👉この記事のポイント
- ソーシャルリクルーティングの概要
SNSを活用して候補者とつながり、信頼関係を先に築いたうえで選考へ進む採用手法で、情報発信の効率化にもつながります。
- 導入メリット
双方向の対話、効率的な情報発信、コスト削減、広い層へのリーチが可能となり、応募の質と量の向上に寄与します。
- 導入デメリット
継続運用の労力がかかり、急募・大規模採用には不向きで、情報漏洩や炎上のリスクがあるためルール整備と管理が必要です。
ソーシャルリクルーティングとは?
近年、企業の採用活動は求人媒体への掲載だけに留まらず、SNS上で求職者と接点を持つ手法へと広がっています。その代表的な取り組みが「ソーシャルリクルーティング」です。
ここでは、ソーシャルリクルーティングの概要や、従来の採用手法との違いについてわかりやすく解説します。
ソーシャルリクルーティングとは
「ソーシャルリクルーティング」とは、FacebookやTwitterなどのSNSを利用した新しい採用手法です。
従来の人材採用では、求職者が応募をし企業が採用選考をする順序が一般的でした。一方でソーシャルリクルーティングでは、SNSを通して人と人を繋げ最初に信頼関係を構築してから、採用選考に進むという特徴があります。
ソーシャルリクルーティングを活用することによって、自社の情報をより多くの人に共有するという、効率的な採用活動が可能です。
ソーシャルリクルーティングとダイレクトリクルーティングの違い
ソーシャルリクルーティングとダイレクトリクルーティングは、企業側が候補者に直接アプローチをかけるという点で同じことを意味しますが、両者では使用するツールが異なります。
ソーシャルリクルーティングは、SNSを用いて自社の魅力を発信したり、候補者に直接アプローチをかけたりすることを意味するのに対し、ダイレクトリクルーティングでは手段は問わず、候補者に直接アプローチするという行為自体のことを指します。
つまり、ダイレクトリクルーティングの中でも、SNSを用いて採用活動を実施することをソーシャルリクルーティングと呼びます。
ダイレクトリクルーティングとは?最新サービス比較や費用相場も紹介!
ソーシャルリクルーティングの信頼性は?
一般にSNS上の情報は信頼性や正確性に欠けることも多く、企業担当者の方の中には「ソーシャルリクルーティングって信頼できる?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

引用元:マイナビ 中途採用実態調査(2023年)
ですが、「株式会社マイナビが実施した中途採用実態調査(2023)」によると、近年、即戦力の補充などを目的に中途採用を行う企業が増えています。
上のグラフによると、その中でもソーシャルリクルーティングを含めたダイレクトリクルーティングを行う企業が増加しています。
ダイレクトリクルーティングとは企業が求職者に直接アプローチする採用手法全般を指し、自社にあった人材をピンポイントに採用できることから注目が集まっています。
ダイレクトリクルーティングを行うことで、コストを削減できる・求める人材に対して、的確なアプローチが可能・潜在層へのアプローチが可能・採用後のミスマッチを防止できるなど、さまざまなメリットが得られます。
使われるSNSの種類・特徴
気軽に始めやすいソーシャルリクルーティングですが、うまく活用できなければ意味がありません。
ターゲット層を正確に定義すること、各SNSの特徴を理解しその上で自社にあったSNSを選定することでソーシャルリクルーティングの効果を高めることができます。
ここでは、メジャーなSNSとその特徴、利用方法をご紹介します。
| サービス | 国内月間利用者数 | 利用者層 |
|---|---|---|
| LINE | 9,600万人 | 全年代 |
| 2,600万人 | 30~40代 | |
| X(旧Twitter) | 6,700万人 | 10~30代 |
| YouTube | 7,100万人 | 全年代 |
| 3,300万人 | 10~30代 | |
| TikTok | 2,800万人 | 10~20代 |
| 300万人(9億5,000万人以上) | 20~40代 | |
| Wantedly | 400万人 | 20~30代 |
それぞれについて詳しく説明します。
LINE
LINEは男女ともに幅広い世代で利用されているコミュニケーションツールです。どちらかというとクローズドで、個人間の会話が公開されることはありません。
LINEを用いて採用活動を行う際には、公式アカウントを作成し、候補者にダイレクトに情報を発信するのがおすすめです。公式アカウントでは自動返信も行えますが、手動で個人に連絡することもできます。LINEは特性上、登録に至るまでは壁となりますが、登録してもらった後は定期的にメッセージを送信することで、求職者との距離を縮めてアプローチしやすいです。
Facebookは男女ともに30代~40代に利用者が多く、他のSNSに比べて年齢層が高いのが特徴です。基本的に実名制で、面識がある人同士の利用がメインになります。
Facebookでは写真投稿を多く行えるため、写真や画像を用いた情報発信が効果的です。
