給与計算代行(アウトソーシング)サービス7選|メリット・デメリット、業務内容まで

給与計算代行(アウトソーシング)サービス7選|メリット・デメリット、業務内容まで

給与計算に関する業務は毎月行わなければなりません。しかもミスは許されない。
そのことが原因で肉体的・精神的負担を感じていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。

「誰かに代わりにやってもらいたい」
「自分のコア業務に集中したい」

そう考えるのも自然だと思います。そこで、代行(アウトソーシング)を活用することで企業内の負担を軽減させる手法が近年になってとられるようになってきました。
本記事では給与計算の代行(アウトソーシング)に的を絞って、メリット・デメリットや導入を検討する目安、おすすめのサービスについて解説していきます。

給与計算代行(アウトソーシング)とは

給与計算代行(アウトソーシング)とは、給与計算に関する業務を外部委託できるサービスのことです。
給与計算代行(アウトソーシング)で依頼可能な業務は、以下のものが代表的です。

・給与計算代行
・年末調整代行
・住民税更新代行

それぞれについて「給与計算代行(アウトソーシング)で依頼できる業務」で詳しく紹介しています。

※ アウトソーシング:外部(アウト)から業務に必要なものを調達(ソーシング)すること。日本語では「外部委託」と訳される。

給与計算代行(アウトソーシング)で依頼できる業務

給与計算代行(アウトソーシング)といっても、単純な給与計算しか代行できないわけではありません。主に以下の業務が依頼可能です。

給与計算代行

給与計算代行とは、従業員の給与計算を外部委託することです。
給与計算に欠かせない勤務時間の集計から人事異動、法改正の影響などを踏まえて給与計算を代行します。毎月変動する残業代や社会保険料、各種の税金計算も給与計算に含まれます。

年末調整代行

給与計算のなかで、特に煩雑で手間がかかる年末調整。そんな年末調整を外部委託するサービスが年末調整代行です。

年末調整の時期(年末〜年初)だけ委託する、ということも可能な場合があります。

住民税更新代行

給与額が変動している可能性があるため、住民税の更新を5月〜6月に行う必要があります。この更新作業を代行するサービスが住民税更新代行です。

年末調整と同様、対応すべき時期である5月〜6月のみ委託する、ということも可能な場合があります

※ 住民税:前年の所得に対して毎年6月から課税される地方税。企業は従業員の住民税を給与から天引きして支払う。

給与計算代行(アウトソーシング)を依頼できる主な依頼先

給与計算代行(アウトソーシング)を依頼する際、選択肢は主に3つ存在します。
それは以下の3つです。

・代行会社
・社労士
・税理士

ここからは、それぞれの特徴を比較しながら紹介します。

代行会社

代行会社にはそれぞれ特徴があり、自社の求めるニーズに合わせて選ぶことが可能です。社労士・税理士の独占業務も対応可能な代行会社や、従業員数が2名の企業から対応する代行会社も存在するため一度検討する価値はあるでしょう。
また企業の従業員規模が千人を超えるようであれば、給料計算の代行会社に依頼することをおすすめします。それは社労士・税理士であっても、規模が大きすぎると対応が不可能になるからです。さらに、従業員規模が大きくても迅速な対応を期待できる点が代行会社の魅力の1つになります。

社労士

給料計算の依頼先として社労士を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。社労士になるには試験に合格する必要があり、まさに労働・社会保険に関する専門家であるといえるでしょう。
そんな社労士ですが、従業員規模が数十人〜数百人程度の企業にマッチしています。給料計算は従業員の規模が大きくなればなるほど複雑で難しいものになるものです。また、社会保険関係の手続きは社労士の独占業務とされています。給料計算と合わせて社会保険関係の手続きも依頼できるのは魅力的です。

