中途採用の時期戦略とは?業界別ピークや通年採用の活用、注意点まで徹底解説!

👉この記事のポイント

  • 中途採用の時期に関する基礎知識

    中途採用は年間を通じて行われますが、特定のタイミングに集中する傾向があります。基本知識を理解することで、戦略的な採用計画が可能になります。

  • 採用時期ごとの特徴

    中途採用市場は、新年度前後・夏・秋~年末で動向が異なります。特に1~5月は採用活動のピークで、夏は落ち着き、秋以降に再び活発化します。

  • 効果的な採用戦略

    繁忙期には優秀人材の確保、閑散期には競合差別化が可能です。さらにRPOや通年採用の導入により、時期に左右されない安定した採用活動が実現します。

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監修者
株式会社uloqo 代表取締役

アドテクノロジーベンダー、リクルートグループを経て、2016年4月株式会社uloqoを創業。採用企画・採用広報・ダイレクトリクルーティング・組織開発・人事評価制度策定などを通じて、大手からスタートアップまで幅広く累計300社以上を支援。

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中途採用の基本

新卒採用とは異なり、スキルや経験を前提とする中途採用は、採用戦略やプロセスの考え方にも独自のポイントがあります。

  • 中途採用とは
  • 中途採用の現状
  • キャリア採用との違い

本セクションでは、「中途採用とは何か」から始まり、最新の採用市場の状況、キャリア採用との違いまで、基本をしっかり押さえていきます。

中途採用の現状

中途採用の現状を見ていきましょう。

2023年の中途採用人数と退職者数グラフ
引用元:マイナビ「中途使用状況調査2024年版(2023年実績)」

株式会社マイナビの調査によると、2023年に中途採用活動を行った企業の年間平均採用人数は、21.8人となっており、調査開始以来の過去最高を記録しています。

また、2023年の退職者数の平均人数は15.6人で、退職者数に対する採用人数の割合である欠員充足率は、139.2%となり、中途採用による欠員の充足ができていることが伺えます。

また、リクルートワークス研究所が公表した「中途採用実態調査」から、以下の結果がわかりました。

〈2024年度の中途採用見通し〉
「増える」と回答した企業 22.4%
「減る」と回答した企業  4.0%
「増える」と回答した企業数は「減る」と回答した企業を大きく上回る結果となりました。また、従業員規模別に見ると、「増える」の回答率がもっとも高かったのは5000人以上の企業で、34.1%でした。
〈2023年度上半期の中途採用における人員確保の状況〉
「人員を確保できた」と回答した企業 39.2%
「確保できなかった」と回答した企業 58.5%
中途採用のニーズは高まっているものの、予定採用数を満たせない企業も多いことが分かります。

これまでは、売り手市場となっている新卒採用で充足できなかった人員を中途採用で確保する企業も多くありました。
しかし、直近の傾向からは、中途採用においても採用難が加速していることが予想されます。人事担当者には、より戦略的な採用活動が求められているといえるでしょう。

参考:リクルートワークス研究所
中途採用実態調査(2023年度上半期実績、2024年度見通し 正規社員)

キャリア採用との違い

キャリア採用とは、既にスキルを持った経験者を即戦力として採用することです。

〈特徴〉
・職務経験や知識・実績を踏まえて即戦力となる人材を採用
・専門性の高い職種で求められることが多い

転職市場が活性化したことで以前より転職が一般的になり、企業が求める特定の職種や職務経験のある人材も転職するようになりました。スキルを持つ経験者を雇うことで、企業は育成コストを抑えながらすぐに活躍できる人材を確保できます。

そのため、おおまかな傾向としては、高い専門性が問われる業種や部門でキャリア採用が用いられるケースが多いです。

一方、中途採用は未経験者も対象とする点に大きな違いがあります。傾向としては専門性の低い職種が中途採用枠となることが多いです。ただ、人材不足に陥りやすい企業においては、専門分野であっても育成を見込んでの中途採用は十分に有力な選択肢となります。