シェア機能により、候補者がどのような投稿に興味をもったかを知ることができる他、拡散してもらえることもあります。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は男女とも10代~30代に利用者が多いのが特徴です。オープンなツールで情報拡散能力が高く、投稿が時系列で表示されるため投稿量が重要になります。
Xでは、さまざまな大手企業の公式アカウントが社内での日常を発信するなど、親しみやすい投稿をしています。
短い文章で投稿できるからこそ、こまめな情報発信や企業のイメージ作りが行えるでしょう。
ダイレクトメッセージにて、候補者と直接やりとりをすることもできます。
YouTube
YouTubeは男女とも比較的幅広い世代で利用されているツールです。動画を投稿することがメインで、コミュニケーションを取ることもできますが、動画投稿がメインのプラットフォームです。
Youtubeにはダイレクトメッセージの機能はありませんが、動画による情報発信を通じてリーチを広げることができます。コメント欄にて、視聴者の反応を見れるところも特徴です。
Instagramは特に女性で10代~30代に利用者が多いのが特徴です。画像の投稿が多く、比較的オープンですが個人間のやり取りも可能です。
Instagramでは、投稿の系統を揃えることでアカウント固有の雰囲気を出すことができます。投稿だけでなく、ストーリーやインスタライブ、リール動画を通して多角的なアプローチも可能です。
TikTok
TikTokのユーザー層は非常に若く、10代~20代に利用者が多いです。ショートムービーを共有して楽しむSNSで、TikTokに使用するショート動画コンテンツは、YouTubeショートやInstagram Reels(リール)にも転用が可能です。
TikTokは企業の雰囲気がより伝わりやすく、拡散性も非常に高いです。求職者とのコミュニケーションには向いていませんが、自社の魅力を発信することを得意としています。
LinkedInは、世界中のビジネスに関心のある人が、各業界・専門家とつながるために利用しているSNSです。世界規模で使われており、利用者数が桁違いです。日本での知名度はまだ低いと言えますが、海外の人材とのコンタクトを取りやすいです。
またLinkedInにて広告を出し、意欲的な候補者にアプローチをする企業も増えています。
Wantedly
WantedlyはビジネスSNSの一つで、ユーザーには20代から30代のミレニアム世代が多く、若手の優秀な人材へのアプローチが行えます。エンジニア市場から始まったものであるため、ユーザーにもエンジニアの方が多いです。
Wantedlyのスカウト機能には、スカウトを受け取りたいとしている候補者しか表示されないため、より効率の良いダイレクトリクルーティングが可能です。
ソーシャルリクルーティング4つのメリットとは?

ソーシャルリクルーティングのメリットは大きく分けて、以上の4つが挙げられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
候補者と双方向のコミュニケーションが取れる
SNSを利用して採用を行う中で、チャット機能やコメント機能を用い、候補者と企業の双方向のコミュニケーションが可能になります。
従来の採用過程よりも近い距離間でコミュニケーションを取ることで、お互いの理解を深めあうことができ、採用後のミスマッチを減らすことにも繋がります。候補者からの質問に迅速に回答したり、フィードバックを提供したりすることも可能です。
企業の情報発信を効率的に行える
SNSを用いて、企業・採用に関する情報発信を効率的に行うことができます。例えば、インスタグラムであれば、通常のフィード投稿に加え、ストーリーズの投稿やインスタライブを行えます。
そうすることで、企業のブランドや文化、価値観を効果的にアピールすることができます。
また、そうした投稿をアーカイブやハイライトとして残しておくことができるので、情報発信をしやすいですし、候補者にとっても必要な情報を得やすいです。
採用コストを抑えられる
ソーシャルリクルーティングは既存のSNSを利用する方法のため、基本的に無料で利用することができます。
具体的には、求人広告の配信やブランド露出にかかる費用が少なく済む場合が多いです。
一般的な求人サイトや人材紹介は、コストが数十万〜数百万万円かかりますが、そのコストが抑えられることは大きなメリットになっています。また、そのコストのかからなさから、気軽に利用を開始できることが特徴となっています。
広範なターゲット層へのリーチ拡大ができる
ソーシャルメディアは世代を超えて広く利用されており、異なる層の人々にアクセスする手段として有効です。求職者の興味・能力・経験に合ったターゲット層にリーチできます。
具体的には、ターゲット広告とターゲティング機能を用いて、求職者の興味や履歴に基づいて広告を配信できる他、シェアや拡散により予想以上のリーチを産むこともできます。
ハッシュタグやキーワードを利用して、関連するトピックやテーマに関連するユーザーにアクセスすることも可能です。
ソーシャルリクルーティングの3つのデメリットとは?