税理士

社労士と同時に給料計算の依頼を検討されることの多い税理士。
そんな税理士がマッチする企業は数人程度の従業員規模の企業です。すでに顧問税理士と契約している場合、その税理士に給料計算を依頼した方が総合的にコストを抑えて依頼することができる場合が多いです。また内情も把握しているため、時間をかけることなく依頼することが可能でしょう。しかし、従業員規模が大きくなりすぎるとコストがかかりすぎてしまう可能性もあります。
コストを抑えられるだけでなく、税理士の大きな特徴として年末調整の代行や節税対策の依頼も可能な点が挙げられます。

給与計算代行(アウトソーシング)のメリット

給与計算代行(アウトソーシング)を利用することで、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。メリットには以下のようなものが挙げられます。

コスト削減

給与計算を代行(アウトソーシング)することでコスト削減に繋がります。削減できるコストは主に次のものになります。

・給与計算を担当する従業員の残業代
・担当者を教育するための費用

外部の専門家に相談することで費用が発生していたのであれば、その相談費用も削減することが可能です。

コア業務への注力

ベンチャー企業や中小企業では、経営者自らが給与計算を担っているというのも珍しくありません。担当しているのが社員であっても、給与計算を代行(アウトソーシング)することでコア業務への注力が可能になります。

※ コア業務:企業活動の根幹を成す業務のこと。

法令改正への対応

給与計算において考慮しなければならない法令は数多く存在します。
例として、税制や社会保障関連のものが挙げられます。これらの法令は毎年のように改正されるため、最新の情報を理解し続けるというのは専門家でない人間には容易ではありません。
さらに加えて、給与計算の担当者には以下のことが求められます。

給与計算の担当者に求められるもの・最新の情報を追い続ける
・情報が更新されるたび、正しく理解する
・社内に反映する

代行(アウトソーシング)することで、上記を外部委託することができます。

属人化の防止

給与計算の業務が属人化していると以下のような問題が発生する可能性があります。

・担当者以外が業務を手伝えず、1人の負担が増加する
・チェック体制を敷くことができず、ミスの原因になる
・担当者以外が対応できないことにより、業務が滞る可能性がある

代行(アウトソーシング)することで上記の属人化による問題を回避することができます。また、属人化そのものを防止することも可能です。

給与計算代行(アウトソーシング)のデメリット

給与計算代行(アウトソーシング)を利用するメリットだけでなく、デメリットも存在します。デメリットには以下のものが挙げられます。

自社ノウハウが蓄積されない

代行(アウトソーシング)することにより、以下のような影響が考えられます。

・今まで蓄積していたノウハウが継承されない
・代行(アウトソーシング)を導入した後、ノウハウの蓄積がされない

社内でノウハウが完全に失われてしまうと、給与計算の業務をもう一度自社で行うためにはかなりのコストがかかることが予想されます。

情報漏えいの危険性

あくまで可能性ではありますが、外部に情報を渡しているため情報が漏れてしまう危険はあります。委託先で情報が安全に扱われているか確認しておきたいところです。

給与計算代行(アウトソーシング)の導入を検討する目安

ここまで給与計算代行(アウトソーシング)のメリット・デメリットを紹介してきました。では、どのような状況であれば導入を検討すべきなのでしょうか。以下で大まかな目安を紹介します。

担当者がコア業務に注力できていない

メリットの項でも触れましたが、コア業務とは「企業活動の根幹を成す業務のこと」です。
担当者がコア業務に注力できていない状況であれば、代行(アウトソーシング)を導入することで改善が見込まれます。したがって「担当者がコア業務に注力できていない」というのは導入を検討する1つの目安になります。

専門知識をもった人間がいない

専門知識をもった人間がいないことも導入を検討する目安になります。
専門知識がない状態で給与計算の業務を行っていると以下のような問題に発展する場合もあるからです。

・残業代計算のミス、それにともなう給与未払い
・法令の改正を反映していない

上記の問題は裁判に発展する可能性もあり、専門知識がない状態で給与計算を行うことは危険であるといえます。

従業員数が多い

従業員数が多い、というのも検討する目安になります。給与は全従業員に支払われるため、多ければ多いほど給与計算の負担も大きくなるからです。
代行(アウトソーシング)することでかなり負担を軽減させることが可能となります。

