デザイナー採用が難しい理由|6つの採用手法や成功するコツを解説

デザイナー採用が難しい理由|6つの採用手法や成功するコツを解説

近年、多くの企業でデザイナーの需要が高まっており、デザイナー採用競争は激しさを増しています。

デザイナー採用に取り組む担当者の方、デザイナー採用を検討している方の中には、
・どのような採用手法が効果的なのかわからない
・どのように応募者のスキルを見極めれば良いのかわからない
・デザイナー採用にはどのようなメリット・デメリットがあるの?
など、様々な疑問や不安を持つ方が多いと思います。

そこで今回は、デザイナーの採用手法や採用成功のポイント、デザイナー採用に特化した媒体などをご紹介します。

監修者情報

監修者用
株式会社uloqo
関川 懸介
アドテクノロジーベンダー、リクルートグループを経て、2016年4月株式会社uloqoを創業。採用企画・採用広報・ダイレクトリクルーティング・組織開発・人事評価制度策定などを通じて、大手からスタートアップまで幅広く累計300社以上を支援。詳しいプロフィールはこちら

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デザイナー採用の現状

デザイナー採用の現状を統計と共に紹介します。

デザイナーの仕事の幅は広がり続けている

最近ではデザイナーに求められる役割が多くなっています。

かつては、デザイナーの仕事といえば紙媒体でのデザインやイラストといったもので、目に見える部分を作るといったものがほとんどでした。

しかし、webサービスやアプリの開発需要が高まっている現在では、UI(ユーザーの視覚に触れる情報)/UX(ユーザーが製品やサービスを通して得られる経験)の設計やブランディングなどにまでデザイナーの役割が広まっています。

デザイナーは希少な人材である

広がり続けている需要に対して、デザイナーの数はまだまだ足りるとは言えません。経済産業省の「デザイン政策ハンドブック」によると、2005年から2015年の10年間でデザイナーの数は3万人増えており、現在は20万人を超えていると見られています。

全業界の就業者が6125万人(経済産業省 労働力調査より)であることを考えると、全体の約0.3%とかなり低い割合です。

出典:)「デザイン政策ハンドブック」経済産業省

    「労働力調査」経済産業省

デザイナーの採用が難しい3つの理由

デザイナーの採用が難しいと言われる理由として、以下の3つが挙げられます。

・採用の競争率が高い
・フリーランスが増えている
・従来の採用方法では通用しなくなっている

採用の競争率が高い

先ほど述べたようにデザイナーの需要はかなり拡大しています。実際、多くの企業がデザイナーの採用割合を増やしています。それに対してデザイナーの数は増えているとは言え、需要に追いついているとは言えません。したがって、この希少な人材を各企業が取り合うということになるため、資金力などで劣る中小企業やスタートアップ企業ではデザイナーを採用することが難しい状況です。

フリーランスが増えている

近年フリーランス人口は増加傾向にありますが、特にライターやデザイナーなどのWeb系職種のフリーランスが増えています。

フリーランスは会社員と比べて収入が不安定といったデメリットがありますが、比較的Webデザイナーはフリーランスでも安定している職種といえます。そのため、働き方の選択肢としてフリーランスを選ぶ方が増えており、デザイナーの採用難易度は高まっているのです。

従来の採用方法では通用しなくなっている

デザイナーの転職市場は、デザイナーの市場価値の上昇に伴い、求人サイトやエージェントを介さずに転職できるデザイナーが増加しています。

また、多くのデザイナーはキャリアアップに関する明確な目標を持ち、転職先の選択肢が固まっているため、従来の求人広告や人材紹介の手法が有効でなくなっています。

デザイナー採用は新卒?中途?