一方で、ソーシャルリクルーティングのデメリットには以上の3つが挙げられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
労力がかかる
ソーシャルリクルーティングでの採用を実現するためには、更新頻度がポイントとなります。更新頻度が高く、最新情報が豊富であるほど、アカウントの信憑性が高まるからです。
また、短期的な効果が見込めるものではなく、長期的な労力がかかる点も理解しておきましょう。
急募・大規模採用には向いていない
上記でも記載した通り、ソーシャルリクルーティングでは選考前からある程度お互いの理解度を深める必要があります。そのため、迅速に人手が必要な場合や、大規模採用の場合には向いていません。
特に、SNS上では情報が多岐に渡り、候補者の情報が多様化しています。そのため、候補者にとっても、自分に適切な情報を見つけるのが難しくなってしまいます。
企業側は、自社にあう人材を丁寧なプロセスのもとで採用する意識を持つ必要があります。
情報漏洩・炎上のリスクが高い
ソーシャルリクルーティングはSNSを利用して採用活動を行うため、情報漏洩や炎上のリスクも伴います。
特にプライバシーの問題には注意が必要です。個人情報が採用プロセスで不適切に使用されることや、採用担当者が適切な情報管理を怠る可能性も考えられます。
炎上を防ぐためにコンプライアンスを意識し、投稿前に第三者に確認してもらう等の対策が必要です。
ソーシャルリクルーティングに向いている企業

SNS採用は、どの企業にとっても効果を発揮するわけではありません。その特徴を最大限に活かせる企業には共通した条件があります。
ここでは、SNS採用が特におすすめの企業タイプについて解説します。
企業ブランディングが確立している企業
SNS採用は、企業のブランド力を候補者に直接訴求する手段として有効です。ブランド力が高い企業は、投稿するコンテンツを通じて候補者に信頼感を与え、関心を持たせることができます。
また、既存のファン層がシェアを広げることで、さらに多くのターゲットにリーチできる可能性があります。
最新のトレンドに敏感な企業
SNS採用では、時代の流れやトレンドを反映したコンテンツの発信が鍵となります。流行を捉えるセンスがある企業や、新しいコミュニケーション手法に柔軟に対応できる企業は、候補者に魅力的なイメージを与えやすいでしょう。
学生へのアプローチ手段がある企業
学生や新卒者向けの採用を行う企業にとって、SNSは極めて重要な接点となります。若年層が日常的に利用するプラットフォームを通じて、企業文化や募集情報を発信することで、親しみやすさや信頼感を構築できます。
また、インターンシップやイベント情報をSNSで発信することで、効率的に関心を引くことが可能です。
ソーシャルリクルーティングの手順6ステップ

ソーシャルリクルーティングを成功させるには、戦略的な計画と継続的な運用が欠かせません。ここでは、一般的なソーシャルリクルーティングの流れを6つのステップに分けて解説します。この手順を参考にすれば、採用活動をスムーズに進められるでしょう。
採用目標・ターゲット設定
まずは、採用活動の目的とゴールを明確に定義することが最優先です。単に「人を採りたい」ではなく、どの部門で何名、いつまでに採用するのか、配属後どのような成果を期待するのかまで落とし込むことで、SNS施策の方向性が定まり、効果検証も行いやすくなります。
次に、求める人材要件を言語化します。職種・スキル・経験年数・資格だけではなく、仕事への価値観、志向性、カルチャーフィット、コミュニケーションスタイルなどのソフト面も具体化することがポイントです。
「どのSNSを中心に発信すべきか」「どのインフルエンサー/現場社員を前に出すか」といった施策設計にも影響するため、ターゲット像の解像度を高めるほど成果が出やすくなります。
発信したい情報を整理する
採用活動では、候補者が応募を検討するうえで知りたい情報を整理し、SNSでの発信テーマへと落とし込む必要があります。募集要項やスキル要件など定量的な情報に加え、カルチャー・働くメンバー・成長環境など定性的な魅力も重要です。社員インタビュー、社内イベント、1日の業務の流れ、オフィス紹介など、企業のリアルが伝わるコンテンツは特に効果的です。