給与計算代行(アウトソーシング)の選び方のポイント

給与計算代行(アウトソーシング)を導入しようと思っても、サービスを提供する企業は多く、どんな点を比較すればいいのかわかりにくいですよね。
ここでは比較する際に注意して見るべきポイントを紹介します。

専門性

給与計算で重視されるのは「正確さ」といっても過言ではありません。そのため、委託する企業の専門性はかなり重要となります。

対応の迅速さ・柔軟さ

給与の振り込み日という〆切がある中で、対応の迅速さや柔軟さは非常に重要になります。
問い合わせへの回答が遅かったことで問題が発生した、という事態は避けたいところです。

情報管理の安全性

従業員の個人情報や給与情報を外部に渡している、ということを忘れてはいけません。それらの情報を守るためにも情報管理の安全性は重視すべきです。

サービス内容

自社が求めるニーズにどこまで対応してくれるのかという点も重要です。
サービスの内容を吟味し、本当に自社の要望に答えてくれるのかという選別を行うことが必要になります。
そのために自社のニーズを理解し、その上で比較を始めましょう。

料金

上記を全て踏まえた上で、料金比較を行うことが重要です。基本料金だけで比較せず、自社が求めるサービス内容を加味して料金比較を行いましょう。
その料金が予算内であるか、費用対効果は認められるか、などさまざまな視点から検討を重ねることが必要になります。検討するサービスを提供する企業に問い合わせてみるのも有効でしょう。

給与計算代行(アウトソーシング)の料金相場

給与計算代行(アウトソーシング)の導入を検討するにあたって、やはり気になるのは料金相場。料金相場がわからなければ「サービスを導入するかどうか」という検討そのものが難しいものです。
そこで、ここでは代行サービスの料金を独自に調査し比較することで、料金相場を割り出していきます。あくまで参考程度のものとしてお考えください。

料金体系は「要相談」が多い

多くの代行サービスが料金を「要相談」としています。
従業員規模や扱う業務によって料金が変わるため、相談の機会を設け見積もりを出す企業が多いようです。そのため料金相場があいまいなものとなっています。

料金相場は1000円/1人 前後

web上で料金を公開している代行サービスを参考にしたところ、1000円/1人 前後が料金相場のようです。この料金に加え、基本料金や代行サービスの導入時にかかる初期費用、オプション料が加算されていく傾向があるようです。年末調整などの単純な給与計算以外の業務はオプション料がかかることが一般的となっています。

給与計算代行(アウトソーシング)サービス7選

ここからは、おすすめの給与計算代行(アウトソーシング)サービスを特徴と共に紹介します。

株式会社uloqo

uloqo

株式会社uloqoは、人事評価制度設計や労務コンサルなど人事領域の支援を強みとする企業です。以下が株式会社uloqoのサービスの特徴です。

特徴・採用から労務、評価まで一気通貫のノウハウを有するコンサルタントによる労務代行で、ビジネス視点を持った提案が可能です。
・従業員対応(ex入退社時の面談対応など)も含めて代行が可能です。自社で労務専任担当者を採用するより低いコストで、あらゆる労務業務を担当可能です。
・業務の全てをマニュアル化。インハウス運用時にもスムーズな移行が可能です。
・ディレクターとオペレーターの二名体制による支援で、上流〜下流それぞれにおける対応力を有しています。
・チャットおよび電話を通したクイックレスポンス対応が可能です。
解約実績なし。手厚いフォローアップで満足度の高いサービスです。

ジョブカンBPO / 株式会社DONUTS

ジョブカンBPO

ジョブカンBPOは、株式会社DONUTSが提供する給与計算代行(アウトソーシング)サービスです。ジョブカンBPOという名前からも分かるように、給与計算や勤怠管理にも使われているジョブカンと同じシリーズになります。
以下がジョブカンBPOの特徴です。