デザイナーを採用する際には、新卒・中途採用どちらが良いのでしょうか。
それぞれのメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。

デザイナー新卒採用のメリット・デメリット

新卒で採用する場合には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

|メリット

新卒でデザイナーを採用する際の主なメリットは主に2つあります。

1つ目は、将来のコア人材への成長可能性が高いことです。

新卒者は企業の経営理念や方針に共感し、高い忠誠心を持って入社する傾向があります。そのため、適切な育成が行われれば、将来的には組織内で重要なコア人材として成長する可能性が高まります。

2つ目は、比較的低コストでの採用が可能であることです。

新卒一括採用は、中途採用に比べて採用コストや給与などのコストが低く抑えられる特長があります。低い給与水準やボーナスにより、効率的かつ経済的にデザイナーを採用できる利点があります。

|デメリット

一方で、新卒採用のデメリットは、デザイナーの仕事に関する知識やスキルが中途入社者よりも低い傾向があるため、育成に要するコストや時間がかかることです。

学生時代にデザイナーとしての実務経験を積んでおり、かつ企業の理念に共感を示す学生を見つけることが重要ですが、それを実現するには十分な時間やリソースが必要です。

デザイナー中途採用のメリット・デメリット

中途で採用をする場合には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

|メリット

中途でデザイナーを採用する際のメリットは、即戦力となる経験豊富な人材を迅速に導入できることです。

これまでのデザイナーとしての実務経験を積んだ個人を採用することで、即戦力として期待される成果を得ることができ、かつ育成にかかるコストや時間を削減することができます。急なデザイナーの需要が生じた際に、中途採用が迅速かつ効果的な手段となります。

|デメリット

デメリットとして挙げられるのは、中途でのデザイナー採用が早期の離職に繋がる可能性があることです。デザイナーの特徴として転職頻度が高い傾向があり、理解や関心が不十分なまま採用されることがあります。

これが原因で仕事内容や会社の雰囲気に不満を抱き、早期に離職してしまうことがあります。

デザイナーの中途採用では、コミュニケーションが円滑であり、会社に対する理解が深い人材を見つけることが重要です。

即戦力として迅速に業務に貢献する人材を求めるのか、将来的な中核メンバーとして長期的な関係を築くことを重視するのか、その目的に応じてデザイナーの採用を検討することが重要です。

効果的なデザイナーの採用手法6選

効果的なデザイナーの採用手法にはどのようなものがあるのでしょうか?

代表的なものは以下の6つです。

・デザイナー採用に特化した求人媒体
・ダイレクトリクルーティング
・人材紹介
・リファラル採用
・逆求人イベント
・採用代行

これらについて詳しくご紹介します。

デザイナー採用に特化した求人媒体

デザイナーを採用するうえでは、デザイナー採用に特化した求人媒体の活用を強くおすすめします。一般的な求人媒体に求人を掲載するよりもデザイナーの目に留まりやすく、スキルレベルの高いデザイナーが集まりやすいといったメリットがあります。

デザイナー採用に特化した求人媒体については、後ほど詳しくご紹介します。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは自社に適した人材を企業が直接スカウトしてアプローチする方法です。

メリットとしては
・必要な人材へのみのアプローチで、コスト削減できる
・人材紹介会社経由では出会えない人材と出会える
・特にデザイナーなどの希少職種へのアプローチには有効
などが挙げられます。

一方でデメリットとしては情報発信やスカウトに社内でのリソースを割く必要があり、採用までに時間がかかること、大量採用には向いていないことなどが考えられます。

■ダイレクトリクルーティングについて、こちらの記事で解説しています。
ダイレクトリクルーティングのメリットとは?デメリットも併せて解説

人材紹介

人材紹介は人材紹介会社にデザイナーを紹介してもらい、契約成立後に報酬を払う採用手法です。他の手法と比べると要望に沿った人材を探す手間はかかりませんが、コストが高くなりがちな方法です。

リファラル採用

リファラル採用とは、自社の社員に人材を紹介してもらう採用手法です。自社をよく理解している社員からの紹介なので、採用のミスマッチが起こりにくく、会社への定着率も高まります。

特にデザイナーはスキルアップを目指して転職をする人が多く、業界内に知り合いが増えて横のつながりが強くなる傾向があるため、リファラル採用が効果的です。

リファラル採用を行ううえでは、協力してくれる社員に採用したい人物像を明確に伝えることが大切です。企業の認識と社員の認識にズレがあると、採用のミスマッチにつながりかねないため注意が必要です。