また、ただ情報を列挙するのではなく、ストーリー設計を行うことで印象に残りやすくなります。
「なぜそのポジションが必要なのか」「入社後にどんな成長が期待できるのか」「現場の人は何にやりがいを感じているのか」などを物語として紡ぐことで、候補者の感情を動かし、「ここで働く姿」を想像してもらいやすくなります。
自社に合ったSNSを選定
次に、自社の採用目標やターゲット層に最もフィットするSNSプラットフォームを選びます。同じSNSであっても年齢層や利用目的、拡散力、コミュニケーションの深さは大きく異なるため、闇雲に複数を始めるのではなく、まずは優先すべきチャネルを明確にすることが成果への近道です。
たとえば、学生や若手層にリーチしたい場合はInstagramやTikTokが相性が良く、日常やカルチャーの発信と親和性があります。一方で、経験者採用や専門職の採用ではLinkedInが有効で、職務経歴ベースでの接点形成がしやすいという特徴があります。
さらに、社風を伝えたい場合はYouTubeでの長尺動画、ライトな接点作りにはX(旧Twitter)、興味を持った候補者と継続接点を保つにはLINEといったように、SNSごとに役割を振り分ける設計が大切です。ターゲットと発信内容を照らし合わせて、優先度と活用方針を定めましょう。
運用ルールを決定する
SNSは開始して終わりではなく、継続的な運用によって成果が積み上がります。そのため、運用フローを属人化させず、投稿頻度・担当者・承認ルート・トーン&マナーなどを事前にルールとして明文化しておくことが重要です。炎上リスクや誤情報拡散を防ぐためにも、ネガティブコメントへの対応方針、返信可否、削除判断基準なども決めておきましょう。
また、コンテンツ制作は行き当たりばったりではなく、月・週単位で計画するコンテンツカレンダーの活用がおすすめです。企業紹介→社員インタビュー→募集要項→バラエティ投稿…といったサイクルを設計すると、発信が偏らず継続しやすくなります。
さらに、効果測定を前提にKPI(フォロワー増加率、クリック率、DM返信数など)を設定しておくと、改善サイクルが回しやすく運用の質も高まります。
反応を確認する
投稿後は終わりではなく、必ずパフォーマンスをチェックし、候補者からの反応を定量・定性の両面で測定します。SNSの分析機能や外部ツールを使い、いいね数・保存数・リーチ数・クリック率・エンゲージメント率などを継続的に追いかけることで、「どの投稿が刺さるか」「どの時間帯が効果的か」を可視化できます。加えて、コメント内容や離脱ポイントを観察すると、候補者のリアルな関心・ニーズも把握しやすくなります。
分析結果をもとに仮説検証を繰り返しながら、トンマナの調整、動画や画像の改善、投稿テーマの見直しを行うことで、投稿の精度が高まり成果につながります。たとえば「社員インタビューは保存率が高い」「オフィス紹介はシェアされやすい」といった傾向が掴めれば、より効果のあるコンテンツへ投資が可能になります。SNS運用は改善サイクルこそが成果を生むため、定期レビューの仕組み化が鍵となります。
採用候補者とコミュニケーションを取る
ソーシャルリクルーティングでは最終的に、候補者と信頼関係を築けるかどうかが成果を左右します。コメント・DM・リアクションには迅速かつ丁寧に返信し、「リアルな人が運用している」温度感と安心感を伝えることが重要です。質問にはできるだけ具体的に回答し、興味を持ってくれた候補者には面談案内や資料送付など次のアクションへ橋渡しすると、応募率が大きく向上します。
さらに、オンライン説明会・社員と話せるカジュアル面談・ライブ配信など、接触機会を増やす施策も効果的です。「企業アカウントを見る→興味を持つ→会話する→応募検討へ」という導線を設計することで、SNS運用は単なる発信から採用成果を生む仕組みへと変わります。候補者との継続的な関係構築を意識し、コミュニケーションを積極的に促進しましょう。
ソーシャルリクルーティングを成功させるための4つのコツ

SNSを採用活動に活かすには、ただ投稿を続けるだけでは成果につながりません。ターゲットの明確化からコミュニケーションの設計、発信内容の鮮度、効果検証まで一連のプロセスを意識し、戦略的に運用することが重要です。