中途採用時期に関する基本知識

中途採用は企業の急な人員補充や事業拡大に対応するために行われることが多いため、年間を通じて様々な時期に実施されますが、特定のタイミングに集中する傾向があります。

  • 年末年始や年度末は市場が活性化される傾向がある
  • 業界別の採用ピークの違い

そこでまずは時期に応じた戦略を立てる上で重要となる、基本知識について解説していきます。

年末年始や年度末は市場が活性化される傾向がある

年末年始や年度末(12月~3月)は、中途採用市場に大きな動きがある時期です。企業は、年度末までに計画を完了させる必要があるため、新年度に向けた人員補充を進めることが一般的です。一方で、求職者にとっても年始は一つの節目となるため、転職を検討しやすいタイミングです。

ただし、年度末は多くの企業が業務に集中する時期でもあるため、採用活動自体は慎重に進められることもあります。そのため、年明け1月や2月は中途採用において特に重要な時期とされています。

業界別の採用ピークの違い

業界によっては、採用のピーク時期が異なることも特徴です。例えば、IT業界やスタートアップは、成長スピードが速いため、年間を通じて採用活動が活発です。一方で、製造業や建設業などは、プロジェクトのスタートや年度末の需要に合わせて採用の波が見られます。こうした業界特有のタイミングを理解しておくことが、中途採用の成功に繋がる要素です。

また、サービス業では、特に年末年始や観光シーズンに向けて短期的な人員補充が必要となることが多く、この時期には即戦力としての中途採用が重要視されることが多いです。

中途採用の時期別特徴とは?

中途採用市場の特徴は時期ごとに異なります。

  • 新年度前後(1月〜5月)
  • 夏(6月〜8月)
  • 秋〜年末(9月〜12月)

あくまで傾向にはなりますが、1年を3分割し、それぞれの動向について詳しく説明します。
中途採用 時期による変遷
引用元:Indeed「求職者の「仕事探しの時期」に関する調査」

新年度前後(1月〜4月)

1月から5月は、企業にとって中途採用のピークシーズンです。特に新年度に向けた人材補強が必要となるため、多くの企業が積極的に採用活動を展開します。IT業界や製造業では、新年度のプロジェクトや生産計画に合わせて人材を増強する傾向が強いです。

新年度に向けた採用活動

新年度は新しいプロジェクトや予算が始まる時期です。このため、企業は事前に人員体制を整えておきたいと考えるため、この時期に採用活動が活発化します。特にマネジメント層やリーダー職、プロジェクトの中核を担う即戦力が求められます。

IT・製造業における新年度前の採用事情

IT業界では、プロジェクトが年度をまたぐことが多く、1月から3月にかけてはプロジェクトマネージャーやエンジニアの採用が急増します。一方、製造業では新製品の立ち上げや生産ラインの強化が必要な時期であり、設計技術者や品質管理のポジションに対するニーズが高まります。

夏(5月〜9月)

夏場の採用活動は、他の時期に比べてやや落ち着く傾向があります。企業側も採用活動を一時的に縮小し、求職者の動きも少なくなります。

夏場は採用活動が減少

6月から8月にかけては、多くの企業で夏季休暇が取られ、採用活動が落ち着きます。また、プロジェクトの立ち上げや予算調整が行われる時期ではないため、特に急いで人材を確保する必要がないことが背景にあります。

夏の採用に強い業界・職種の傾向

夏でも採用活動が盛んな業界としては、小売業やサービス業があります。特に観光業やホスピタリティ業界は、夏の繁忙期に合わせて人員を増強する必要があるため、6月から8月にかけての採用が活発です。また、IT業界でも、特定のプロジェクトに合わせた採用が進むことがあります。

秋〜年末(10月〜12月)