逆求人イベント

近年、デザイナー志望の美術大学や専門大学の学生がブースを構え、企業に対して自身の作品をプレゼンする「逆求人イベント」が注目を集めています。

ポートフォリオを持った学生と直接面談ができ、自分の魅力や能力を企業にアピールしたいと考える意欲的な学生に対してアプローチが可能です。

採用代行

採用代行とは、採用に関する業務を外部の企業が代行して行うサービスのことで、「RPO(Recruitment Process Outsourcing)」とも呼ばれます。

採用手法が多様化する中、採用活動を効果的に行うには多くの人手・スキル・労力が必要になるため、採用代行を利用することで採用業務の質を格段に上げることができます。

採用業務を全体的にも、部分的にも支援してもらえるので、自社のニーズに合わせて効率的な利用が可能です。

■採用代行について詳しくは、こちらの記事で解説しています。
【最新】採用代行(RPO)会社比較16選|費用相場やメリットまで解説

デザイナー採用を成功させる4つのコツ

デザイナー採用を成功させるには、4つのコツがあります。

・採用計画を作成する
・人材要件を綿密に練る
・自社の魅力を伝える
・副業やフリーランスの人材を採用する

それぞれについて詳しく解説します。

採用計画を作成する

デザイナー採用にあたって、採用計画を作りましょう。

採用計画を立てる際には、

1.採用戦略を練る
2.採用人材の要件を明らかにする
3.採用人数を定める
4.採用者の雇用形態を定める
5.採用方法を定める
6.採用スケジュールを定める
7.採用計画を可視化する

という7つのステップを踏む必要があります。
特に、デザイナー採用においては、デザイナーの保有スキルによっても報酬などが変わります。

少数精鋭の体制を作るのか、自社でデザイナーを育成する方針で、ポテンシャルのあるデザイナーを多く採用するのかといった細かいことまで決めていく必要があるでしょう。

こうして採用計画を社内で共有することで、面接官・人事担当者・管理職などの間での意識のずれをなくすことができます。

■採用計画については、以下の記事で詳しく解説しています。
採用計画の立て方7ステップ | コツやテンプレート活用で業務効率化しよう

人材要件を綿密に練る

上の採用計画のうちの項目、「人材要件」を明確にすることは、デザイナー採用を成功させる上でとても大事なポイントです。

事業段階に応じてどのような人材が必要なのかを決めていきます。ペルソナを作成し、参考にすることで効率よく進められます。人材要件の項目としては以下のものが挙げられます。

人材用件の項目・役職
・年収
・年齢
・業務内容
・必須スキル
・人物像

自社の魅力を伝える

デザイナーの中には会社の規模や福利厚生などの待遇だけでなく、働きがいや会社のビジョンへの共感などといった要因で決めるということもあります。こういった価値観を持つデザイナーには自社の魅力を伝えることが効果的です。伝える項目としては以下のものが挙げられます。

伝えるべき魅力・企業の理念やビジョン
・経営層の考え方
・デザインチームの雰囲気や人柄
・デザインチームと経営層の関係
・これまでの事業の流れ
・給料などをはじめとしたキャリア体制
・自社社員のキャリア経歴

副業やフリーランスの人材を採用する

現代では働き方も多様化していき、正社員という形だけでなく、業務委託や副業採用などといったフリーランスに依頼するといった形もあります。

フリーランスを採用するメリットとしてはターゲット層の拡大、他社で培ったノウハウの享受による事業成長などが挙げられます。

デザイナーのスキルを正しく見極めるには?

