定性評価とは?定量評価との違いや評価項目、注意点について解説!

定性評価とは?定量評価との違いや評価項目、注意点について解説!

企業における多種多様な人事評価のうち、今回は定性評価についてご紹介します。定性評価の意味とその方法について知ることは、より適切な人事評価につながるでしょう。

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定性評価とは

定性評価とは数字で表すことのできない対象を評価することです。売り上げや契約数などのように数字に出る結果ではなく、数字で表せない実績や性質に対して評価するときに使います。

例えば、どれだけ仕事と真摯に向き合っているのかというような勤務の姿勢であったり、職場での協調性などが当たります。今は形として成果が出ていないとしても、これから役に立つであろう知識を取り入れようとする姿勢や作業方針などが評価要素になることも定性評価の特徴です。

定性評価と定量評価の違い

定性評価が数字によって表すことができない評価である一方、定量評価とは数字を指標として評価が決定される人事評価項目のことを指します。具体的には、売上が前年から○○%増加した、営業成績が部署内で○○位だった、業務コストを○○円削減したなど、目に見える形で会社に寄与したか否かが評価基準となる場合が多いです。定性評価と比較して、正確かつ客観的な評価が実施しやすいのが特徴です。

等級制度における定性評価とは

定性評価そのものの定義は抽象的であるため、様々な評価項目を検討・設置することは可能です。しかし、基本的な設計として、各等級毎に定義された役割期待に関する文言がブレイクダウンされたものであるべきです。等級制度を用いた人事評価は、被評価者の評価結果によって等級を昇降格させる仕組みです。評価結果のもととなる人事評価項目は社員が目指すべき行動・結果を規定するもので、それらと等級毎の役割定義が不一致であることは、矛盾です。この点に注意して定性評価を検討しましょう。

定性評価の評価項目

ここでは実際に定性評価の使用方法についてご紹介します。

定性評価は評価の基準に数値を使用することができないため、言葉で表現できる評価基準を設定し、その基準にどれだけ達しているかを判断して評価します。

またその基準にも段階を設定することで、更に詳細に評価することができるようになります。例えばチェックシートを作成し、項目ごとに3段階で評価していくような方法があります。これらは等級制度における等級毎の差分を作る目的で実施するケースが多いです。以下のような評価項目例は抽象的な項目ですので、正直品質が高いとは言えず、あまりおすすめはしません。本来は、なるべく具体的に求めるべき評価項目を示すべきです。そうでない限り、評価者エラーは起こりえますし、肝心の社員が本来の意味を理解できないからです。

評価項目例スピード性
・指示に対するレスポンスのスピードが早いかどうか
・業務を終わらせるスピードが早いかどうか
創意工夫性
・作業効率を上げようとしているかどうか
・業務改善に対する意欲があるかどうか
知識
・業務や商品への知識はあるかどうか
規律性
・身だしなみや整理整頓がしっかりとしているかどうか
・遅刻などせずに時間を守れているかどうか
積極性
・仕事に対して向上心があるかどうか
・前向きな姿勢を見せているかどうか
協調性
・職場での人間関係は良好かどうか
・職場のイベントなどに協力したかどうか

定性評価のメリット

定性評価のメリットを3つご紹介します。

数字に出ない仕事を評価できる

定性評価は実際の成績以外にも評価する要素があるため、定量評価では成果がでにくい従業員に対しても正しく評価することができます。

従業員のモチベーションアップにつながる

自身の役割期待がブレイクダウンされた指針が具体的に示されるため、社員にとって「わかりやすく」「道に迷わない」メリットがあります。これこそが、従業員のモチベーションアップに重要な観点です。

新入社員の評価に効果的

また比較的勤務歴の浅い従業員への評価としても定性評価は効果的です。業務の経験が少ないため数字に表れる成果を出すことは難しいです。そこで評価のポイントを定性的な項目に当てはめることで、仕事に対する姿勢や向上心を評価することができます。