9月から12月にかけては、企業の業務量が増加し、年末までに成果を出すために採用活動が再び活発になる一方で、年末に向けた調整業務などが増え採用活動にリソースを割くことができない傾向があります。特に財務部門や営業部門では、業績報告や決算作業が優先されるため、新たな人員を迎えるための準備が不十分になりがちです。

年末に向けた人材補充

年末は、企業が年度末に向けて業績を確定させる重要な時期です。そのため、年内にチーム体制を整え、来年に向けてスタートダッシュを切る準備が行われます。また、年末に退職者が発生することも多いため、欠員補充のために中途採用が行われることが一般的です。

求人数自体は落ち込む傾向がある

採用側も求職者側もこの時期は通常業務が繁忙期であることが多く、転職活動を活発に行えないことが一般的です。そのため、年度末や期末に焦って採用を行うよりも、年度初めや期初めに計画的に採用活動を行うことが望ましいです。

業界・職種別に見る最適な中途採用時期

大まかな時期ごとの中途採用市場の傾向について解説してきましたが、業界や職種によってその傾向は異なります。中でも特徴的な上記の三つの業界・職種について、その傾向を詳しく解説していきます。

  • IT業界
  • 製造業/サービス業
  • 管理職/専門職

中でも特徴的な上記の三つの業界・職種について、その傾向を詳しく解説していきます。

IT業界の採用時期

IT業界では、年間を通じて採用活動が活発ですが、特に年度初めや年末年始に採用が集中する傾向があります。これは、プロジェクトの開始や予算の確保に合わせて新規人材が必要になるためです。IT業界では、技術の進化が速いため、常に即戦力のエンジニアやデザイナーを求める企業が多く、競争が激しい市場です。

また、テクノロジー分野では、スタートアップ企業が急成長するため、人材確保が重要な要素となります。そのため、採用のタイミングを見極めて、競合企業に先駆けて優秀な人材を確保することが成功の鍵となります。

製造業・サービス業の採用時期

製造業では、年度末に向けての需要増加やプロジェクトの進行に伴い、年末年始や秋口に採用活動が活発化します。また、サービス業では、観光シーズンや大型イベントに合わせた人員補充が必要になるため、特に夏季や冬季休暇前に中途採用が行われることが多いです。

製造業では即戦力となる技術者が重宝され、サービス業では顧客対応が優れたスタッフが求められるため、これらの業界ではそれぞれ異なるタイミングで採用が行われます。

管理職や専門職の採用時期

管理職や専門職の採用は、通常の中途採用よりもさらに慎重な計画が必要です。これらのポジションは、企業の方向性を左右する重要な役割を担うため、採用時期も戦略的に選定されます。特に、年度初めや新規事業の立ち上げ時期は、管理職や専門職の採用に適しています。

これらのポジションでは、即戦力が求められるため、採用プロセスも慎重に進められます。企業は、候補者が十分に評価されるよう、面接や選考のプロセスを細かく設定し、適切なタイミングでの採用を目指します。

時期に合わせた採用手法の選定ポイント

中途採用は、時期ごとの市場動向や応募者の動きに応じて、最適な採用手法を使い分けることが成果を大きく左右します。。

  • 求人広告:露出強化が必要な時期
  • 人材紹介:短期間で質の高い人材を確保したい時期
  • ダイレクトリクルーティング:応募が集まりにくい時期
  • RPO(採用代行):繁忙期や急募対応が必要な時期

ここでは、時期ごとに効果的な採用手法の、それぞれの活用タイミングとポイントを解説します。

求人広告:露出強化が必要な時期

求人広告は、新年度・年末など応募者の動きが活発な時期において、母集団形成のベースとして有効です。 特に1〜3月、9〜11月といった採用市場が盛り上がる時期には、求職者が複数の求人を比較検討するため、広く露出を確保できる広告出稿が欠かせません。 求人媒体や配信タイミングを精査し、ターゲット層に適した媒体選定を行うことが、応募数や質の向上に繋がります。