特徴・すでにジョブカンを導入している場合、親和性が非常に高い
・ジョブカンシリーズで培った運用に対する知見がある

クラウド型アウトソーシング / Ceridian Dayforce Japan株式会社

セリディアン

Ceridian Dayforce Japan株式会社は、クラウド型の給与計算代行(アウトソーシング)サービスを提供しています。自社のクラウドシステムである「Workcloud」は、ワンシステムで全てが完結するように開発されています。
以下がこのサービスの特徴です。

特徴・自社クラウドシステム「Workcloud」を利用企業に提供
日本語・英語のバイリンガル対応が可能
・対象は従業員が200名以上の企業

給与計算代行サービス / 株式会社BOD

BOD

株式会社BODが提供する給与計算代行サービスは、人事労務システムの取り扱い数が業界最多であるという点が大きな特徴です。給与システム導入後も他システムとの連携までフォローしてもらえます。
以下がこのサービスの特徴です。

特徴人事労務システムの取り扱い数が業界最多
・自社に一番合った給与計算システムの提案をしてもらえる
・サービスの対応に制限人数はなく、数十名~数千名まで対応

フジ子さん / フジア株式会社

フジ子さん

フジ子さんは、フジア株式会社が提供するオンラインアシスタントサービスです。「必要なときに必要なだけ」メールや電話で仕事を依頼できます。給与計算からwebサイト運用まで多くの業務を依頼可能です。
以下がフジ子さんの特徴です。

特徴・実務経験のあるオンラインアシスタントが所属
・給与計算だけでなく秘書やwebサイト運用を依頼することも可能
・給与計算については、マニュアルもしくは作業レクチャーによる指示の範囲で対応

COMIT HR / 株式会社InfoDeliver

COMIT HR

COMIT HRは、株式会社InfoDeliverが提供する人事・給与アウトソーシングサービスです。人事SaaSシステムとBPOを組み合わせることで「使いたいところだけ使う」というオーダーメイドが可能となっています。
以下がCOMIT HRの特徴です。

特徴・希望に合わせて委託内容をオーダーメイドできる
20年以上の人事BPO経験あり
・自社提供の人事・給与システムを通常より割安で提供

PAYROLL / 株式会社ぺイロール

ペイロール

PAYROLLは、株式会社ぺイロールが提供する給与計算業務のアウトソーシングサービスです。258社100万人の受託実績をもち、あらゆる企業に対応できるノウハウを備えています。コールセンターを備えることで従業員への対応を直接行っている点に独自性が見受けられます。
以下がPAYROLLの特徴です。

特徴258社100万人の受託実績
・コールセンターを備え、従業員からの問い合わせに対応
・対象は従業員が501名以上の企業

まとめ

給与計算に関する業務は担当者にとってはかなりの負担になるもの。外部委託することでその負担が軽減され、コストも削減されれば願ったり叶ったりですよね。
本記事を参考にすることで、給与計算代行(アウトソーシング)の導入を検討されている方のお役にたてれば幸いです。

この記事を書いた人

関川 懸介

株式会社uloqo代表取締役

1990年6月29日生まれ。京都府出身。
新卒でアドテクノロジーベンダーに就職。
その後、リクルートグループの人材斡旋部門において、キャリアアドバイザーとして従事。全社MVP計6回受賞、準MVP計2回受賞。2016年4月に、創業者の当時代表取締役と共に株式会社uloqoを設立。
人材紹介事業、メディア運営、HRsolution事業、uloqoに関わる全事業において、1人で立ち上げから収益化まで担う。

株式会社uloqo労務代行サービスの6つの魅力

✓採用から労務、評価まで一気通貫のノウハウを有するコンサルタントによる労務代行で、ビジネス視点を持った提案が可能です。
✓従業員対応(ex入退社時の面談対応など)も含めて代行が可能です。自社で労務専任担当者を採用するより低いコストで、あらゆる労務業務を担当可能です。
✓業務の全てをマニュアル化。インハウス運用時にもスムーズな移行が可能です。
✓ディレクターとオペレーターの二名体制による支援で、上流~下流それぞれにおける対応力を有しています。
✓チャットおよび電話を通したクイックレスポンス対応が可能です。
✓:解約実績なし。手厚いフォローアップで満足度の高いサービスです。

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