ここでは、ソーシャルリクルーティングを成功へ導くために押さえておきたい4つのポイントをわかりやすく解説します。
ターゲットを明確にする
ソーシャルリクルーティングを成功させるには、自社が求める人材像を粒度高く定義することが出発点です。年齢層・経験年数・スキルセットに加え、「どのような価値観を持った人が活躍しやすいか」「どんなキャリア志向の候補者が魅力を感じるか」といったカルチャーフィット面まで明文化することで、投稿内容・発信トーン・使用SNSの選択がより精緻になります。
特にSNSは媒体ごとにユーザー層が異なるため、Instagram・TikTokは学生や若手層、LinkedInはビジネスパーソン、YouTubeは社風の深い理解促進など、プラットフォームの属性とマッチさせて発信設計することが重要です。
ターゲット設定が曖昧=刺さらない投稿が量産される原因となるため、ペルソナ作成や候補者インタビューからニーズを把握し、「どんな投稿なら応募アクションに繋がるか」まで想定できる状態を目指しましょう。
双方向のコミュニケーションを行う
ソーシャルリクルーティングの最大の価値は、候補者と直接つながり、距離を縮められる点にあります。企業から一方的に発信するだけではファン化には繋がらず、コメントへの返信・DM対応・質問募集企画など、候補者の声に応える場づくりが欠かせません。
たとえば、「入社後の1日の流れ」「働く環境のリアル」「選考で見ているポイント」など候補者が知りたい情報を拾い、投稿テーマに反映することでエンゲージメントが向上します。さらに、ライブ配信やカジュアル座談会を開催し、現場社員と直接対話できる場を提供すると、候補者は企業理解を深め応募検討に進みやすくなります。
SNSは接触回数が成果に比例するため、反応をもらった後のナーチャリング導線も設計しましょう。
常に最新の情報を発信する
SNSではスピード感が求められ、情報の古さはそのまま企業の印象に直結します。投稿頻度を上げるだけではなく、常に最新かつ価値のあるコンテンツを継続的に届けられる仕組みを整えることが重要です。
募集状況の変化や新制度、社員インタビューの更新、参加できるイベント告知など、多様なテーマで情報をアップデートし続けると、フォロワーの関心を維持できます。また、トレンドに合わせた企画投稿や、候補者ニーズに沿ったTips・働き方紹介なども効果的です。
社内の情報収集ルートや投稿承認フローを整え、情報鮮度と発信スピードを両立させる運用体制を作ることで、SNSからの信頼と応募導線が強化されます。
データを分析する
SNS上の活動や投稿の効果を定期的に分析しましょう。
どのようなコンテンツが効果的であったか、どのプラットフォームでの反応がよかったかなどを把握し、戦略の改善に役立てます。
具体的にインスタグラムでは、アカウントをプロアカウントに切り替えることで、投稿のインサイトを細かく分析することができます。いいね数や投稿表示数、保存数を確認するのはもちろんのこと、その投稿を見ている人の性別や年齢まで把握することができます。
ただ情報を発信して満足するのではなく、その都度分析をしてコンテンツの質を高めましょう。
ソーシャルリクルーティングを始める際の注意点
SNS採用は手軽に始められる一方で、運用の仕方を誤ると成果が出にくかったり、企業の信頼を損なうリスクもあります。特に導入初期は「何から意識すべきか」を押さえておくことで、失敗を避けながら効果的に運用を進めることが可能です。
以下のポイントを踏まえ、適切な体制づくりとリスクマネジメントを行いましょう。
- SNS運用の目的と指標を曖昧にしない
- 炎上・誤情報拡散のリスク対策を行う
- 継続的に運用できる体制を整えておく
- 短期的成果ばかりを求めない
それぞれについて詳しく解説します。
SNS運用の目的と指標を曖昧にしない
ソーシャルリクルーティングは、単にSNSで企業情報を発信するだけでは成果につながりません。まずは、採用の最終ゴールを明確に定め、そのゴールに対してSNSで担う役割とKPIを設定することが重要です。