優秀な人材を採用するためには、デザイナーのスキルを正しく見極める必要があります。
そのためには、以下の4つの施策が考えられます。

・ポートフォリオの提出をお願いする
・社内のデザイナーに協力してもらう
・採用前に一度仕事を依頼する
・インターンシップの導入

それぞれについて詳しく解説します。

ポートフォリオの提出をお願いする

ポートフォリオとはデザイナーが今まで携わった仕事や作品、技術などをまとめており、デザイナーの経歴を1番顕著に示すものです。ポートフォリオを参考にデザイナーが経験した困難やそれに対する解決策などの聞きたいことを見つける参考にしても効果的です。

社内のデザイナーに協力してもらう

社内にデザイナーがいるのであれば、そのデザイナーも採用活動に加わってもらえるようお願いするのも効果的です。同じデザイナーであれば、人事担当にはない観点で見てくれたり、デザイナー採用を円滑にしてくれる効果も期待できるからです。

採用前に一度仕事を依頼する

フリーランスに業務委託する場合は実務を通してスキルや人柄を見極めることができます。委託する業務は採用計画で作成される採用要項に沿って必要なスキルを持っているか判断できるものが効果的です。

■デザイナーの評価方法についてはこちらで詳しくご紹介しています。
デザイナーの評価方法とは?評価項目やポイントを解説!

インターンシップの導入

デザイン業務はスキル以外にも課題に対しての取り組み方や他者との連携などを必要とした業務もあり、ポートフォリオだけではそれらの業務に対してのスキルを判断することが難しいです。実際にインターンに参加してもらうことで対人スキルを見極めることができます。

自社だけではうまくいかない時に!デザイナー採用特化の求人媒体6選

ViViViT(ビビビット)

「ViViViT(ビビビット)」は、デザイナー特化型のダイレクトリクルーティングサービスです。デザイナー採用では国内最大級の実績を有しており、これまでの導入実績は2700社以上、デザイナーのマッチング数は10万組を超えています。

全国のデザイナーが投稿した60万点以上の作品から、自社に最適なスキルを持った人材を探し、スカウトすることが可能です。

MOREWORKS

「MOREWORKS」は、デジタル・クリエイティブ業界特化型の求人サイトです。デザイナー、エンジニア、ディレクター、プロデューサーの4つの職種から人材を募集することが可能です。

正社員はもちろん、派遣やアルバイトなどの求人も取り扱っており、幅広い人材に募集をかけられる点が大きな特徴です。

デザインのお仕事

「デザインのお仕事」は、デザインに関わる求人を包括的に扱っている求人サイトです。グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、建築、アート、WEB、エンターテインメントなど、デザインやクリエイティブに関わるさまざまな業界・業種の求職者と、企業をつなぐ場を提供しています。

長年にわたって運営を続けてきたことによる認知度の高さや、姉妹サイト「JDN」「登竜門」との連携によって、デザイナーやクリエイティブ感度の高い人材が集まります。

クリ博ナビ

「クリ博ナビ」は、マスコミ業界や各種コンテンツ業界に特化した求人サイトです。特にマスコミ系、芸術系、理系の人材には認知度が高く、一般的な採用支援サイトでは接点のもてない人材の、出会いの場を提供しています。

また、美大、芸大等、各種学校との太いパイプを持ち、独自のクリエイターネットワークがあることも他にない強みです。

クリエイターズNAVi

「クリエイターズNAVi」は、デザイナーやクリエイターに特化した求人サイトです。正社員だけではなく契約社員や派遣社員、アルバイトなど幅広い人材に募集を賭けることが可能です。

基本的に求人掲載が無料なうえに、告知力が高く採用ターゲットに求人情報を届けることが可能です。

JOB by美術手帖

「JOB by美術手帖」は、アート業界やでデザイン業界の幅広い求人が掲載されている求人サイトです。WEB、広告、書籍といった、あらゆるメディア媒体におけるクリエイティブ職の求人情報が掲載されています。
グラフィックデザイナー、Webデザイナー、CGデザイナーなど、デザイナーの中でもさらに細かく絞り込んで募集をかけることができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、デザイナーの採用手法や採用成功のポイント、デザイナー採用に特化した媒体などをご紹介しました。

本記事でご紹介した採用の成功ポイントや求人媒体を、貴社のデザイナー採用にお役立ていただければ幸いです。

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