人材紹介:短期間で質の高い人材を確保したい時期

人材紹介は、新年度前や事業拡大直前など、時間的制約がある採用において最も効果的です。 登録者の多い1〜3月・9〜10月は、質の高い人材が流動する時期でもあり、人材紹介会社との連携を強化することで精度の高いマッチングが期待できます。 また、社内リソースが限られている企業にとっては、スクリーニングや推薦のプロセスをアウトソースできる点も大きなメリットです。

ダイレクトリクルーティング:応募が集まりにくい時期

夏や年末など、応募が減少する時期には、企業から積極的にアプローチできるダイレクトリクルーティングが有効です。 求人広告ではリーチできない潜在層や他社と比較されにくい層にアプローチできるため、競合が少ない時期でも採用成功率を維持することが可能になります。 スカウト文面の最適化や返信率改善のためのABテストなど、戦略的な運用が重要です。

RPO(採用代行):繁忙期や急募対応が必要な時期

繁忙期(1〜3月・9〜11月)や、急な退職による補充が求められる時期には、採用実務をアウトソースできるRPOの活用が有効です。 求人票作成、応募者対応、面接調整などのオペレーションを委託することで、社内の人的リソースをコア業務に集中させることができます。 特に通年で採用を行う企業や、採用担当が少ない中小企業にとっては、柔軟に人材確保ができる強力なパートナーとなります。

効果的な中途採用の時期戦略とは?

中途採用市場は、時期ごとに特性があるためそれぞれ合わせた戦略立案が不可欠です。そこで、採用活動を行う上での戦略例を繁忙期と閑散期に分け、詳しく紹介していきます。

市場繁忙期を狙った採用活動の効果

年始や年度初めに採用活動を行うメリットは、優秀な人材が転職を検討しやすい時期であることです。多くの企業が新年度に向けた人員計画を立てるため、1月から3月は中途採用のピークとなります。この時期に採用を行うことで、即戦力として期待される人材を効率的に確保できる可能性が高くなります。

さらに、年度末に退職を決意する人も多いため、年度初めは多様な人材が市場に流入しやすい時期でもあります。企業としては、優秀な人材を他社に取られる前に積極的にアプローチすることが効果的です。

市場閑散期を狙った採用活動の効果

一方で、閑散期を狙った採用活動も一つの戦略です。閑散期は求職者の数が減少する一方で、競合する企業の採用活動も低調なことが多いため、このタイミングで採用活動を進めると、他社と差別化しやすくなります。

特に、夏季休暇後の9月から11月にかけては、多くの企業が採用活動を再開する時期となりますが、この直前の時期に採用を行うことで、優秀な人材を早期に確保することが可能です。また、閑散期は採用コストを抑えながら、計画的に採用を進められる点でもメリットがあります。

急な人員補充が必要な場合の対策

急な人員補充が必要な場合、企業は迅速に対応するための仕組みを持つことが重要です。

例えば、短期間での採用活動が必要な場合には、採用代行(RPO)サービスを活用することも一つの方法です。採用代行を活用することで、短期間で必要な人材を効率的に確保し、企業の事業活動に支障をきたすことなく運営を続けることができます。

また、急な人員補充に対応するためには、社内のリソースを活用して早期に採用計画を立てることも重要です。社内の採用担当者と現場部門が密に連携し、緊急の採用ニーズに対応できる体制を整えておくことが、急な人員不足を防ぐ鍵となります。

中途採用における時期別注意点

中途採用戦略を立てる上では、時期ごとの戦略立案は必要不可欠であることはおわかりいただけたと思います。一方で、いくつか注意が必要な時期も存在します。

  • 大型連休前後
  • 年度末/期末
  • 夏季休暇/冬季休暇

ここでは、特に重要な上記の3つの時期ついてその注意点を詳しく解説していきます。

大型連休前後

中途採用において、避けるべき時期の一つは大型連休前後です。ゴールデンウィークやお盆休み、年末年始のような時期は、多くの企業や求職者が休暇を取るため、採用活動が停滞しやすくなります。このタイミングで求人を出しても、応募者の数が減少することが多く、採用プロセスが遅延する可能性があります。