定性評価のデメリット

定性評価にはメリットもある一方でデメリットもあります。ここではデメリットを2つご紹介します。

評価が難しい

定性評価は定量評価のように明確な数値的基準を設定することができないため、どうしても評価者の主観が反映される可能性があります。また定量評価であれば結果だけを見れば評価できるというのに対し、定性評価は過程も見なければならないため評価者への負担が大きくなります

評価に対する不満が出やすい

評価される側が評価に対して納得できないという可能性もあります。定性評価の項目は人によってはあまり重視していないことであったり、自身が予想していた評価と食い違うということが発生することがあるためです。

定性評価を導入する際の注意点

上記のデメリットで挙げられているように、定性評価は評価者の主観が反映される可能性があり、公正な評価でなくなる場合があります。その解決策として下記の4つを紹介します。

・多面評価を導入する

評価者の上司だけで評価するのではなく、評価される本人やクライアントなども交えて評価します。様々な視点から多角的に判断することでより客観的で公正な評価になります。また、評価される本人も参加することで評価への信頼と納得につながります。ただし、多面評価にはメリットもデメリットも存在しています。例えば、評価者に評価する能力・スキルが不足しており、不公平感を生んでしまうなどです。uloqoの人事コンサルティングサービスにおいて、多面評価を提案する機会は非常に限定的です。

多面評価については、下記関連記事もご覧ください。
360度評価とは?メリット・デメリットや導入時のポイントなどについて徹底解説します。

・フィードバックをする

評価をした際に評価結果を直接伝えることが理想的です。できるだけ詳細にどの部分が評価されていて、どの部分でマイナス評価をされているのかを伝えましょう。この際、必ず事実ベースで話をするようにしましょう。また、最終結果だけを伝えるのではなく、途中までの結果も伝えることで最終評価までに評価を高めようと努力するようになります。

・評価フローを公平に整備する

例えば、評価結果についての最終決裁前に「評価委員会を設置する」などがこれに該当します。特に等級制度を用いた評価においては有効です。部門が異なる人材で同じ等級に該当する人材が二名いたとします。それぞれの評価者毎にお互いの評価結果の基準・難易度を均一化することは非常に難しく、考課者訓練を用いたからといって解決する問題ではありません。そこで、「評価委員会」を設置し、昇格対象者について評価者が直接評価委員会にプレゼンする場を作ることで、その場で公平な視点で最終評価結果を作ることが可能になり、同時にそれぞれの評価者へのフィードバックの場にも活用できます。

・考課者訓練を行う

定性評価においては無意識のヒューマンエラーが頻繁に発生します。思いこみによって不適切な評価がされる場合です。代表的な例として以下のようなものが挙げられます。

先入観エラー: 学歴や性別など、業務と関係ない情報により評価が偏るエラー
ハロー効果: 他の評価項目に極端な特色があった場合その他の評価項目まで影響が及ぶエラー
中心化傾向: 自身の評価に自信がなく高い評価も低い評価もつけられず、普通評価に偏るエラー

これらは考課者訓練という訓練を行うことである程度解決できます。このようなエラーを把握し、防ぐために考課者訓練を行います。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
評価者研修とは?目的や内容、人事評価への活用ポイントなどを徹底解説します!

・定性評価だけに頼らない

過程ばかりを重視して結果が出なければ本末転倒です。定性評価だけでは結果を出した人が評価されない可能性があります。数値で評価できるものに対しては定量評価を使用し、定性評価が優れている対象には定性評価を使用するというように、使い分けることでより公正な評価ができるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は定性評価の導入方法と注意点について紹介しました。人事評価において数値だけでは判断できない対象は必ず存在します。そこで定性評価は必要になります。その使用方法と注意点を知ることで適切な評価を下せるようになるでしょう。

この記事を書いた人

関川 懸介

株式会社uloqo代表取締役

1990年6月29日生まれ。京都府出身。
新卒でアドテクノロジーベンダーに就職。
その後、リクルートグループの人材斡旋部門において、キャリアアドバイザーとして従事。全社MVP計6回受賞、準MVP計2回受賞。2016年4月に、創業者の当時代表取締役と共に株式会社uloqoを設立。
人材紹介事業、メディア運営、HRsolution事業、uloqoに関わる全事業において、1人で立ち上げから収益化まで担う。

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