単に「フォロワーを増やしたい」「認知を広げたい」といった抽象的な目標ではなく、応募数の増加・母集団形成・選考誘導など、どの段階にインパクトを与えたいのかまで落とし込むことで、投稿内容や企画の精度が高まります。
たとえば、「エンジニアの認知獲得」が目的であればインプレッションや保存数、「応募に繋げたい」ならDM数やフォーム遷移率など、追うべき指標によって設計すべきコンテンツや導線も変わるという前提を押さえておきましょう。目的と指標が曖昧なまま運用すると、投稿が作業化し、成果の可視化も改善も困難になります。最初の段階で成果指標を定義し、定期的に振り返る仕組みを作ることが、ソーシャルリクルーティング成功の土台となります。
炎上・誤情報拡散のリスク対策を行う
SNSは拡散力が高い反面、情報の解釈や表現を誤ると企業の信頼に直結するリスクもあります。そのため、発信前の確認フローや承認ルート、トーン&マナーなどのガイドラインを整備しておくことが欠かせません。誰がどの範囲まで独自判断で投稿できるのか、事実確認はどこまで必要なのかを明確にしておくことで、誤情報や不適切表現を防ぎやすくなります。
ネガティブコメントや批判が発生した際の対応方針(返信可否・削除基準・対応担当)も事前に定めておくと、トラブルを最小限に抑えられます。企業アカウントは「会社の印象を左右する広報窓口」であるという意識を持ち、炎上リスクを前提としたルールづくりを行うことが、安心してソーシャルリクルーティングを進めるための前提条件です。
継続的に運用できる体制を整えておく
SNSは短期的な施策ではなく、継続発信によって成果が積み上がる採用チャネルです。しかし現場では、「担当者が忙しくて投稿が止まる」「ネタが尽きる」「運用が属人化する」といった課題が起こりがちです。これを防ぐために、投稿テーマの棚卸し、コンテンツカレンダーの作成、定例ミーティングなどを通じて、長期的に運用が回る仕組みを設計することが重要です。
可能であれば、人事だけでなく広報や現場社員も巻き込み、複数人で役割分担しながら運営できる体制にすることで継続性が高まります。素材撮影のルールや投稿アイデアの共有フォルダを用意しておくと、「誰か一人が止まったら発信も止まる」という状態を避けられます。体制づくりに投資しておくことが、結果的に安定した採用成果につながります。
短期的成果ばかりを求めない
ソーシャルリクルーティングは、「今すぐ応募を増やす施策」ではなく「未来の候補者と接点を持ち続ける仕組み」という前提理解が重要です。発信開始初期は反応が少ないことも珍しくありませんが、フォロワーとの関係性が積み重なることで認知が広がり、中長期的な応募増加につながっていきます。
一時的な投稿結果だけで成功・失敗を判断するのではなく、3ヶ月・6ヶ月・1年といったスパンで効果を追う視点を持つことが大切です。途中で投稿が止まれば成果はゼロに戻ってしまうため、「継続すること」そのものが成功の鍵と言えます。短期成果だけに目を向けず、自社の魅力を定期的に届け、候補者との接点を蓄積していく姿勢が、ソーシャルリクルーティングを本当の意味で機能させるポイントです。
ソーシャルリクルーティング 企業の成功事例6選
実際にソーシャルリクルーティングを行い成功した企業の例をご紹介します。
株式会社NTT東日本

出典:https://www.facebook.com/ntteast.recruit.newgrad/
株式会社NTT東日本では、新卒向けの採用活動をするにあたり、公式インスタグラム・Facebook・Xを活用しています。
限定Liveセミナーや社員へのインタビューなどを含むコンテンツの発信の他にも、グループディスカッション練習会など各種イベントの告知も行っています。
SNSでの発信で、より学生と近い距離でのアプローチを図りながら、企業の魅力発信や応募者数の増加を実現しています。
三井住友カード株式会社

出典:https://www.instagram.com/smcc_recruit/
三井住友カード株式会社では、新卒採用を行うにあたり、自社の特設Instagramを開設し、採用情報だけでなく、オフィスの様子や社員・内定者インタビューなどを定期的に発信しています。