特に連休前後は、応募者の中でも転職意欲が一時的に低下することが多く、良い人材が他のタイミングに流れてしまうリスクもあります。企業にとっては、採用活動の効果を最大化するために、こうした時期は避け、連休後の7月や9月に採用活動をシフトする方が効率的です。

年度末・期末

年度末や期末も中途採用には注意が必要な時期です。企業はこの時期に多忙を極めることが多く、採用活動に十分なリソースを割けないケースが多発します。特に財務部門や営業部門では、業績報告や決算作業が優先されるため、新たな人員を迎えるための準備が不十分になりがちです。

また、求職者側もこの時期は現職の業務が繁忙期であることが多く、転職活動を活発に行えないことが一般的です。したがって、年度末や期末に焦って採用を行うよりも、年度初めや期初めに計画的に採用活動を行うことが望ましいです。

夏季休暇・冬季休暇

夏季休暇(8月)や冬季休暇(12月)の時期も、採用活動を避けるべき期間です。これらの時期は、企業側だけでなく、求職者も休暇モードに入っていることが多く、応募者数が少なくなる傾向があります。さらに、求職者が休暇を利用してリフレッシュし、転職の決断を後回しにする場合もあります。

そのため、企業が採用活動を行う際には、これらの休暇シーズンを避け、休暇明けに向けて求人を準備し、より多くの応募者にアプローチできるよう戦略を立てることが大切です。

時期に依存しない採用成功のための施策

中途採用活動は、時期に依存することなく通年で実施することで、多くの優秀な人材と出会うチャンスが広がります。
ここでは、採用活動を時期に左右されず成功に導くための具体的な施策について解説します。

通年採用の活用

通年採用は、採用活動を特定の時期に限らず、年間を通して実施することで優秀な人材との接触機会を最大化し、採用効率を高める方法です。中途採用市場では、求職者の転職タイミングが個々で異なるため、企業側が柔軟に対応することで採用成功率を飛躍的に高めることができます。
通年採用によるメリットは以下の通りです。

  • 優秀な人材と出会えるチャンスの最大化
  • 採用コストとリソースの平準化
  • 採用活動の柔軟性の向上

優秀な人材と出会えるチャンスの最大化

中途採用市場では、求職者が転職を検討し始めるタイミングは人それぞれです。
ボーナス支給後やプロジェクトの一区切りなど、企業側が予想しにくい時期に転職活動を始めるケースが多く見られます。
通年採用ではこうした動向に柔軟に対応できるため、他社が採用を行っていない時期でも優秀な人材と出会うチャンスが広がります。

また、特定の時期に採用活動を集中させると、競合他社とバッティングすることが避けられません。優れた人材を確保するには、企業独自のタイミングで採用活動を進めることが重要です。通年採用を導入することで、競合の影響を受けにくくなり、他社に先駆けて候補者との接触が可能になります。

採用コストとリソースの平準化

採用活動を一時期に集中させると、求人広告費や採用担当者のリソースが一気に必要となり、負担が大きくなります。
通年採用を実施すれば、採用コストを年間を通じて分散でき、予算管理が容易になります。さらに、効率的な運用によってコストパフォーマンスを高めることも可能です。

採用担当者が一度に多くの候補者対応を行うと、業務が過度に集中し、対応の質が低下する可能性があります。通年採用では採用活動を計画的に分散させることで、業務負担を軽減し、候補者一人ひとりに丁寧な対応が可能になります。

採用活動の柔軟性の向上

急な欠員や新しいプロジェクトの立ち上げに伴う人材不足にも迅速に対応できる点が、通年採用の大きな強みです。また、求職者が転職を考えるタイミングに合わせた柔軟なアプローチが可能になります。

