確保のために大学院生を採用することは効果的でしょう。
論理的思考力を持っている
論理的思考力とは、原因から結果に至るまでをわかりやすく整理・分解し、順序立てて試行する能力です。大学院生は、実験や研究を通して論理的思考の重要性を理解しています。論理的思考能力を持つ人材は、物事を多面的に見る力や、全体を俯瞰してみる力に長けています。
そのため、業務での問題解決を必要とされる場面に直面した際、優れた解決方法の提案など企業への貢献が期待できます。
データ分析能力が高い
大学院生は普段の生活の中で、研究で統計を用いたデータ分析を行っています。データ分析を行うことで、仮説をたててそれを実数によって検証する能力が養われます。
それらの能力は研究や実験の場面だけでなく、ビジネスの分野でも活用できます。分析能力によって、マーケティングなどの分野では特に活かせる可能性が高いでしょう。
即戦力として期待できる
採用選考をするにあたって、採用担当者はポテンシャルや入社後の成長性を考慮して採用選考をします。そのため、入社後は一から研修しなければならず、コストや時間が必要になります。しかし、採用した人材が大学院生の場合、既にその能力が備わっていることにより、業務に必要な能力の研修・教育の手間を省くことができます。
そのため、大学院生を採用した際、既に必要な能力を持っていることから、入社後の研修・教育に対する手間を省ける場面もあり、その分即戦力としての活躍が期待できるでしょう。
自己管理能力が高い
自己管理能力とは、「自分を律し、管理し、コントロールする能力」という意味です。大学院生の場合、修士課程であれば2年間という限られた期間の中で研究や論文、アルバイトなど同時並行しながら生活する必要があります。
そのため大学院生は、大学生と比べると自己管理をしながら生活する必要があるため自己管理能力に優れている傾向があります。
自己管理能力は「時間管理」「体調管理」「感情管理」など仕事で高いパフォーマンスを行う上で必要とされる能力です。自己管理能力の高い大学院生の採用は企業にとってメリットがあると言えます。
大学院卒を採用するデメリット
大学院卒を採用するデメリットは主に3つあります。
・社会経験が少ない
・大学院生の中には就活失敗が理由の人もいる
ミスマッチが発生する可能性がある
大学院生は卒業時期になると研究活動が忙しくなります。そのため、大学院生は大学生と比べ就活時間が短く、企業の情報収集にうまく時間が割けないことも多いでしょう。
そうなると、情報収集時間が不足してしまい入社前の想像と実際の企業との齟齬による不満が生まれ、採用者が早期離職をしてしまうことも起こり得ます。
大学院生を採用する際、大学院生とは情報収集時間の不足によるミスマッチが発生しやすいということも考慮して交流する機会を増やすなど、採用過程での対策をする必要があります。
社会経験が少ない
大学院卒は大学卒と比べ、実務経験に2〜5年の差ができてしまいます。入社の遅れにより大学院卒の人たちは即戦力として求められている30代にすぐに到達してしまいます。
大学院卒の人材を採用する際には、大学院卒人材の年齢も考慮して達成したい採用目的との齟齬はないか、なども考える必要があります。
大学院生の中には就活失敗が理由の人もいる
大学院生の中には、就職活動に失敗して仕方なく大学院生になるという人も少なからず存在します。そのため大学院生を採用する際は、大学院生だからといって必ず能力があると過信せず、「大学院に入学して何をしたか」「どんな能力を身につけたか」などを選考過程で見極める必要があります。
【関連記事】面接の評価基準の重要性とは?作成方法や具体例とともにご紹介します
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は大学院卒採用のメリット・デメリットから大学卒との比較までご紹介しました。大学院卒生の採用は大学生と違って考慮しなければいけない点も異なります。企業の採用目的と大学院生の採用がマッチするかを確かめることが必要でしょう。本記事が少しでもお役に立てていれば幸いです。
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