採用情報やイベントの告知だけではなく、学生に自社の魅力を知ってもらうための投稿が多いことで、「学生目線に寄り添っている」という好印象を与えています。
SNSの使用頻度が高い学生に対して、Instagramを通して実際に働いている社員の方を紹介することで、社内の雰囲気をダイレクトに伝え、効果的な採用活動を行なっているそうです。
株式会社サイバーエージェント

出典:https://twitter.com/ca_recruit_info
メディア事業、インターネット広告事業、ゲーム事業、投資育成事業を担うサーバーエージェントは、新卒採用向けの公式Xアカウントを活用し、ソーシャルリクルーティングを行っています。
会社説明会など各種イベントの告知に加え、現場社員へのインタビュー動画をX上で投稿しています。
特に、サイバーエージェント内の女性活躍推進組織「CAramel」に関する投稿も多く行っており、男女差なく一人一人が活躍できる社内の雰囲気を伝えています。
働き方や男女差など、学生が気になる面をSNSを通じて発信することで、学生に好意的な印象を与えています。
双日建材株式会社

出典:https://www.instagram.com/sojitzbm_recruit/?hl=ja
総合商社・双日(株)の中核事業会社であり、建材商社のリーディングカンパニーである双日建材はインスタグラム・Xを用いた新卒採用向けのソーシャルリクルーティングを行っています。
インスタグラムでは、社員の方が出演する告知動画にてイベントの告知や、海外勤務を行う社員の様子を伝える投稿を行っています。
社員の方の様子をSNSを通じて知ることができると、就職活動をする学生の志望度を格段に上げることができます。
新光重機株式会社

出典:https://twitter.com/shinkojuki
千葉県にある建機レンタル会社の新光重機株式会社は、公式Xアカウントを通して社内の雰囲気を伝えています。
投稿は採用ばかりではありませんが、X上で何度も話題になり会社のファンが増えることで、採用でも良い影響が出ていると言えます。
採用情報に関するお知らせだけではなく、カジュアルな投稿もすることで、学生に対しより親しみやすい印象を与えています。
TIS株式会社

出典:https://twitter.com/tis_recruit
幅広い領域にてITサービスを提供するTIS株式会社は、新卒採用向け公式Xアカウントを運用しています。
こちらの新卒採用向けアカウントでは、各種イベントの告知に加え、TIS株式会社の公式アカウントの投稿をリポストし、拡散もしています。
会社自体のアカウントでのほのぼのとした投稿をリポストすることで、会社全体として親しみやすい雰囲気で学生にアプローチをしています。
ソーシャルリクルーティングについてよくある質問(FAQ)
ソーシャルリクルーティングについてよくある質問をまとめました。
SNSでの炎上リスクにどう備えればよい?
ソーシャルメディアポリシーを策定し、従業員教育を徹底することで炎上リスクを最小限に抑えられます。
投稿前の内容確認やコメント管理も重要です。
どの部署がソーシャルリクルーティング運用を担当すべき?
基本は人事部が主導しますが、広報やマーケティングとの連携も効果的です。
ブランドイメージの一貫性を保つためには部署間の横断的な協力が鍵となります。
投稿頻度はどのくらいが適切?
最低でも週1回以上、理想は週2~3回の更新が望ましいです。
継続的に発信することでアルゴリズムに対して最適化できるうえに、フォロワーとの信頼関係も築けます。
まとめ
この記事では、ソーシャルリクルーティングについて、その概要からSNSの種類、注意点など、幅広くご紹介しました。
求める人材に直接連絡が取れるソーシャルリクルーティングを行うことで、採用人材の質を向上させることができます。
自社の採用活動を今一度見直し、ソーシャルリクルーティングの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
ソーシャルリクルーティングにお悩みの方は株式会社uloqo(旧株式会社PrHR)にお問い合わせください
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