通年採用を成功させるポイントは、「採用計画の継続的な見直し」と「求人情報の常時公開」です。企業の採用サイトや求人広告は定期的に更新し、常に最新の情報を求職者に届けることが重要です。

ダイレクトリクルーティングの活用

時期に依存せず優秀な人材を獲得するためには、ダイレクトリクルーティングの導入が効果的です。従来の求人広告や人材紹介サービスに加え、企業自らが候補者にアプローチできる点が特長です。

  • 即戦力人材へのアプローチが可能
  • 転職潜在層との接点を築ける
  • スカウト精度・業務効率の向上

ここでは、ダイレクトリクルーティングのメリットを3つに整理して解説します。

即戦力人材へのアプローチができる

ダイレクトリクルーティングの最大の魅力は、企業が求めるスキル・経験を持つ即戦力人材に直接アプローチできる点です。 求人広告では応募が来るまで待つ必要がありますが、ダイレクトリクルーティングでは企業側が「欲しい人材」に対してピンポイントでアプローチできます。 たとえば、マネジメント経験者や特定の技術スキルを持つ候補者など、要件に合致したプロフェッショナル人材の獲得が現実的になります。 また、ミスマッチの発生を減らし、内定承諾率や定着率の向上にもつながります。

転職潜在層との接点を築ける

ダイレクトリクルーティングは、まだ転職活動を始めていない「潜在層」にもアプローチできる点で、他の採用手法と一線を画します。 この層は「良い企業があれば検討したい」と考えていることが多く、競合が少ない分、早期に関係性を築くことで採用に結びつく確率が高くなります。 従来の手法ではリーチできなかった人材とも接点を持てるため、採用可能性の母集団が拡大します。

スカウト精度・業務効率が向上する

近年のスカウトプラットフォームは非常に進化しており、高度な検索機能やレコメンド機能を活用することで、ターゲットにマッチした候補者を効率よく抽出できます。 代表的なツールには「Wantedly」や「LinkedIn」「OfferBox」などがあり、企業規模や業種に応じて使い分けることも可能です。 これにより、スカウトの属人化を防ぎつつ、一定の品質とスピードを両立したアプローチが実現します。結果として、採用担当者の工数削減と業務効率化にも貢献します。

効率的なRPOの活用

時期を問わず採用活動を続ける際、採用担当者の業務負担が増えることが課題となります。そこで、採用代行サービス(RPO: Recruitment Process Outsourcing)の活用がおすすめです。
RPOのメリットは以下の通りです。

  • 採用活動の効率化
  • 専門的な採用ノウハウの活用
  • 費用対効果の最大化

採用活動の効率化

採用代行サービスを利用することで、求人広告の運用や応募者管理、書類選考、面接設定などの業務を効率化できます。採用担当者はコア業務である候補者とのコミュニケーションや採用戦略の策定に専念することが可能です。

専門的な採用ノウハウの活用

採用代行サービスを提供する企業は、豊富な採用実績とノウハウを持っています。そのため、自社だけでは解決できない採用課題に対しても的確な支援を受けることができます。

費用対効果の最大化

採用代行サービスは、必要な業務のみをアウトソーシングすることができるため、無駄なコストを抑えつつ高い費用対効果が期待できます。採用活動を通年で行う場合、限られた予算内で効率よく人材確保を進めることが可能です。

■「採用代行(RPO)」についてより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
【2025年最新】採用代行(RPO)51社徹底比較!選び方のポイントや料金、特徴を紹介!

中途採用スケジュールの立て方

中途採用を成功させるには、時期だけでなく、採用スケジュールの設計力が重要です。 場当たり的な採用ではなく、年間計画をもとに採用活動を設計することで、コストの最適化・リソースの平準化・人材の質向上が実現できます。

  1. 採用ニーズの洗い出し
  2. 採用目標の設定
  3. 選考フロー・体制の構築
  4. 年間スケジュールの設計
  5. 採用活動後の振り返りと改善

このセクションでは、スケジュール策定における5つの重要ステップをご紹介します。

採用ニーズの洗い出し

まず最初に行うべきは、組織全体の人員計画を把握することです。 各部門へのヒアリングを通じて、「いつ・どのポジションに・どのスキルを持った人材が必要か」を明確にし、緊急度・優先度もあわせて整理します。 採用ニーズを可視化することで、時期や採用手法を適切に選定できるようになります。

採用目標の設定

採用人数や採用時期だけでなく、質的な目標(例:経験年数・スキル・定着率)も明確に設定することがポイントです。 また、部門ごとの人員増強/補充/将来投資など目的を明らかにすることで、採用の優先順位やKPI設定も行いやすくなります。

選考フロー・体制の構築

中途採用ではスピード感が求められるため、事前にフローと体制を設計しておくことが成功の鍵となります。 たとえば、書類選考から最終面接までの流れ、面接官のアサイン、評価項目の統一など、採用プロセスの標準化・短縮化を図ります。 「このタイミングで面接官が不在」「評価基準がバラバラ」といった事態を防ぐためにも、全体の流れを可視化しておくことが重要です。

年間スケジュールの設計

市場の動向に応じた年間スケジュールを設計します。 以下のようなイメージで、繁忙期・閑散期に応じた施策を組み合わせていきましょう。

  • 1〜3月:応募者が増える時期に求人広告を強化/紹介会社をフル活用
  • 4〜5月:内定者フォローに注力/次の採用に向けた振り返り
  • 6〜8月:応募減を想定し、ダイレクトリクルーティングや通年採用で補完
  • 9〜11月:繁忙期に備え求人再強化、RPOも活用視野に
  • 12月:退職予測/欠員対策のための先行採用準備

このように、年間を通じた計画を立てることで、一時的な慌ただしさや見落としを防ぎ、継続的に安定した採用が可能になります。

採用活動後の振り返りと改善

採用活動が終わったら、必ず振り返りを実施しましょう。 「どの時期に、どの手法で、どの媒体が最も効果的だったか」「歩留まりの悪かった選考段階はどこか」など、データと事実をもとに次回の改善策を検討します。 PDCAを回すことで、年々採用の精度と効率が向上していきます。

時期ごとの採用活動で見落としがちなポイント

中途採用を時期に合わせて行う際、採用担当者が見落としがちな盲点や注意点があります。 時期特有の応募者心理や社内体制の変化にも目を向けることが、採用活動の質を左右します。

  • 繁忙期は応募者対応の質が低下しやすい
  • 閑散期は候補者の質が落ちるとは限らない
  • 社内の選考体制が時期によって変動する
  • 競合企業の採用スケジュールを見落としがち

ここでは、各採用シーズンで見落とされがちなポイントを4つに分けて詳しく解説します。

繁忙期は応募者対応の質が低下しやすい

1〜3月、9〜11月といった採用の繁忙期は、求人に対する応募も多く集まりやすい一方で、採用担当者のリソースが逼迫しやすい時期でもあります。 その結果、応募者へのレスポンスが遅れたり、面接調整やフィードバック対応が雑になったりすることが発生しがちです。 応募者は複数の企業と並行して選考を進めているため、レスポンスの早さや丁寧な対応が企業選びの重要な判断軸になります。 「忙しい時期こそ、候補者体験の質を高める」という意識が不可欠です。

閑散期は候補者の質が落ちるとは限らない

5〜8月や12月などの閑散期は、応募者数が減少する傾向にありますが、必ずしも候補者の質が下がるわけではありません。 むしろ、この時期に転職活動をしている人は、計画的にキャリアチェンジを考えているケースが多く、志望度が高い傾向があります。 採用活動を“お休み”するのではなく、質の高い応募者との接点をつくるチャンスと捉えることが重要です。 閑散期には、丁寧なスカウトやターゲティング広告など、狙い撃ちのアプローチが効果を発揮します。

社内の選考体制が時期によって変動する

採用活動は、人事だけでなく現場部門の協力も不可欠です。 しかし、期末の3月・9月や年末年始などは、各部門が繁忙期に入るため、面接官のスケジュールが確保しづらくなります。 選考スピードが遅れたり、社内調整に手間取ることで、内定辞退が発生するリスクも高まります。 事前に年間の選考体制をスケジューリングしておくことや、予備の面接官を用意しておくことが、スムーズな運用の鍵です。

競合企業の採用スケジュールを見落としがち

求職者が複数の企業からオファーを受けるのが一般的になった今、競合他社の動向を把握することは極めて重要です。 繁忙期に出稿していても、他社と求人内容・待遇・選考スピードで見劣りしてしまうと、選ばれにくくなります。 競合が採用活動を控えている閑散期を逆にチャンスと捉える「逆張り戦略」も検討に値します。 自社がどのタイミングで、どの市場に、どんなポジションを打ち出すかを、外部環境も加味して設計することが必要です。

中途採用の時期に関する今後のトレンド

労働市場は大きな転換期を迎えており、中途採用の時期的特徴にも変化が現れています。

  • テレワークやリモートワークの普及
  • 新しい働き方改革

ここでは、その主因と影響について解説していきます。

テレワークやリモートワークの普及

近年、テレワークやリモートワークの普及に伴い、中途採用の時期に関するトレンドにも変化が見られます。

従来のようなオフィスに縛られた働き方から、柔軟な働き方へのシフトが進んでおり、採用の時期も固定的なものから流動的なものへと移行しつつあります。

特に、遠隔での採用面接やオンボーディングプロセスが普及したことにより、求職者が物理的な移動を伴わずに転職活動を行うことができるようになりました。これにより、採用活動が年間を通じて行いやすくなり、企業も柔軟なタイミングでの採用が可能になっています。

新しい働き方改革

働き方改革の影響も、中途採用の時期に大きな影響を与えています。

企業が従業員の働き方に柔軟性を持たせることで、求職者も転職活動を行うタイミングに自由度が増しています。これにより、特定の時期に採用活動が集中するのではなく、より分散した形での採用が進むようになっています。

さらに、企業が従業員のワークライフバランスを重視するようになったことで、働きやすい環境を提供する企業が求職者から選ばれやすくなっています。このような新しいトレンドに対応するため、採用のタイミングもフレキシブルに設定することが必要です。

中途採用の時期についてよくある質問(FAQ)

中途採用の時期についてよくある質問をまとめました。

応募が少ない時期の採用活動でも、やる意味はある?

応募が減りがちな時期ですが、差別化しやすく、競合の少ない中で優秀な人材を獲得しやすいのが特徴です。
特に小売・サービス業では繁忙期に合わせた採用チャンスもあります。

中途採用の募集開始時期と入社希望時期にギャップがある場合、どう対処すべき?

事前に「最短・最長入社可能時期」を求人票に明示し、柔軟な対応姿勢を示すことで、母集団の質を維持することが可能です。
入社時期に猶予がある人材にもすることがアプローチできるようになります。

中途採用時期に合わせた社内体制の見直しポイントは?

繁忙期に備えて面接官のスケジュール調整や選考プロセスの時短設計を、事前に行っておきましょう。
業務と両立できる採用運用体制を整えることが重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?中途採用を成功させるには「時期」が一つのキーワードとなることがおわかりいただけたと思います。

本記事を参考に、時期の特性を活かした採用計画を立てることで、より効果的な人材確保が見込めることでしょう。自社の採用ニーズと市場動向を照らし合わせ、最適なタイミングでの採用活動を展開していきましょう。

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